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ECサイト分析の指標・手順・ツール|売上・商品・顧客・在庫の見方

ECサイト分析の指標・手順・ツール|売上・商品・顧客・在庫の見方

ECサイト分析とは

ECサイト分析とは、売上・商品・顧客・在庫・流入のデータから、売上を動かす改善箇所を特定することです。売上を「セッション数×CVR×客単価」と「新規売上+リピート売上」に分解し、集客・購入率・注文金額・再購入のどこに変化があるかを確認します。

売上だけを見て広告や値引きを増やす前に、変化した指標と対象商品を絞ります。この記事では、計算式とKPIツリーを起点に、カート管理画面・GA4・受注CSVで何を見て、どの判断につなげるかを整理します。

ECサイト分析で見る指標とKPIツリー

ECサイトのKPIは、売上を分解する指標と、粗利・在庫・返品を確認する指標を組み合わせます。比較前に集計期間、対象ストア、注文の扱いをそろえることが、数値を判断に使う前提です。

以下は本記事の分析用の定義です。KPIツリーの売上は税・送料を除く値引き後、返品調整前の金額とし、テスト注文・キャンセル注文を除外します。管理画面の同名指標を使う際は、その画面の定義を確認します。

指標名

計算式・集計方法

見る目的

売上

商品単価×販売数量の合計−値引き額

販売規模を把握する

注文数

対象となる注文IDの重複を除いた件数

購入件数の増減を見る

セッション数

対象サイトで開始されたセッションの数

訪問の増減を見る

CVR(注文基準)

注文数÷セッション数×100

訪問に対する注文の割合を見る

客単価(AOV)

売上÷注文数

注文あたりの購入金額を見る

新規/リピート比率(注文基準)

初回注文数÷注文数×100/2回目以降の注文数÷注文数×100

初回購入と再購入の構成を見る

リピート率(期間内)

期間内に2回以上購入した顧客数÷同期間の購入顧客数×100

対象期間内の再購入を把握する

LTV(期間実績・売上ベース)

対象顧客の期間内売上合計÷同期間の購入顧客数

顧客あたりの購入金額を見る

粗利率

(純売上−対応する売上原価)÷純売上×100

原価を差し引いた採算を見る

在庫回転率

期間内の売上原価÷平均在庫金額(原価)

在庫の入れ替わりを見る

返品率(商品点数基準)

対象注文から返品された商品点数÷対象注文の販売商品点数×100

販売した商品の返品割合を見る

カゴ落ち率(同一セッション内)

(カート追加セッション数−そのうち購入したセッション数)÷カート追加セッション数×100

カート追加後の未購入を見る

広告経由売上/ROAS

広告に帰属する購入金額の合計/ROAS=広告経由売上÷広告費×100

広告費に対する売上を見る

分母が0の場合は算出不可とします。新規/リピートの注文判定には過去の購入履歴を使い、期間内の購入回数だけで新規と判定しません。判定できない注文がある場合は、売上の内訳に未判定を加えます。LTVも観測期間を明記し、期間内の平均売上と将来の生涯価値の予測を分けて扱います。

売上から下位の指標へ分解する

  • 売上=注文数×客単価

    • 注文数=セッション数×CVR

      • セッション数:流入チャネル別に確認

      • CVR:端末・購入経路別に確認

    • 客単価:購入商品と注文あたり購入点数を確認

  • 別の分解:売上=新規売上+リピート売上

    • 新規売上=初回注文数×新規注文の客単価

    • リピート売上=2回目以降の注文数×リピート注文の客単価

CVRを百分率で表示する場合は、式に入れるときに100で割ります。GA4のセッションのキーイベント率は、キーイベントが発生したセッションの割合です。本記事の「注文数÷セッション数」とは分子が異なるため、そのままKPIツリーへ代入しません。また、Google公式のeコマース指標の説明では、イベント回数と商品点数も区別されています。粗利の計算式も併記し、売上と採算を確認します。

