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BtoB広告とは?主要媒体の使い分け・受注までの効果測定を解説【2026年版】

BtoB広告とは?主要媒体の使い分け・受注までの効果測定を解説【2026年版】

BtoB向けの商材で広告を始めたものの、Google・Meta・LinkedInなどどの媒体に予算を配分すればよいのか判断がつかない、資料請求や問い合わせは増えているのに商談や受注につながっている実感が持てない、といった悩みを抱える広告運用担当者は少なくありません。BtoB広告は意思決定に関わる人数や検討プロセス、成果の測り方がBtoC広告と大きく異なるため、同じ発想をそのまま持ち込むと成果を読み違えやすくなります。

本記事では、BtoB広告とは何かをBtoC広告との違いから整理したうえで、Google・Microsoft・Meta・LinkedIn・Xという主要媒体の特性と使い分け、リード獲得のオファー設計、そしてBtoB広告で最も見落とされやすい「受注までの効果測定」の考え方、予算とCPAの逆算方法までを順番に解説します。

BtoB広告とは|BtoC広告との違い

BtoB広告とは、企業の担当者や意思決定者に向けて配信する広告全般を指します。個人の消費者に向けたBtoC広告と比べると、次のような違いがあります。

観点

BtoB広告

BtoC広告

意思決定に関わる人数

現場の担当者に加え、上長や決裁者など複数人が関わることが多い

本人のみで完結することが多い

検討プロセス

情報収集・比較検討・社内稟議など複数の段階を経ることが多い

その場での購入や申込に至ることが多い

広告の直接のコンバージョン

資料請求・問い合わせ・ウェビナー申込などの「リード」が中心

購入・申込そのものがコンバージョンになりやすい

広告費・契約単価

1件あたりの契約金額が大きくなりやすい

1回あたりの購入金額は比較的小さいことが多い

この違いのなかでも運用上もっとも重要なのが「広告の直接のコンバージョン」の位置づけです。資料請求や問い合わせといったフォーム送信の多くは、それ自体で完結する成果ではなく、あくまで商談の入り口にすぎません。獲得したリードが実際に商談化し、受注に至って初めて、広告投資は成果を生んだと言えます。この「リードの先」まで見る視点が、BtoB広告の効果測定を難しくする一方、他社と差がつくポイントでもあります。詳しくは後述の「効果測定が本丸」の章で取り上げます。

BtoB広告の主要媒体と使い分け

BtoB広告で使われる主要な媒体には、それぞれ異なる強みがあります。以下は、各媒体の公式情報で確認できる特性を整理したものです。商材や検討フェーズによって適した媒体は変わるため、「BtoBならこの媒体一択」と決め打ちせず、目的に応じて組み合わせを検討することが基本になります。

媒体

公式情報で確認できる特性

適した用途の例

Google検索広告

ユーザーが検索した語句と設定したキーワードの一致によって表示が決まる仕組み

課題や製品名を具体的に検索している顕在層への接触

Microsoft広告

Bing・MSN・Outlook.com等に配信されるほか、他社にはない「LinkedInプロフィールターゲティング」で会社・業種・職務を指定可能

LinkedInのプロフィール情報を使ったビジネス層への配信

Meta広告

「インスタントフォーム」により、Facebook・Instagram上でモバイル完結型のリード獲得が可能

フォーム完了率を高めたいリード獲得・認知拡大

LinkedIn広告

職種・職務内容・役職レベル・会社名・業界・企業規模など20以上の属性でターゲティング可能

特定の役職・業界にいる意思決定者への直接アプローチ

X広告

検索語句や投稿内容にもとづくキーワードターゲティング、会話・イベントターゲティングを提供

業界イベントや話題性のあるトピックに絡めた認知獲得

Google検索広告は、ユーザーが入力した検索語句と広告主が設定したキーワードのマッチングによって表示が決まります。Google広告ヘルプでは「キーワードとは、ユーザーが検索している語句と広告を一致させるために使用される単語やフレーズです」と説明されており、Google自身も検索広告について、ユーザーが何かを探している瞬間に接点を持てる媒体であると位置づけています。課題や製品名をすでに具体的に検索している「顕在層」に接触しやすい点が特徴です。

