Microsoft広告とは?配信面・特徴・始め方とGoogle広告との違い【2026年版】
Microsoft広告とは?配信面・特徴・始め方とGoogle広告との違い【2026年版】

Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは、Bing検索結果やMicrosoft Edge、MSNなど、Microsoftが運営・提携する配信面に広告を出稿できる運用型広告プラットフォームです。検索連動型の「検索」キャンペーンに加え、ディスプレイ・ネイティブ・動画で配信する「オーディエンス」キャンペーン、複数配信面を横断するPerformance Maxなどが用意されています。Google広告と共通するオークション型の仕組みを採りつつ、LinkedInのプロフィールデータを使ったターゲティングなど独自機能を備える点が特徴です。
本記事では、Microsoft広告とは何か・日本での提供状況、配信面、LinkedInターゲティングをはじめとする特徴、Google広告からのインポート機能、キャンペーンタイプと課金、始め方、注意点を、公式サイト・公式ヘルプの記載にもとづいて解説します。
Microsoft広告とは|日本での提供状況
Microsoft広告は、Microsoftが提供する広告プラットフォームです。公式サイト日本語版では「Microsoft 広告は、あらゆる人々の成長を推し進めるような、広告の可能性に満ちた新しい世界を切り拓いています」とされ、広告主・パブリッシャー向けの包括的なデジタルマーケティングソリューションと位置づけられています(Microsoft 広告 公式サイト(日本語版))。かつて「Bing Ads」という名称で提供されていたサービスが名称変更を経て現在の名称になっており、Bing単体でなくMicrosoft製品群と連携した複数配信面を横断するプラットフォームという位置づけが名称に反映されています。
日本での提供状況については、Microsoft社の日本語ニュースリリースで、2022年5月31日に日本国内のすべての広告代理店とブランドが検索広告とネイティブ広告を利用できるようになったと発表されています。Microsoft Search Network、Microsoft Audience Network、PromoteIQを通じたフルファネル型の広告オプションへのアクセスが可能になったとされており(Microsoft News Center Japan「Microsoft Advertising、日本での展開について」)、以降このプラットフォームの提供が続いています。
Microsoft広告の配信面|Bing検索・Edge・MSN・その他ネットワーク
Microsoft広告の配信面は、大きく「検索広告」と「オーディエンス広告(ディスプレイ・ネイティブ・動画)」に分かれます。公式ヘルプ「What is the Microsoft Advertising Network?」では、この2つを合わせて「Microsoft Advertising Network」と呼び、キャンペーンの目的や広告タイプ、ターゲティング条件によって実際の配信先が変わるとされています(Microsoft Advertising公式ヘルプ「What is the Microsoft Advertising Network?」)。
検索広告とオーディエンス広告の配信面
検索広告は、Microsoft Bing、AOL、Yahoo、DuckDuckGo、Ecosiaといった検索エンジンやパートナーサイトの検索結果と合わせて表示されます。オーディエンス広告は、MSN、Microsoft Start、Microsoft Edge、Outlook.com、パートナーサイトにディスプレイ・ネイティブ・動画形式で配信されます(同ヘルプより)。日本語版公式サイトも同様に「MSN、Microsoft Edge、Outlook、Microsoft カジュアルゲーム」を紹介しており(Microsoft 広告 公式サイト(日本語版))、動画配信面としてMax、Hulu、Roku、discovery+も案内されています。
広告タイプ | 主な配信面 |
|---|---|
検索広告 | Bing、Yahoo、DuckDuckGo、AOL、Ecosiaなどの検索エンジン・パートナーサイト |
オーディエンス広告 | MSN、Microsoft Start、Microsoft Edge、Outlook、Microsoft 365、Microsoft カジュアルゲーム、提携パートナーサイト |
動画・CTV | Max、Hulu、Roku、discovery+ などのストリーミングサービス |
なお、Copilotなど生成AIの回答面への広告配信については、本記事執筆時点で確認した配信面一覧に記載を確認できなかったため、本記事では言及していません。
Microsoft広告の特徴
LinkedInプロフィールターゲティング|他媒体にはない独自機能