ECサイト分析の手順

分析は、データの集計条件をそろえてから、売上・商品・顧客・在庫・流入の順に進めます。各段階で「変化した指標」「確認する明細」「施策候補」を残します。

順序

確認するデータ

残す結果

1.データをそろえる

カート管理画面、GA4、広告管理画面、受注CSV

売上定義、税・送料・値引き・返品・キャンセルの扱い

2.期間と比較軸を決める

開始日・終了日、前年同月、通常期・キャンペーン期

対象ストア、タイムゾーン、比較期間

3.売上トレンドを見る

日別・週別・月別の売上、注文数、CVR、客単価

増減が始まった時点と変化した指標

4.商品を見る

商品別売上、注文件数、粗利、同時購入

売上の増減に関わる商品と組み合わせ

5.顧客を見る

新規/リピート、購入回数、顧客別売上

変化した顧客層と再購入の状況

6.在庫・返品を見る

商品別在庫、販売ペース、返品点数・理由

補充や商品説明を点検する対象

7.流入と広告を見る

GA4のチャネル、広告費、購入成果

流入・購入・粗利を確認した施策候補

8.施策と効果測定

変更前後の同一定義のKPI

変更内容、実施日、担当者、確認日、結果

受注CSVには注文ID・注文日時・顧客ID・商品ID・数量・商品金額・値引き・返品をそろえ、注文単位と商品明細単位を分けます。商品明細に注文総額が繰り返される形式なら、その列を全行合算せず、注文ID単位の表で売上を集計します。

GA4の購入データにはeコマースイベントの送信が必要です。Googleのeコマース購入レポートの説明に沿って計測状況を確認し、Shopifyでの実装を調べる場合はShopifyのGTM実装も参照できます。

売上分析の見方

売上分析では、時系列の増減を注文数・CVR・客単価に分解し、前年同月と比較します。通常期とキャンペーン期を分け、返品などの調整後にいくら残ったかまで確認します。

カートの販売レポートか日別の受注集計を使い、値引き、広告変更、欠品の発生日を売上トレンドに添えます。月の途中で比較する場合は、比較先も同じ経過日数にそろえ、曜日やキャンペーン日程の違いを確認します。

見つかった変化

次に確認する内容

判断する施策候補

セッション数が減った

減少したチャネル、広告配信、計測状態

流入元と計測設定の点検

訪問は横ばいでCVRが下がった

商品・端末別の購入経路、欠品、購入手続き

商品ページとカゴ落ち対策の検証

注文数は横ばいで客単価が下がった

値引き、購入点数、購入商品の構成

セット購入や商品掲載の見直し

売上が伸びても純売上・粗利が伸びない

売上取り消し、返品、原価

返品理由と販売条件の点検

純売上は調整項目まで確認します。Shopifyの販売レポートでは「総売上高−ディスカウント−売上取り消し」で、取り消しには返品以外の注文調整も含まれます。処理日の集計と元の販売日の集計を分け、返品額を二重に引かないようにします。採算の確認には利益率計算ツールも参照できます。

商品分析の見方

商品分析では、売れ筋ランキング・ABC分析・セット購入ランキングを使い分けます。単品の販売規模と、売上への貢献、他商品と一緒に買われる状況を確認します。

売れ筋とABC分析を並べる

カートの商品別レポートや受注CSVから、商品ごとの売上・販売点数・注文件数を並べます。注文件数はその商品を含む注文IDの重複を除いて数え、販売点数と区別します。順位が下がった商品は、欠品期間、発売日、値引きの有無も確認します。

売上ABC分析では商品を売上の大きい順に並べ、構成比と累積構成比からA・B・Cに分類します。売上の順位だけで広告予算を決めず、粗利額と在庫も加えて検討します。分類表の作り方や境界の扱いはABC分析のやり方で確認できます。

併売分析でセット購入を確認する

併売とは、同じ注文で異なる商品が一緒に購入されることです。併売分析では、同一注文IDに含まれる商品の組み合わせを数え、同時購入した注文件数の多い順に並べます。

表には組み合わせ、同時購入の注文件数、組み合わせの売上、粗利を置きます。注文基準の併売率を求める場合は「基準商品と相手商品を含む注文数÷基準商品を含む注文数×100」と定義します。基準商品を明記し、関連商品欄やセット販売を変更した後の客単価と粗利で検証します。