Microsoft広告は、Bing・MSN・Outlook.comなど、Microsoftが運営・提携する面に配信されます。配信面や始め方はMicrosoft広告の解説記事で紹介していますが、BtoBの文脈で特徴的なのは「LinkedInプロフィールターゲティング」です。Microsoft Advertising公式ヘルプは、LinkedIn以外でLinkedInのプロフィール情報をもとにしたターゲティングができる唯一の広告プラットフォームだとし、会社・業種・職務でターゲティングできるとしています。ただし同ヘルプは、この機能があくまで入札調整(bid only)であり、対象外のユーザーへの配信を除外するものではないとも注記しています。

Meta広告には、Facebook・Instagramでの「リード獲得」向けに「インスタントフォーム」という仕組みがあります。Meta開発者向けドキュメントによれば、ユーザーがすでにMetaのサービスに登録している情報を使って手早く申し込める点が特徴で、広告主は問い合わせや資料請求につながる情報を得られるとされています。フォーム離脱を減らしたいリード獲得キャンペーンに向く機能です。

LinkedIn広告は、LinkedIn Marketing Solutions公式ヘルプによれば、職種(Job Title)、職務内容(Job Function)、役職レベル(Seniority)に加え、会社名・業界・企業規模といった属性でターゲティングを設定できます。LinkedIn公式サイトでも「20以上のオーディエンス属性カテゴリから選べる」としており、属性を組み合わせて特定の業界・役職層に絞った配信ができる点が強みです。

X広告は、キーワードターゲティングと会話・イベントターゲティングを備えています。X公式ヘルプによれば、キーワードターゲティングはユーザーの検索語句や投稿、エンゲージメントした投稿の内容にもとづいて配信対象を決める仕組みです。またX公式の広告紹介ページでは、特定の機会・話題・イベントに関連づけて認知を広げる用途を挙げており、業界イベントやトレンドに合わせた「話題化」を狙う配信に向くと位置づけられています。

リード獲得の設計|オファーとLP・フォームの考え方

BtoB広告の多くは、その場での購入ではなく「リード」の獲得を直接のゴールにします。どのようなオファー(提供物)でリードを集めるかによって、その後の商談化のしやすさが変わってきます。

オファー設計の考え方

代表的なオファーには、ホワイトペーパー・導入事例集・ウェビナー・個別相談・見積もり依頼などがあります。ホワイトペーパーや事例集のようなダウンロード型は、情報収集段階のユーザーでも申し込みやすい一方、検討がまだ進んでいないユーザーも多く含まれます。個別相談や見積もり依頼のような具体的なオファーは申込数こそ少なくなりやすいものの、検討が進んだユーザーが多い傾向があります。広告の目的(認知拡大か、今すぐ客の刈り取りか)に応じて使い分け、検討フェーズ別に複数のオファーを用意しておくと、さまざまな段階のユーザーを取りこぼしにくくなります。

LPとフォームの考え方

BtoB向けのランディングページでは、単一商品の購入を促すBtoC向けLPと異なり、「誰の・どんな課題を解決する製品なのか」を短時間で伝え、資料請求や問い合わせにつなげる設計が基本になります。フォームの入力項目を増やすほど営業側が受け取れる情報(役職・部署・予算感など)は増える一方、入力の手間で送信自体を諦めるユーザーも出てきます。このバランスは集めたいリードの「量」と「質」のどちらを優先するかで変わるため、営業チームが商談化の判断に最低限必要とする項目を洗い出し、そのうえでフォームの長さを決める順序がすすめられます。

効果測定が本丸|リード数ではなく商談・受注で評価する

BtoB広告における最大の落とし穴は、資料請求や問い合わせといったフォームのコンバージョン数だけを見て、広告の良し悪しを判断してしまうことです。フォーム送信数が多いキャンペーンが、実は質の低いリードばかりを集めていて商談にすら進まない、という状態は珍しくありません。逆に、フォーム送信数は少なくても商談化率・受注率が高く、結果的に売上へ貢献しているキャンペーンもあります。

CRMと広告データを突き合わせる

この差を把握するには、広告のクリック・コンバージョンのデータと、CRM・SFAに記録された商談・受注のデータを突き合わせる必要があります。広告のクリックに付与されるUTMパラメータやクリックIDをCRM側に保存し、商談・受注の記録と紐づけることで、どの媒体・キャンペーン経由のリードが実際に受注につながったかを追跡できます。突き合わせの具体的な方法や実装ステップはCRMマーケティングの解説記事で詳しく解説しています。