Microsoft広告の特徴としてまず挙げられるのが、LinkedInのプロフィール情報を活用したターゲティング機能です。公式ヘルプは「Microsoft Advertising is the only advertising platform (other than LinkedIn) that allows you to target potential customers based on their LinkedIn profile information.」と明記しており、LinkedIn以外で唯一の機能とされています(Microsoft Advertising公式ヘルプ「LinkedIn profile targeting」)。対象は「会社名」「業種」「職種」の3種類で、検索・動的検索広告・Shopping・オーディエンス・Performance Maxの各キャンペーンで利用できます。
注意したいのは、これが「絞り込み」ではなく「入札調整」として働く点です。同ヘルプはこれを「bid only」(絞り込みでなく入札のみ)と表現しており、特定の会社・業種を設定してもそれ以外への配信が除外されるわけではなく、該当ユーザーへの入札を強める仕組みとされています。指定できる企業数は1広告グループ・キャンペーンあたり最大1,000社までです。
オーディエンス層と競合環境
オーディエンス広告はMSN・Edge・Outlook・Microsoft 365などMicrosoft製品と結びついた配信面を含み、公式ドキュメントでもオーディエンス理解の基盤として「search and web activity, LinkedIn profile data, demographic and customer data」を組み合わせるとされています。OutlookやEdgeを日常的に使うビジネスユーザーへリーチしやすい点は、この配信面構成から導かれる特徴です。競合環境の面でも、LinkedInターゲティングがLinkedIn以外では使えない独自機能である点がBtoB領域での差別化ポイントになり得ます。なお、市場シェアや広告主数、CPC水準を媒体間で比較した公式データは確認できなかったため、数値による比較は行っていません。
Google広告からのインポート機能|移行のしやすさ
Microsoft広告には、Google広告で運用中のキャンペーンを取り込める「インポート」機能があります。公式サイトでは「Import your campaigns directly from Google Ads, Meta Ads, and Pinterest Ads in a few clicks」と紹介され、Google広告に加えメタ広告・Pinterest広告にも対応します(Microsoft Advertising公式サイト「Import tools」)。対応キャンペーンタイプにはPerformance Max、オーディエンス広告、Merchant Center商品データ、ショッピングが挙げられています。
公式ドキュメント「Google Ads Import」によると、インポートは認証情報(インポート認証情報ID)を取得し、対象アカウント・キャンペーンとオプションを選んでスケジュールを設定する流れで進みます(Microsoft Advertising公式ドキュメント「Google Ads Import」)。公式ブログでは「Quick Import」「Smart Import」「Advanced Import」という3種類の方法が用意されていることも紹介されています(Microsoft Advertising公式ブログ「Unlocking the Power of Google Import Tools」)。新規アカウント開設時にも同様の選択肢があります。Google広告の仕組み自体はGoogle広告とはの解説記事で解説しています。
キャンペーンタイプと課金の概観
公式ドキュメントの「CampaignType」定義では、キャンペーンタイプとしてSearch、Shopping、Audience、PerformanceMax、App、Hotel(宿泊施設向け)が挙げられています。かつて独立タイプだった「Dynamic Search Ads」は、現在は検索キャンペーン内の「SearchDynamic」広告グループとして作成する仕様に変わっています(Microsoft Advertising公式ドキュメント「CampaignType Value Set」)。
キャンペーンタイプ | 概要 |
|---|---|
検索(Search) | キーワードにもとづき検索結果に表示するテキスト広告 |
ショッピング(Shopping) | Merchant Centerの商品フィードで商品を表示 |
オーディエンス(Audience) | MSN・Outlook・Edge等にディスプレイ・ネイティブ・動画で配信 |
Performance Max | 検索・ディスプレイ・オーディエンス・ショッピング等を1キャンペーンでAIが最適化 |