顧客分析の見方

顧客分析では、新規/リピートの注文内訳に、購買頻度・LTV・顧客セグメントを重ねます。新規購入を増やす施策と、購入後の再購入を促す施策の対象を分けます。

受注CSVを顧客IDでまとめ、初回購入日、最新購入日、期間内注文数、期間内売上を集計します。平均購買頻度は「期間内注文数÷期間内購入顧客数」です。顧客IDがない注文は未判定として分け、同じ顧客か確認できないまま集計しません。

中小機構の顧客データ分析の説明でも、RFMは最新購入日・頻度・購入金額で顧客を見る手法とされています。購入回数だけでなく、最後の購入からの経過と購入金額を並べると、セグメントごとの対応を考えられます。

初回購入月で顧客をまとめ、購入後の同じ経過期間で再購入や売上を比較します。観測期間の異なる顧客群のLTVは単純比較せず、売上ベースのLTVには粗利も添えます。集計の詳細は顧客分析、獲得単価との関係はLTVとCACを参照できます。

在庫・返品の分析

在庫は現在数と販売ペース、返品は率と理由を組み合わせて見ます。販売を続けられる量があるか、販売後にどの商品で問題が起きているかを確認します。

在庫残日数と在庫回転率

商品別の在庫表に、現在の販売可能在庫、期間内販売点数、入荷予定を並べます。在庫残日数は「販売可能在庫数÷1日あたり平均販売点数」、平均販売点数は「期間内販売点数÷期間の日数」で試算します。販売が0なら算出不可とし、過去の販売ペースを使った試算として扱います。

在庫残日数と次回入荷までの日数を比較し、在庫切れアラートの対象商品は補充予定と広告掲載を点検します。在庫回転率は「期間内の売上原価÷平均在庫金額」、平均在庫金額は「(期首在庫金額+期末在庫金額)÷2」です。金額は原価で統一します。計算式は東芝テックの在庫回転率の説明でも確認できます。

返品率と返品理由を商品別に見る

ECの返品率は、商品点数基準なら「返品商品点数÷販売商品点数×100」です。販売期間で対象注文を固定し、その注文に対応する返品だけを、決めた確認日まで集計します。今月の販売と過去の注文の返品を混ぜないようにします。

返品明細には商品ID、販売日、返品日、点数、返金額、返品理由を並べます。理由にサイズ違いがあればサイズ説明、破損があれば梱包・配送を点検する候補とし、現品が戻らない返金は返品点数に含めず管理します。

流入チャネルと広告の分析

流入はGA4でチャネル別に確認し、広告管理画面の費用・購入成果と突き合わせます。比較前に期間・売上定義・広告への成果の割り当て方を確認します。

GA4のトラフィック獲得レポートで「セッションのデフォルトチャネルグループ」を使い、自然検索・有料ソーシャル・メールなどを確認します。参照元・メディアやキャンペーンも確認し、セッション数から購入までを追います。操作の全体像はGA4の活用で整理しています。

手動でUTMを付ける場合は、参照元を示すutm_source、メディアを示すutm_medium、キャンペーンを識別するutm_campaignの命名をそろえます。Google公式のキャンペーンURLの説明UTMパラメータの使い方を確認し、同じ施策の表記を統一します。

広告側のコンバージョンが購入を対象としているか、購入金額を値として送っているかを確認します。Google広告のROASの定義は、帰属するコンバージョン値を広告費で割るものです。売上以外の価値を設定した値は、売上ROASと分けます。

媒体別の広告経由売上はそのまま合算せず、ストア売上との比較欄を作ります。差がある場合は、成果の計上日、帰属条件、返品の反映、計測漏れを順に点検します。ECサイトの広告を見直す際も、ROASだけでなく商品別の粗利・在庫を確認します。