オフラインの成果を広告プラットフォームに返す

広告のフォーム送信はコンバージョンとして計測できても、その後の商談化・受注は通常CRM側にしか記録されません。Google広告には、クリックに割り当てられるGCLIDを軸にオフラインの成果を広告アカウントに送り返す仕組みがあり、Google広告ヘルプは「広告のクリックまたは広告からの電話問い合わせが行われた後のオフライン環境でのユーザー行動を測定できる」機能として説明しています。近年はファーストパーティデータを組み合わせて精度を高める「リードの拡張コンバージョン」への移行が案内されており、詳しくは拡張コンバージョンの解説記事で解説しています。Metaにも、広告主のサーバーやCRMが保有するデータをMeta側に送信する「コンバージョンAPI」があり、詳細はコンバージョンAPIの解説記事でまとめています。これらを使えば、商談化・受注の情報を自動入札の学習材料にも活用できます。媒体ごとの対応機能の全体像はオフラインコンバージョンの解説記事で整理しています。

受注ベースのROASで評価する

CRMと広告データを突き合わせられるようになったら、評価の軸をフォームのコンバージョン数から、受注ベースのROAS(広告経由の受注金額÷広告費)に切り替えます。媒体別・キャンペーン別に比較すると、フォーム送信数だけでは分からなかった「リードの質」の違いが見えてきます。フォーム単価が高くても受注ベースROASが高い媒体には予算を厚くし、フォーム単価が安くても受注に至らない媒体は配信内容やターゲティングを見直す、といった判断ができるようになります。

CRMと広告データを別々のツールで管理していると、この突き合わせ自体に手間がかかります。たとえばCascadeは、Google・Meta・LINEヤフーなど主要広告媒体を一元管理し、HubSpot・Salesforce・CSV取込による受注・商談データを広告成果と突き合わせて分析できる広告運用プラットフォームです。フォーム送信数ではなく受注までを見て広告を評価したい場合は、こうしたツールの活用も選択肢になります。

予算とCPAの考え方|LTV・商談化率・受注率から逆算する

BtoB広告の予算やCPA(コンバージョン単価)の目安を、他社事例や業界平均から借りてくるのはおすすめできません。商材の単価も粗利率も商談化率も企業ごとに異なり、他社の数値をそのまま当てはめても実態に合わないからです。ここでは、自社の受注単価・粗利率・目標受注件数から、広告で許容できるCPA(リード1件あたりの獲得単価の上限)を逆算する考え方を、仮の数値を使った例で説明します。LTVとCACの関係についてはLTVとCACの解説記事でも詳しく解説しています。

逆算は次の4ステップで行います。

  1. 受注単価・粗利率・目標受注件数から、期待する粗利総額を計算する

  2. 期待粗利総額のうち、獲得コスト(広告費など)にどこまで再投資できるかを決める

  3. 商談化率・受注率から、リード1件あたりの受注確率を求める

  4. 目標受注件数に必要なリード数を割り出し、獲得コスト予算をリード数で割って許容CPAを求める

項目

計算式・内訳

仮の数値

受注単価

-

100万円

粗利率

(売上-原価)÷売上

60%

目標受注件数(四半期)

-

5件

期待粗利総額

受注単価×粗利率×目標受注件数

300万円

獲得コストへの配分比率

粗利のうち広告等の獲得コストに再投資する方針(自社で設定する例)

40%

獲得コスト予算

期待粗利総額×配分比率

120万円

商談化率

リードのうち商談に進む割合(仮の設定)

20%

受注率

商談のうち受注する割合(仮の設定)

25%

リード1件あたりの受注確率

商談化率×受注率

5%

必要リード数

目標受注件数÷リード1件あたりの受注確率

100件

許容CPA(リード単価の上限)

獲得コスト予算÷必要リード数

12,000円

この例では、四半期で5件受注するために必要なリード数は100件、使える広告費の上限(許容CPA)は1件あたり12,000円という計算になります。実際の運用でCPAがこれを上回る場合は、配信内容やターゲティングの見直しに加え、商談化率・受注率を高める施策(営業側のフォロー体制やリード選別基準の見直しなど)を検討する必要があります。逆にCPAが許容ラインを大きく下回るなら、予算を増やす余地があるとも判断できます。この数値はあくまで計算の流れを示す仮の設定であり、受注単価・粗利率・商談化率・受注率は業種や商材で大きく異なるため、必ず自社の受注データから算出してください。CPAの計算方法や改善の考え方はCPAの解説記事でも解説しています。