アプリ(App) | アプリのインストール促進が目的 |
宿泊施設(Hotel) | 宿泊施設向けの料金広告 |
Performance Maxは公式サイトで「AI-powered campaign type」と説明される、複数配信面をAIが最適化する仕組みです(Microsoft Advertising公式サイト「Performance Max」)。課金面では、公式サインアップページに「No minimum fee」「Only pay for clicks」「Budget by the day」とあり、最低利用額なし・クリック課金が基本・日単位予算が可能です(Microsoft Advertising公式サインアップページ)。CPM・CPA課金も選べ、入札上限や予算ペーシングと組み合わせられます(Microsoft Advertising公式サイト「Advertising Cost Control」)。クリック単価の仕組みはCPCとはの解説記事で解説しています。
Microsoft広告の始め方
公式ヘルプ「Create a Microsoft Advertising account and campaign」によると、アカウント開設はおおむね次の流れで進みます(Microsoft Advertising公式ヘルプ「Create a Microsoft Advertising account and campaign」)。
サインインする:既存・新規のMicrosoftアカウントのほか、Google・Facebookアカウントにも対応。
ビジネス情報を入力する:サイトURL、事業所在国、広告言語、法人名、連絡先など。
開始方法を選ぶ:新規開始か、Google広告・Meta広告からのインポートかを選択。
広告内容を確認する:サイトURLから自動生成された広告文・画像を確認・編集。
配信対象・予算・入札戦略を設定する:配信地域、1日の予算、入札戦略を設定。
請求情報を入力し送信する:法人名・住所・通貨・支払い方法を入力し送信。
送信後は広告文・キーワード・アセットが審査(エディトリアルレビュー)にかけられ、公式ヘルプによると多くの審査は48時間以内に完了します(Microsoft Advertising公式ヘルプ「The editorial review」)。通過後に配信可能になります。なおコンバージョン計測(UET: Universal Event Tracking)を設定していないと、選んだ入札戦略にかかわらずクリック数最大化の配信に自動的に切り替わるため、本格運用前の設定が推奨されています。
Microsoft広告を始める前の注意点
アカウントごとに通貨が固定される:複数通貨で支払う場合は、通貨ごとに別アカウントを作成する必要があるとされています。
LinkedInの企業リストは手動追加のみ:外部ファイルや他媒体からのインポートには対応していないとされています。
コンバージョン計測が入札戦略の前提になる:未設定だと自動入札がクリック数最大化の挙動に切り替わります。
インポートは全設定を引き継ぐとは限らない:公式ドキュメントでも、インポート後にキャンペーン内容を確認し、不足設定を補うことが推奨されています。
Microsoft広告を含む複数の広告媒体を並行運用すると、媒体ごとに管理画面や指標が異なり、レポートを揃えて比較する工数がかかりやすくなります。入れるべき指標や自動化の考え方は広告レポートの作り方の解説記事にまとめています。広告運用AIエージェントのCascadeのように複数媒体のデータを横断管理しレポートを自動化するツールを組み合わせれば、運用負荷を軽減できる場合があります(対応媒体・機能は変更され得るため公式サイトでご確認ください)。運用体制がない場合は、リスティング広告の代理店・運用代行の選び方を参考に代理店への依頼を検討するのも一つの方法です。
よくある質問
Q1. Microsoft広告とBing Adsは同じサービスですか?
はい、同じサービスです。かつて「Bing Ads」という名称だったサービスが名称変更を経て、現在の「Microsoft広告(Microsoft Advertising)」になっています。
Q2. Microsoft広告は日本で使えますか?
使えます。Microsoft社の日本語ニュースリリースによると、2022年5月31日に日本国内のすべての広告代理店・ブランドが検索広告・ネイティブ広告を利用できるようになったと発表されています(Microsoft News Center Japan)。
Q3. Microsoft広告とGoogle広告は何が違いますか?
配信面が異なり、Microsoft広告はBing・Yahoo等の検索エンジンとMSN・Edge・Outlookなどのオーディエンス広告面が中心です。LinkedInのプロフィール情報(会社・業種・職種)でのターゲティングができる点も大きな違いで、公式ヘルプでも「LinkedIn以外で唯一の機能」と説明されています。
Q4. Google広告のキャンペーンをそのままMicrosoft広告に移行できますか?