ECサイト分析ツールの選び方

分析ツールは、確認したいデータと更新を担当できる体制で選びます。規模は売上額だけで区切らず、ストア数・データ量・集計の頻度を判断軸にします。

方法

向く規模・体制と用途

限界・確認事項

カート管理画面の標準レポート

単一ストアを中心に、売上や商品を日々確認する体制

使える項目と定義、他ストア・広告データとの比較方法を確認

GA4

小規模から、流入とサイト内の購買行動を確認したい場合

eコマース計測が前提。在庫・受注実績との照合は別途用意

BI

複数ストアや部門のデータを扱い、集計設計を担当できる体制

接続先、データ整形、更新、指標定義の保守を確認

EC分析ツール

複数の分析を定期的に確認したい小・中規模の運営体制

連携ストア、分析項目、集計条件を確認

Cascade

連携したEC・決済データを、広告成果と組み合わせて確認する用途

EC分析はBusinessプラン。分析ごとに対応ストアが異なる

受注CSV+表計算

少量の受注から始める場合や、独自の切り口を試す場合

CSVの取り込み、重複処理、集計更新の担当を決める

表計算では、商品明細の行に商品ID、列に販売月、値に商品金額・数量を置きます。Excelのピボットテーブルで集計し、注文数は別途、注文IDの重複を除いて数えます。元データ追加後は集計を更新します。

BIを検討する際は、Power BI Desktopの接続先のような公式資料で、CSVや自社のデータソースに対応するかを確認します。ツールを変える前に、既存データで判断できない項目を具体化します。

CascadeでEC分析を行う

CascadeのEC分析では、連携したECストアや決済サービスのデータを、売上・商品・顧客・在庫などの観点で分析できます。広告成果と組み合わせて、改善ポイントを見つけるための情報が得られます。

EC分析はBusinessプランの機能です。左メニューの[分析]>[EC分析]から開きます。Shopify/Shopline/カラーミーショップ/BASE/楽天市場/Yahoo!ショッピング/Qoo10/Amazon売上/TikTok Shop/Stripe(売上ソース)のいずれかの連携が前提で、一部の指標には連携先ストアの7日以上の販売実績が必要です。複数ストアは画面上部のタブで切り替えます。

売上トレンドでは売上・純売上・返品・注文数の推移、売れ筋ランキングでは注文件数ベースの上位商品を確認できます。商品ABC分析は売上の累積構成比で自動計算され、Aが上位約70%、Bが約20%、Cが約10%です。セット購入ランキング、在庫数・在庫残日数・在庫切れアラート、返品・返金分析、流入チャネル分析もあります。

顧客分析では月次LTV・購買頻度・新規/リピートの内訳を確認できます。平均LTVは期間内に購入したユニーク顧客あたりの平均売上で、広告データと連動したCPA/LTV比も確認できます。定義は顧客LTV分析のヘルプに記載されています。

分析ごとに対応ストアは異なります。たとえばStripeは商品ABC・売れ筋・セット購入・在庫数の対象に含まれず、AmazonとTikTok Shopは顧客分析の対象に含まれません。利用前提と対応範囲はEC分析のヘルプで確認できます。

よくある質問

最初に見る指標は売上・注文数・CVR・客単価です。KPIツリーや返品率を使う際は、分子・分母と観測期間をそろえます。

Q. ECサイトの分析で最初に見る指標は?

A. 売上と注文数を確認し、セッション数・CVR・客単価に分解します。売上が増えていても、純売上や粗利を確認して採算まで見ます。

Q. ECサイトのKPIツリーはどう作りますか?

A. 売上を注文数×客単価、注文数をセッション数×CVRへ分解します。CVRは注文数を分子にし、別の枝で新規売上とリピート売上の内訳を確認します。

Q. 併売とは何ですか?

A. 同じ注文で異なる商品が一緒に購入されることです。併売分析では注文IDごとの組み合わせを集計し、関連商品やセット販売の候補を検討します。

Q. 返品率の計算方法は?

A. 商品点数基準なら返品点数÷販売点数×100です。対象注文と確認日を固定します。注文基準なら返品があった注文数÷対象注文数×100とし、商品点数基準の率と分けます。

Q. 受注CSVだけでECサイト分析はできますか?

A. 必要な項目があれば、売上・商品・購買頻度・併売を集計できます。セッション数やカート追加後の動きには行動データ、在庫の判断には在庫データを追加します。

まとめ

ECサイト分析は、売上の分解から変化した指標を特定し、売上・商品・顧客・在庫・流入の明細へ進めます。計算式と比較条件を固定し、施策の実施日と結果を残すことで、次の判断につなげます。