BtoB広告でよくある失敗

BtoB広告の運用では、共通したパターンの失敗がよく見られます。

  • BtoC向けの訴求やクリエイティブをそのまま流用する。「今だけ」「限定」といった即断を促す訴求は、複数人の意思決定を経るBtoBの検討プロセスにはなじみにくく、かえって製品への信頼を損ねることがあります。課題解決の切り口や導入後の変化を具体的に伝える訴求のほうが、検討段階のユーザーには響きやすい傾向があります。

  • リードの質を見ずに、フォーム送信数だけで自動入札を最適化する。自動入札は設定したコンバージョン(多くはフォーム送信)を増やす方向に最適化されるため、商談・受注につながりにくい層からの送信が増えても、入札システムはそれを成果と判断してしまいます。前述のオフラインコンバージョンや拡張コンバージョンで、商談化・受注の情報を入札の学習材料に含めることが対策になります。

  • 営業との連携が不足している。広告経由のリード情報が営業側にタイムリーに共有されず、フォローが遅れると、せっかく獲得したリードの温度が下がってしまいます。リードの引き渡しルール(誰が・いつまでに・どの情報を添えて連絡するか)を事前に決めておくことが前提になります。

  • 短期間の数値だけでキャンペーンの良し悪しを判断する。検討期間が長い商材ほど、広告経由のリードが受注に至るまでに時間がかかります。直近のCPAやフォーム送信数だけで良し悪しを判断すると、実際には成果に貢献しているキャンペーンを早期に止めてしまうことがあります。

こうした運用体制を自社だけで整えるのが難しい場合は、広告代理店への運用委託も選択肢のひとつです。代理店の選び方や費用相場は代理店選定の解説記事でまとめています。

BtoBでも活用が広がるSNS広告としてX広告(旧Twitter広告)の種類・費用・出し方もあわせて検討してください。

職種や企業でターゲティングできる媒体としてLinkedIn広告の種類・費用・出し方(BtoBでの使い方)を個別に解説しています。

よくある質問

BtoB広告とBtoC広告は、具体的に何が違いますか?

最大の違いは、意思決定に関わる人数と、広告の直接のコンバージョンが「購入」ではなく「リード」である点です。BtoBでは資料請求や問い合わせの先にある商談化・受注まで見て初めて、広告の成果を正しく評価できます。

BtoB広告はどの媒体から始めればよいですか?

一つの媒体に絞る前に、自社の検討フェーズ(認知拡大か、検討中ユーザーの刈り取りか)を整理することが先です。顕在層の獲得を急ぐならGoogle検索広告、特定の役職・業界にピンポイントでアプローチしたいならLinkedIn広告というように、目的に応じて組み合わせを検討してください。「BtoBならこれ一択」という決まった答えはありません。

リードは増えているのに受注が増えません。何を見直せばよいですか?

まずCRMと広告データを突き合わせ、どの媒体・キャンペーン経由のリードが商談化・受注しているかを確認してください。特定の媒体や広告文からのリードだけ商談化率が低い場合は、その配信内容が実際の検討層とずれている可能性があります。

BtoB広告のCPAの目安はどれくらいですか?

業種を問わず当てはまる一律の目安はありません。自社の受注単価・粗利率・目標受注件数・商談化率・受注率から許容CPAを逆算する方法をこの記事で紹介しているので、参考にしてください。

広告データとCRMのデータをまとめて見る方法はありますか?

自前でAPI連携を構築する方法のほか、両者をまとめて扱えるツールを使う方法もあります。たとえばCascadeは、Google・Meta・LINEヤフーなど主要広告媒体を一元管理し、HubSpot・Salesforce・CSV取込による受注・商談データを広告成果と突き合わせて分析できる広告運用プラットフォームです。CRMと広告のデータが別々のツールに分かれている場合は、選択肢のひとつとして検討してみてください。

まとめ

BtoB広告は、意思決定に関わる人数が多く検討プロセスも複数段階にわたるため、BtoC広告と同じ発想では成果を読み違えやすい領域です。Google・Microsoft・Meta・LinkedIn・Xという主要媒体にはそれぞれ異なる強みがあり、検討フェーズや商材に応じた使い分けが基本になります。

そして何より重要なのは、フォーム送信数だけでBtoB広告の成果を判断しないことです。CRMと広告データを突き合わせ、商談化・受注までを見て初めて、広告投資が本当に成果を生んでいるかが分かります。予算やCPAの目安も、他社の事例や業界平均に頼るのではなく、自社の受注単価・粗利率・商談化率・受注率から逆算して設定することをおすすめします。