「そのまま」ではありませんが、インポート機能で多くの設定を引き継いだ状態で始められます。ただし全設定が引き継がれるとは限らないため、インポート後は配信内容の確認が必要です。
Q5. Microsoft広告はいくらから始められますか?
公式サインアップページによると、最低利用額はなく、クリック課金が基本で予算は日単位で設定できます。無理のない予算からテスト配信を始め、様子を見ながら調整するのが現実的です。
Q6. Microsoft広告を含む複数媒体の運用を効率化する方法はありますか?
広告運用AIエージェントのCascadeのように、複数媒体のデータを横断管理しレポート作成や予算配分を支援するツールを使う方法があります。対応媒体や機能はサービスごとに異なるため、事前にご確認ください。
まとめ
Microsoft広告は、Bing検索やMSN・Edge・Outlook等に広告を出稿できるプラットフォームで、日本では2022年5月31日から全代理店・ブランドが利用可能に
配信面は「検索広告」(Bing・Yahoo・DuckDuckGo等)と「オーディエンス広告」(MSN・Edge・Outlook等)に大別され、動画・CTV配信にも対応
LinkedInのプロフィール情報(会社・業種・職種)でのターゲティングは他媒体にない独自機能(絞り込みでなく入札調整として働く点に注意)
Google広告のキャンペーンはインポート機能で取り込めるが、全設定が引き継がれるとは限らないため確認が必要
課金はクリック課金が基本で最低利用額はなく、日単位の予算設定や入札上限で費用をコントロールできる
Microsoft広告は、Google広告と共通するオークション型の仕組みを持ちながら、LinkedInのプロフィールデータを使ったターゲティングやMicrosoft製品群と連携した配信面など、独自の特徴を備えたプラットフォームです。すでにGoogle広告を運用している場合は、インポート機能を使って少ない工数で配信面を広げられるかを検討してみてください。
Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは、Bing検索結果やMicrosoft Edge、MSNなど、Microsoftが運営・提携する配信面に広告を出稿できる運用型広告プラットフォームです。検索連動型の「検索」キャンペーンに加え、ディスプレイ・ネイティブ・動画で配信する「オーディエンス」キャンペーン、複数配信面を横断するPerformance Maxなどが用意されています。Google広告と共通するオークション型の仕組みを採りつつ、LinkedInのプロフィールデータを使ったターゲティングなど独自機能を備える点が特徴です。
本記事では、Microsoft広告とは何か・日本での提供状況、配信面、LinkedInターゲティングをはじめとする特徴、Google広告からのインポート機能、キャンペーンタイプと課金、始め方、注意点を、公式サイト・公式ヘルプの記載にもとづいて解説します。
Microsoft広告とは|日本での提供状況
Microsoft広告は、Microsoftが提供する広告プラットフォームです。公式サイト日本語版では「Microsoft 広告は、あらゆる人々の成長を推し進めるような、広告の可能性に満ちた新しい世界を切り拓いています」とされ、広告主・パブリッシャー向けの包括的なデジタルマーケティングソリューションと位置づけられています(Microsoft 広告 公式サイト(日本語版))。かつて「Bing Ads」という名称で提供されていたサービスが名称変更を経て現在の名称になっており、Bing単体でなくMicrosoft製品群と連携した複数配信面を横断するプラットフォームという位置づけが名称に反映されています。
日本での提供状況については、Microsoft社の日本語ニュースリリースで、2022年5月31日に日本国内のすべての広告代理店とブランドが検索広告とネイティブ広告を利用できるようになったと発表されています。Microsoft Search Network、Microsoft Audience Network、PromoteIQを通じたフルファネル型の広告オプションへのアクセスが可能になったとされており(Microsoft News Center Japan「Microsoft Advertising、日本での展開について」)、以降このプラットフォームの提供が続いています。
Microsoft広告の配信面|Bing検索・Edge・MSN・その他ネットワーク
Microsoft広告の配信面は、大きく「検索広告」と「オーディエンス広告(ディスプレイ・ネイティブ・動画)」に分かれます。公式ヘルプ「What is the Microsoft Advertising Network?」では、この2つを合わせて「Microsoft Advertising Network」と呼び、キャンペーンの目的や広告タイプ、ターゲティング条件によって実際の配信先が変わるとされています(Microsoft Advertising公式ヘルプ「What is the Microsoft Advertising Network?」)。