CascadeのEC分析でも、連携したEC・決済データを広告成果と組み合わせ、改善ポイントを見つけるための情報を確認できます。

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ブログ記事

ECサイト分析の指標・手順・ツール|売上・商品・顧客・在庫の見方

目次

ECサイト分析の指標・手順・ツール|売上・商品・顧客・在庫の見方
ECサイト分析の指標・手順・ツール|売上・商品・顧客・在庫の見方

ECサイト分析とは

ECサイト分析とは、売上・商品・顧客・在庫・流入のデータから、売上を動かす改善箇所を特定することです。売上を「セッション数×CVR×客単価」と「新規売上+リピート売上」に分解し、集客・購入率・注文金額・再購入のどこに変化があるかを確認します。

売上だけを見て広告や値引きを増やす前に、変化した指標と対象商品を絞ります。この記事では、計算式とKPIツリーを起点に、カート管理画面・GA4・受注CSVで何を見て、どの判断につなげるかを整理します。

ECサイト分析で見る指標とKPIツリー

ECサイトのKPIは、売上を分解する指標と、粗利・在庫・返品を確認する指標を組み合わせます。比較前に集計期間、対象ストア、注文の扱いをそろえることが、数値を判断に使う前提です。

以下は本記事の分析用の定義です。KPIツリーの売上は税・送料を除く値引き後、返品調整前の金額とし、テスト注文・キャンセル注文を除外します。管理画面の同名指標を使う際は、その画面の定義を確認します。

指標名

計算式・集計方法

見る目的

売上

商品単価×販売数量の合計−値引き額

販売規模を把握する

注文数

対象となる注文IDの重複を除いた件数

購入件数の増減を見る

セッション数

対象サイトで開始されたセッションの数

訪問の増減を見る

CVR(注文基準)

注文数÷セッション数×100

訪問に対する注文の割合を見る

客単価(AOV)

売上÷注文数

注文あたりの購入金額を見る

新規/リピート比率(注文基準)

初回注文数÷注文数×100/2回目以降の注文数÷注文数×100

初回購入と再購入の構成を見る

リピート率(期間内)

期間内に2回以上購入した顧客数÷同期間の購入顧客数×100

対象期間内の再購入を把握する

LTV(期間実績・売上ベース)

対象顧客の期間内売上合計÷同期間の購入顧客数

顧客あたりの購入金額を見る

粗利率

(純売上−対応する売上原価)÷純売上×100

原価を差し引いた採算を見る

在庫回転率

期間内の売上原価÷平均在庫金額(原価)

在庫の入れ替わりを見る

返品率(商品点数基準)

対象注文から返品された商品点数÷対象注文の販売商品点数×100

販売した商品の返品割合を見る

カゴ落ち率(同一セッション内)

(カート追加セッション数−そのうち購入したセッション数)÷カート追加セッション数×100

カート追加後の未購入を見る

広告経由売上/ROAS

広告に帰属する購入金額の合計/ROAS=広告経由売上÷広告費×100

広告費に対する売上を見る

分母が0の場合は算出不可とします。新規/リピートの注文判定には過去の購入履歴を使い、期間内の購入回数だけで新規と判定しません。判定できない注文がある場合は、売上の内訳に未判定を加えます。LTVも観測期間を明記し、期間内の平均売上と将来の生涯価値の予測を分けて扱います。

売上から下位の指標へ分解する

  • 売上=注文数×客単価

    • 注文数=セッション数×CVR

      • セッション数:流入チャネル別に確認

      • CVR:端末・購入経路別に確認

    • 客単価:購入商品と注文あたり購入点数を確認

  • 別の分解:売上=新規売上+リピート売上

    • 新規売上=初回注文数×新規注文の客単価

    • リピート売上=2回目以降の注文数×リピート注文の客単価

CVRを百分率で表示する場合は、式に入れるときに100で割ります。GA4のセッションのキーイベント率は、キーイベントが発生したセッションの割合です。本記事の「注文数÷セッション数」とは分子が異なるため、そのままKPIツリーへ代入しません。また、Google公式のeコマース指標の説明では、イベント回数と商品点数も区別されています。粗利の計算式も併記し、売上と採算を確認します。