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ブログ記事

BtoB広告とは?主要媒体の使い分け・受注までの効果測定を解説【2026年版】

目次

BtoB広告とは?主要媒体の使い分け・受注までの効果測定を解説【2026年版】
BtoB広告とは?主要媒体の使い分け・受注までの効果測定を解説【2026年版】

BtoB向けの商材で広告を始めたものの、Google・Meta・LinkedInなどどの媒体に予算を配分すればよいのか判断がつかない、資料請求や問い合わせは増えているのに商談や受注につながっている実感が持てない、といった悩みを抱える広告運用担当者は少なくありません。BtoB広告は意思決定に関わる人数や検討プロセス、成果の測り方がBtoC広告と大きく異なるため、同じ発想をそのまま持ち込むと成果を読み違えやすくなります。

本記事では、BtoB広告とは何かをBtoC広告との違いから整理したうえで、Google・Microsoft・Meta・LinkedIn・Xという主要媒体の特性と使い分け、リード獲得のオファー設計、そしてBtoB広告で最も見落とされやすい「受注までの効果測定」の考え方、予算とCPAの逆算方法までを順番に解説します。

BtoB広告とは|BtoC広告との違い

BtoB広告とは、企業の担当者や意思決定者に向けて配信する広告全般を指します。個人の消費者に向けたBtoC広告と比べると、次のような違いがあります。

観点

BtoB広告

BtoC広告

意思決定に関わる人数

現場の担当者に加え、上長や決裁者など複数人が関わることが多い

本人のみで完結することが多い

検討プロセス

情報収集・比較検討・社内稟議など複数の段階を経ることが多い

その場での購入や申込に至ることが多い

広告の直接のコンバージョン

資料請求・問い合わせ・ウェビナー申込などの「リード」が中心

購入・申込そのものがコンバージョンになりやすい

広告費・契約単価

1件あたりの契約金額が大きくなりやすい

1回あたりの購入金額は比較的小さいことが多い

この違いのなかでも運用上もっとも重要なのが「広告の直接のコンバージョン」の位置づけです。資料請求や問い合わせといったフォーム送信の多くは、それ自体で完結する成果ではなく、あくまで商談の入り口にすぎません。獲得したリードが実際に商談化し、受注に至って初めて、広告投資は成果を生んだと言えます。この「リードの先」まで見る視点が、BtoB広告の効果測定を難しくする一方、他社と差がつくポイントでもあります。詳しくは後述の「効果測定が本丸」の章で取り上げます。

BtoB広告の主要媒体と使い分け

BtoB広告で使われる主要な媒体には、それぞれ異なる強みがあります。以下は、各媒体の公式情報で確認できる特性を整理したものです。商材や検討フェーズによって適した媒体は変わるため、「BtoBならこの媒体一択」と決め打ちせず、目的に応じて組み合わせを検討することが基本になります。

媒体

公式情報で確認できる特性

適した用途の例

Google検索広告

ユーザーが検索した語句と設定したキーワードの一致によって表示が決まる仕組み

課題や製品名を具体的に検索している顕在層への接触

Microsoft広告

Bing・MSN・Outlook.com等に配信されるほか、他社にはない「LinkedInプロフィールターゲティング」で会社・業種・職務を指定可能

LinkedInのプロフィール情報を使ったビジネス層への配信

Meta広告

「インスタントフォーム」により、Facebook・Instagram上でモバイル完結型のリード獲得が可能

フォーム完了率を高めたいリード獲得・認知拡大

LinkedIn広告

職種・職務内容・役職レベル・会社名・業界・企業規模など20以上の属性でターゲティング可能

特定の役職・業界にいる意思決定者への直接アプローチ

X広告

検索語句や投稿内容にもとづくキーワードターゲティング、会話・イベントターゲティングを提供

業界イベントや話題性のあるトピックに絡めた認知獲得

Google検索広告は、ユーザーが入力した検索語句と広告主が設定したキーワードのマッチングによって表示が決まります。Google広告ヘルプでは「キーワードとは、ユーザーが検索している語句と広告を一致させるために使用される単語やフレーズです」と説明されており、Google自身も検索広告について、ユーザーが何かを探している瞬間に接点を持てる媒体であると位置づけています。課題や製品名をすでに具体的に検索している「顕在層」に接触しやすい点が特徴です。

Microsoft広告は、Bing・MSN・Outlook.comなど、Microsoftが運営・提携する面に配信されます。配信面や始め方はMicrosoft広告の解説記事で紹介していますが、BtoBの文脈で特徴的なのは「LinkedInプロフィールターゲティング」です。Microsoft Advertising公式ヘルプは、LinkedIn以外でLinkedInのプロフィール情報をもとにしたターゲティングができる唯一の広告プラットフォームだとし、会社・業種・職務でターゲティングできるとしています。ただし同ヘルプは、この機能があくまで入札調整(bid only)であり、対象外のユーザーへの配信を除外するものではないとも注記しています。

Meta広告には、Facebook・Instagramでの「リード獲得」向けに「インスタントフォーム」という仕組みがあります。Meta開発者向けドキュメントによれば、ユーザーがすでにMetaのサービスに登録している情報を使って手早く申し込める点が特徴で、広告主は問い合わせや資料請求につながる情報を得られるとされています。フォーム離脱を減らしたいリード獲得キャンペーンに向く機能です。

LinkedIn広告は、LinkedIn Marketing Solutions公式ヘルプによれば、職種(Job Title)、職務内容(Job Function)、役職レベル(Seniority)に加え、会社名・業界・企業規模といった属性でターゲティングを設定できます。LinkedIn公式サイトでも「20以上のオーディエンス属性カテゴリから選べる」としており、属性を組み合わせて特定の業界・役職層に絞った配信ができる点が強みです。

X広告は、キーワードターゲティングと会話・イベントターゲティングを備えています。X公式ヘルプによれば、キーワードターゲティングはユーザーの検索語句や投稿、エンゲージメントした投稿の内容にもとづいて配信対象を決める仕組みです。またX公式の広告紹介ページでは、特定の機会・話題・イベントに関連づけて認知を広げる用途を挙げており、業界イベントやトレンドに合わせた「話題化」を狙う配信に向くと位置づけられています。

リード獲得の設計|オファーとLP・フォームの考え方

BtoB広告の多くは、その場での購入ではなく「リード」の獲得を直接のゴールにします。どのようなオファー(提供物)でリードを集めるかによって、その後の商談化のしやすさが変わってきます。

オファー設計の考え方

代表的なオファーには、ホワイトペーパー・導入事例集・ウェビナー・個別相談・見積もり依頼などがあります。ホワイトペーパーや事例集のようなダウンロード型は、情報収集段階のユーザーでも申し込みやすい一方、検討がまだ進んでいないユーザーも多く含まれます。個別相談や見積もり依頼のような具体的なオファーは申込数こそ少なくなりやすいものの、検討が進んだユーザーが多い傾向があります。広告の目的(認知拡大か、今すぐ客の刈り取りか)に応じて使い分け、検討フェーズ別に複数のオファーを用意しておくと、さまざまな段階のユーザーを取りこぼしにくくなります。

LPとフォームの考え方

BtoB向けのランディングページでは、単一商品の購入を促すBtoC向けLPと異なり、「誰の・どんな課題を解決する製品なのか」を短時間で伝え、資料請求や問い合わせにつなげる設計が基本になります。フォームの入力項目を増やすほど営業側が受け取れる情報(役職・部署・予算感など)は増える一方、入力の手間で送信自体を諦めるユーザーも出てきます。このバランスは集めたいリードの「量」と「質」のどちらを優先するかで変わるため、営業チームが商談化の判断に最低限必要とする項目を洗い出し、そのうえでフォームの長さを決める順序がすすめられます。

効果測定が本丸|リード数ではなく商談・受注で評価する

BtoB広告における最大の落とし穴は、資料請求や問い合わせといったフォームのコンバージョン数だけを見て、広告の良し悪しを判断してしまうことです。フォーム送信数が多いキャンペーンが、実は質の低いリードばかりを集めていて商談にすら進まない、という状態は珍しくありません。逆に、フォーム送信数は少なくても商談化率・受注率が高く、結果的に売上へ貢献しているキャンペーンもあります。

CRMと広告データを突き合わせる

この差を把握するには、広告のクリック・コンバージョンのデータと、CRM・SFAに記録された商談・受注のデータを突き合わせる必要があります。広告のクリックに付与されるUTMパラメータやクリックIDをCRM側に保存し、商談・受注の記録と紐づけることで、どの媒体・キャンペーン経由のリードが実際に受注につながったかを追跡できます。突き合わせの具体的な方法や実装ステップはCRMマーケティングの解説記事で詳しく解説しています。