ECサイト分析の手順

分析は、データの集計条件をそろえてから、売上・商品・顧客・在庫・流入の順に進めます。各段階で「変化した指標」「確認する明細」「施策候補」を残します。

順序

確認するデータ

残す結果

1.データをそろえる

カート管理画面、GA4、広告管理画面、受注CSV

売上定義、税・送料・値引き・返品・キャンセルの扱い

2.期間と比較軸を決める

開始日・終了日、前年同月、通常期・キャンペーン期

対象ストア、タイムゾーン、比較期間

3.売上トレンドを見る

日別・週別・月別の売上、注文数、CVR、客単価

増減が始まった時点と変化した指標

4.商品を見る

商品別売上、注文件数、粗利、同時購入

売上の増減に関わる商品と組み合わせ

5.顧客を見る

新規/リピート、購入回数、顧客別売上

変化した顧客層と再購入の状況

6.在庫・返品を見る

商品別在庫、販売ペース、返品点数・理由

補充や商品説明を点検する対象

7.流入と広告を見る

GA4のチャネル、広告費、購入成果

流入・購入・粗利を確認した施策候補

8.施策と効果測定

変更前後の同一定義のKPI

変更内容、実施日、担当者、確認日、結果

受注CSVには注文ID・注文日時・顧客ID・商品ID・数量・商品金額・値引き・返品をそろえ、注文単位と商品明細単位を分けます。商品明細に注文総額が繰り返される形式なら、その列を全行合算せず、注文ID単位の表で売上を集計します。

GA4の購入データにはeコマースイベントの送信が必要です。Googleのeコマース購入レポートの説明に沿って計測状況を確認し、Shopifyでの実装を調べる場合はShopifyのGTM実装も参照できます。

売上分析の見方

売上分析では、時系列の増減を注文数・CVR・客単価に分解し、前年同月と比較します。通常期とキャンペーン期を分け、返品などの調整後にいくら残ったかまで確認します。

カートの販売レポートか日別の受注集計を使い、値引き、広告変更、欠品の発生日を売上トレンドに添えます。月の途中で比較する場合は、比較先も同じ経過日数にそろえ、曜日やキャンペーン日程の違いを確認します。

見つかった変化

次に確認する内容

判断する施策候補

セッション数が減った

減少したチャネル、広告配信、計測状態

流入元と計測設定の点検

訪問は横ばいでCVRが下がった

商品・端末別の購入経路、欠品、購入手続き

商品ページとカゴ落ち対策の検証

注文数は横ばいで客単価が下がった

値引き、購入点数、購入商品の構成

セット購入や商品掲載の見直し

売上が伸びても純売上・粗利が伸びない

売上取り消し、返品、原価

返品理由と販売条件の点検

純売上は調整項目まで確認します。Shopifyの販売レポートでは「総売上高−ディスカウント−売上取り消し」で、取り消しには返品以外の注文調整も含まれます。処理日の集計と元の販売日の集計を分け、返品額を二重に引かないようにします。採算の確認には利益率計算ツールも参照できます。

商品分析の見方

商品分析では、売れ筋ランキング・ABC分析・セット購入ランキングを使い分けます。単品の販売規模と、売上への貢献、他商品と一緒に買われる状況を確認します。

売れ筋とABC分析を並べる

カートの商品別レポートや受注CSVから、商品ごとの売上・販売点数・注文件数を並べます。注文件数はその商品を含む注文IDの重複を除いて数え、販売点数と区別します。順位が下がった商品は、欠品期間、発売日、値引きの有無も確認します。

売上ABC分析では商品を売上の大きい順に並べ、構成比と累積構成比からA・B・Cに分類します。売上の順位だけで広告予算を決めず、粗利額と在庫も加えて検討します。分類表の作り方や境界の扱いはABC分析のやり方で確認できます。

併売分析でセット購入を確認する

併売とは、同じ注文で異なる商品が一緒に購入されることです。併売分析では、同一注文IDに含まれる商品の組み合わせを数え、同時購入した注文件数の多い順に並べます。

表には組み合わせ、同時購入の注文件数、組み合わせの売上、粗利を置きます。注文基準の併売率を求める場合は「基準商品と相手商品を含む注文数÷基準商品を含む注文数×100」と定義します。基準商品を明記し、関連商品欄やセット販売を変更した後の客単価と粗利で検証します。