オフラインの成果を広告プラットフォームに返す

広告のフォーム送信はコンバージョンとして計測できても、その後の商談化・受注は通常CRM側にしか記録されません。Google広告には、クリックに割り当てられるGCLIDを軸にオフラインの成果を広告アカウントに送り返す仕組みがあり、Google広告ヘルプは「広告のクリックまたは広告からの電話問い合わせが行われた後のオフライン環境でのユーザー行動を測定できる」機能として説明しています。近年はファーストパーティデータを組み合わせて精度を高める「リードの拡張コンバージョン」への移行が案内されており、詳しくは拡張コンバージョンの解説記事で解説しています。Metaにも、広告主のサーバーやCRMが保有するデータをMeta側に送信する「コンバージョンAPI」があり、詳細はコンバージョンAPIの解説記事でまとめています。これらを使えば、商談化・受注の情報を自動入札の学習材料にも活用できます。媒体ごとの対応機能の全体像はオフラインコンバージョンの解説記事で整理しています。

受注ベースのROASで評価する

CRMと広告データを突き合わせられるようになったら、評価の軸をフォームのコンバージョン数から、受注ベースのROAS(広告経由の受注金額÷広告費)に切り替えます。媒体別・キャンペーン別に比較すると、フォーム送信数だけでは分からなかった「リードの質」の違いが見えてきます。フォーム単価が高くても受注ベースROASが高い媒体には予算を厚くし、フォーム単価が安くても受注に至らない媒体は配信内容やターゲティングを見直す、といった判断ができるようになります。

CRMと広告データを別々のツールで管理していると、この突き合わせ自体に手間がかかります。たとえばCascadeは、Google・Meta・LINEヤフーなど主要広告媒体を一元管理し、HubSpot・Salesforce・CSV取込による受注・商談データを広告成果と突き合わせて分析できる広告運用プラットフォームです。フォーム送信数ではなく受注までを見て広告を評価したい場合は、こうしたツールの活用も選択肢になります。

予算とCPAの考え方|LTV・商談化率・受注率から逆算する

BtoB広告の予算やCPA(コンバージョン単価)の目安を、他社事例や業界平均から借りてくるのはおすすめできません。商材の単価も粗利率も商談化率も企業ごとに異なり、他社の数値をそのまま当てはめても実態に合わないからです。ここでは、自社の受注単価・粗利率・目標受注件数から、広告で許容できるCPA(リード1件あたりの獲得単価の上限)を逆算する考え方を、仮の数値を使った例で説明します。LTVとCACの関係についてはLTVとCACの解説記事でも詳しく解説しています。

逆算は次の4ステップで行います。

  1. 受注単価・粗利率・目標受注件数から、期待する粗利総額を計算する

  2. 期待粗利総額のうち、獲得コスト(広告費など)にどこまで再投資できるかを決める

  3. 商談化率・受注率から、リード1件あたりの受注確率を求める

  4. 目標受注件数に必要なリード数を割り出し、獲得コスト予算をリード数で割って許容CPAを求める

項目

計算式・内訳

仮の数値

受注単価

-

100万円

粗利率

(売上-原価)÷売上

60%

目標受注件数(四半期)

-

5件

期待粗利総額

受注単価×粗利率×目標受注件数

300万円

獲得コストへの配分比率

粗利のうち広告等の獲得コストに再投資する方針(自社で設定する例)

40%

獲得コスト予算

期待粗利総額×配分比率

120万円

商談化率

リードのうち商談に進む割合(仮の設定)

20%

受注率

商談のうち受注する割合(仮の設定)

25%

リード1件あたりの受注確率

商談化率×受注率

5%

必要リード数

目標受注件数÷リード1件あたりの受注確率

100件

許容CPA(リード単価の上限)

獲得コスト予算÷必要リード数

12,000円

この例では、四半期で5件受注するために必要なリード数は100件、使える広告費の上限(許容CPA)は1件あたり12,000円という計算になります。実際の運用でCPAがこれを上回る場合は、配信内容やターゲティングの見直しに加え、商談化率・受注率を高める施策(営業側のフォロー体制やリード選別基準の見直しなど)を検討する必要があります。逆にCPAが許容ラインを大きく下回るなら、予算を増やす余地があるとも判断できます。この数値はあくまで計算の流れを示す仮の設定であり、受注単価・粗利率・商談化率・受注率は業種や商材で大きく異なるため、必ず自社の受注データから算出してください。CPAの計算方法や改善の考え方はCPAの解説記事でも解説しています。

BtoB広告でよくある失敗

BtoB広告の運用では、共通したパターンの失敗がよく見られます。

  • BtoC向けの訴求やクリエイティブをそのまま流用する。「今だけ」「限定」といった即断を促す訴求は、複数人の意思決定を経るBtoBの検討プロセスにはなじみにくく、かえって製品への信頼を損ねることがあります。課題解決の切り口や導入後の変化を具体的に伝える訴求のほうが、検討段階のユーザーには響きやすい傾向があります。