顧客分析の見方

顧客分析では、新規/リピートの注文内訳に、購買頻度・LTV・顧客セグメントを重ねます。新規購入を増やす施策と、購入後の再購入を促す施策の対象を分けます。

受注CSVを顧客IDでまとめ、初回購入日、最新購入日、期間内注文数、期間内売上を集計します。平均購買頻度は「期間内注文数÷期間内購入顧客数」です。顧客IDがない注文は未判定として分け、同じ顧客か確認できないまま集計しません。

中小機構の顧客データ分析の説明でも、RFMは最新購入日・頻度・購入金額で顧客を見る手法とされています。購入回数だけでなく、最後の購入からの経過と購入金額を並べると、セグメントごとの対応を考えられます。

初回購入月で顧客をまとめ、購入後の同じ経過期間で再購入や売上を比較します。観測期間の異なる顧客群のLTVは単純比較せず、売上ベースのLTVには粗利も添えます。集計の詳細は顧客分析、獲得単価との関係はLTVとCACを参照できます。

在庫・返品の分析

在庫は現在数と販売ペース、返品は率と理由を組み合わせて見ます。販売を続けられる量があるか、販売後にどの商品で問題が起きているかを確認します。

在庫残日数と在庫回転率

商品別の在庫表に、現在の販売可能在庫、期間内販売点数、入荷予定を並べます。在庫残日数は「販売可能在庫数÷1日あたり平均販売点数」、平均販売点数は「期間内販売点数÷期間の日数」で試算します。販売が0なら算出不可とし、過去の販売ペースを使った試算として扱います。

在庫残日数と次回入荷までの日数を比較し、在庫切れアラートの対象商品は補充予定と広告掲載を点検します。在庫回転率は「期間内の売上原価÷平均在庫金額」、平均在庫金額は「(期首在庫金額+期末在庫金額)÷2」です。金額は原価で統一します。計算式は東芝テックの在庫回転率の説明でも確認できます。

返品率と返品理由を商品別に見る

ECの返品率は、商品点数基準なら「返品商品点数÷販売商品点数×100」です。販売期間で対象注文を固定し、その注文に対応する返品だけを、決めた確認日まで集計します。今月の販売と過去の注文の返品を混ぜないようにします。

返品明細には商品ID、販売日、返品日、点数、返金額、返品理由を並べます。理由にサイズ違いがあればサイズ説明、破損があれば梱包・配送を点検する候補とし、現品が戻らない返金は返品点数に含めず管理します。

流入チャネルと広告の分析

流入はGA4でチャネル別に確認し、広告管理画面の費用・購入成果と突き合わせます。比較前に期間・売上定義・広告への成果の割り当て方を確認します。

GA4のトラフィック獲得レポートで「セッションのデフォルトチャネルグループ」を使い、自然検索・有料ソーシャル・メールなどを確認します。参照元・メディアやキャンペーンも確認し、セッション数から購入までを追います。操作の全体像はGA4の活用で整理しています。

手動でUTMを付ける場合は、参照元を示すutm_source、メディアを示すutm_medium、キャンペーンを識別するutm_campaignの命名をそろえます。Google公式のキャンペーンURLの説明UTMパラメータの使い方を確認し、同じ施策の表記を統一します。

広告側のコンバージョンが購入を対象としているか、購入金額を値として送っているかを確認します。Google広告のROASの定義は、帰属するコンバージョン値を広告費で割るものです。売上以外の価値を設定した値は、売上ROASと分けます。

媒体別の広告経由売上はそのまま合算せず、ストア売上との比較欄を作ります。差がある場合は、成果の計上日、帰属条件、返品の反映、計測漏れを順に点検します。ECサイトの広告を見直す際も、ROASだけでなく商品別の粗利・在庫を確認します。

ECサイト分析ツールの選び方

分析ツールは、確認したいデータと更新を担当できる体制で選びます。規模は売上額だけで区切らず、ストア数・データ量・集計の頻度を判断軸にします。

方法

向く規模・体制と用途

限界・確認事項

カート管理画面の標準レポート

単一ストアを中心に、売上や商品を日々確認する体制

使える項目と定義、他ストア・広告データとの比較方法を確認

GA4

小規模から、流入とサイト内の購買行動を確認したい場合

eコマース計測が前提。在庫・受注実績との照合は別途用意

BI

複数ストアや部門のデータを扱い、集計設計を担当できる体制

接続先、データ整形、更新、指標定義の保守を確認

EC分析ツール

複数の分析を定期的に確認したい小・中規模の運営体制

連携ストア、分析項目、集計条件を確認

Cascade

連携したEC・決済データを、広告成果と組み合わせて確認する用途

EC分析はBusinessプラン。分析ごとに対応ストアが異なる

受注CSV+表計算

少量の受注から始める場合や、独自の切り口を試す場合

CSVの取り込み、重複処理、集計更新の担当を決める

表計算では、商品明細の行に商品ID、列に販売月、値に商品金額・数量を置きます。Excelのピボットテーブルで集計し、注文数は別途、注文IDの重複を除いて数えます。元データ追加後は集計を更新します。