  • リードの質を見ずに、フォーム送信数だけで自動入札を最適化する。自動入札は設定したコンバージョン(多くはフォーム送信)を増やす方向に最適化されるため、商談・受注につながりにくい層からの送信が増えても、入札システムはそれを成果と判断してしまいます。前述のオフラインコンバージョンや拡張コンバージョンで、商談化・受注の情報を入札の学習材料に含めることが対策になります。

  • 営業との連携が不足している。広告経由のリード情報が営業側にタイムリーに共有されず、フォローが遅れると、せっかく獲得したリードの温度が下がってしまいます。リードの引き渡しルール(誰が・いつまでに・どの情報を添えて連絡するか)を事前に決めておくことが前提になります。

  • 短期間の数値だけでキャンペーンの良し悪しを判断する。検討期間が長い商材ほど、広告経由のリードが受注に至るまでに時間がかかります。直近のCPAやフォーム送信数だけで良し悪しを判断すると、実際には成果に貢献しているキャンペーンを早期に止めてしまうことがあります。

こうした運用体制を自社だけで整えるのが難しい場合は、広告代理店への運用委託も選択肢のひとつです。代理店の選び方や費用相場は代理店選定の解説記事でまとめています。

BtoBでも活用が広がるSNS広告としてX広告(旧Twitter広告)の種類・費用・出し方もあわせて検討してください。

職種や企業でターゲティングできる媒体としてLinkedIn広告の種類・費用・出し方(BtoBでの使い方)を個別に解説しています。

よくある質問

BtoB広告とBtoC広告は、具体的に何が違いますか?

最大の違いは、意思決定に関わる人数と、広告の直接のコンバージョンが「購入」ではなく「リード」である点です。BtoBでは資料請求や問い合わせの先にある商談化・受注まで見て初めて、広告の成果を正しく評価できます。

BtoB広告はどの媒体から始めればよいですか?

一つの媒体に絞る前に、自社の検討フェーズ(認知拡大か、検討中ユーザーの刈り取りか)を整理することが先です。顕在層の獲得を急ぐならGoogle検索広告、特定の役職・業界にピンポイントでアプローチしたいならLinkedIn広告というように、目的に応じて組み合わせを検討してください。「BtoBならこれ一択」という決まった答えはありません。

リードは増えているのに受注が増えません。何を見直せばよいですか?

まずCRMと広告データを突き合わせ、どの媒体・キャンペーン経由のリードが商談化・受注しているかを確認してください。特定の媒体や広告文からのリードだけ商談化率が低い場合は、その配信内容が実際の検討層とずれている可能性があります。

BtoB広告のCPAの目安はどれくらいですか?

業種を問わず当てはまる一律の目安はありません。自社の受注単価・粗利率・目標受注件数・商談化率・受注率から許容CPAを逆算する方法をこの記事で紹介しているので、参考にしてください。

広告データとCRMのデータをまとめて見る方法はありますか?

自前でAPI連携を構築する方法のほか、両者をまとめて扱えるツールを使う方法もあります。たとえばCascadeは、Google・Meta・LINEヤフーなど主要広告媒体を一元管理し、HubSpot・Salesforce・CSV取込による受注・商談データを広告成果と突き合わせて分析できる広告運用プラットフォームです。CRMと広告のデータが別々のツールに分かれている場合は、選択肢のひとつとして検討してみてください。

まとめ

BtoB広告は、意思決定に関わる人数が多く検討プロセスも複数段階にわたるため、BtoC広告と同じ発想では成果を読み違えやすい領域です。Google・Microsoft・Meta・LinkedIn・Xという主要媒体にはそれぞれ異なる強みがあり、検討フェーズや商材に応じた使い分けが基本になります。

そして何より重要なのは、フォーム送信数だけでBtoB広告の成果を判断しないことです。CRMと広告データを突き合わせ、商談化・受注までを見て初めて、広告投資が本当に成果を生んでいるかが分かります。予算やCPAの目安も、他社の事例や業界平均に頼るのではなく、自社の受注単価・粗利率・商談化率・受注率から逆算して設定することをおすすめします。

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媒体を横断した効果測定も、日々の改善も、レポート作成も。これまでバラバラだった広告運用を、Cascadeがひとつに繋げます。

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