BIを検討する際は、Power BI Desktopの接続先のような公式資料で、CSVや自社のデータソースに対応するかを確認します。ツールを変える前に、既存データで判断できない項目を具体化します。

CascadeでEC分析を行う

CascadeのEC分析では、連携したECストアや決済サービスのデータを、売上・商品・顧客・在庫などの観点で分析できます。広告成果と組み合わせて、改善ポイントを見つけるための情報が得られます。

EC分析はBusinessプランの機能です。左メニューの[分析]>[EC分析]から開きます。Shopify/Shopline/カラーミーショップ/BASE/楽天市場/Yahoo!ショッピング/Qoo10/Amazon売上/TikTok Shop/Stripe(売上ソース)のいずれかの連携が前提で、一部の指標には連携先ストアの7日以上の販売実績が必要です。複数ストアは画面上部のタブで切り替えます。

売上トレンドでは売上・純売上・返品・注文数の推移、売れ筋ランキングでは注文件数ベースの上位商品を確認できます。商品ABC分析は売上の累積構成比で自動計算され、Aが上位約70%、Bが約20%、Cが約10%です。セット購入ランキング、在庫数・在庫残日数・在庫切れアラート、返品・返金分析、流入チャネル分析もあります。

顧客分析では月次LTV・購買頻度・新規/リピートの内訳を確認できます。平均LTVは期間内に購入したユニーク顧客あたりの平均売上で、広告データと連動したCPA/LTV比も確認できます。定義は顧客LTV分析のヘルプに記載されています。

分析ごとに対応ストアは異なります。たとえばStripeは商品ABC・売れ筋・セット購入・在庫数の対象に含まれず、AmazonとTikTok Shopは顧客分析の対象に含まれません。利用前提と対応範囲はEC分析のヘルプで確認できます。

よくある質問

最初に見る指標は売上・注文数・CVR・客単価です。KPIツリーや返品率を使う際は、分子・分母と観測期間をそろえます。

Q. ECサイトの分析で最初に見る指標は?

A. 売上と注文数を確認し、セッション数・CVR・客単価に分解します。売上が増えていても、純売上や粗利を確認して採算まで見ます。

Q. ECサイトのKPIツリーはどう作りますか?

A. 売上を注文数×客単価、注文数をセッション数×CVRへ分解します。CVRは注文数を分子にし、別の枝で新規売上とリピート売上の内訳を確認します。

Q. 併売とは何ですか?

A. 同じ注文で異なる商品が一緒に購入されることです。併売分析では注文IDごとの組み合わせを集計し、関連商品やセット販売の候補を検討します。

Q. 返品率の計算方法は?

A. 商品点数基準なら返品点数÷販売点数×100です。対象注文と確認日を固定します。注文基準なら返品があった注文数÷対象注文数×100とし、商品点数基準の率と分けます。

Q. 受注CSVだけでECサイト分析はできますか?

A. 必要な項目があれば、売上・商品・購買頻度・併売を集計できます。セッション数やカート追加後の動きには行動データ、在庫の判断には在庫データを追加します。

まとめ

ECサイト分析は、売上の分解から変化した指標を特定し、売上・商品・顧客・在庫・流入の明細へ進めます。計算式と比較条件を固定し、施策の実施日と結果を残すことで、次の判断につなげます。

CascadeのEC分析でも、連携したEC・決済データを広告成果と組み合わせ、改善ポイントを見つけるための情報を確認できます。

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マーケティングをもっと自由に

媒体を横断した効果測定も、日々の改善も、レポート作成も。これまでバラバラだった広告運用を、Cascadeがひとつに繋げます。

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