検索広告とオーディエンス広告の配信面
検索広告は、Microsoft Bing、AOL、Yahoo、DuckDuckGo、Ecosiaといった検索エンジンやパートナーサイトの検索結果と合わせて表示されます。オーディエンス広告は、MSN、Microsoft Start、Microsoft Edge、Outlook.com、パートナーサイトにディスプレイ・ネイティブ・動画形式で配信されます(同ヘルプより)。日本語版公式サイトも同様に「MSN、Microsoft Edge、Outlook、Microsoft カジュアルゲーム」を紹介しており(Microsoft 広告 公式サイト(日本語版))、動画配信面としてMax、Hulu、Roku、discovery+も案内されています。
広告タイプ | 主な配信面 |
|---|---|
検索広告 | Bing、Yahoo、DuckDuckGo、AOL、Ecosiaなどの検索エンジン・パートナーサイト |
オーディエンス広告 | MSN、Microsoft Start、Microsoft Edge、Outlook、Microsoft 365、Microsoft カジュアルゲーム、提携パートナーサイト |
動画・CTV | Max、Hulu、Roku、discovery+ などのストリーミングサービス |
なお、Copilotなど生成AIの回答面への広告配信については、本記事執筆時点で確認した配信面一覧に記載を確認できなかったため、本記事では言及していません。
Microsoft広告の特徴
LinkedInプロフィールターゲティング|他媒体にはない独自機能
Microsoft広告の特徴としてまず挙げられるのが、LinkedInのプロフィール情報を活用したターゲティング機能です。公式ヘルプは「Microsoft Advertising is the only advertising platform (other than LinkedIn) that allows you to target potential customers based on their LinkedIn profile information.」と明記しており、LinkedIn以外で唯一の機能とされています(Microsoft Advertising公式ヘルプ「LinkedIn profile targeting」)。対象は「会社名」「業種」「職種」の3種類で、検索・動的検索広告・Shopping・オーディエンス・Performance Maxの各キャンペーンで利用できます。
注意したいのは、これが「絞り込み」ではなく「入札調整」として働く点です。同ヘルプはこれを「bid only」(絞り込みでなく入札のみ)と表現しており、特定の会社・業種を設定してもそれ以外への配信が除外されるわけではなく、該当ユーザーへの入札を強める仕組みとされています。指定できる企業数は1広告グループ・キャンペーンあたり最大1,000社までです。
オーディエンス層と競合環境
オーディエンス広告はMSN・Edge・Outlook・Microsoft 365などMicrosoft製品と結びついた配信面を含み、公式ドキュメントでもオーディエンス理解の基盤として「search and web activity, LinkedIn profile data, demographic and customer data」を組み合わせるとされています。OutlookやEdgeを日常的に使うビジネスユーザーへリーチしやすい点は、この配信面構成から導かれる特徴です。競合環境の面でも、LinkedInターゲティングがLinkedIn以外では使えない独自機能である点がBtoB領域での差別化ポイントになり得ます。なお、市場シェアや広告主数、CPC水準を媒体間で比較した公式データは確認できなかったため、数値による比較は行っていません。
Google広告からのインポート機能|移行のしやすさ
Microsoft広告には、Google広告で運用中のキャンペーンを取り込める「インポート」機能があります。公式サイトでは「Import your campaigns directly from Google Ads, Meta Ads, and Pinterest Ads in a few clicks」と紹介され、Google広告に加えメタ広告・Pinterest広告にも対応します(Microsoft Advertising公式サイト「Import tools」)。対応キャンペーンタイプにはPerformance Max、オーディエンス広告、Merchant Center商品データ、ショッピングが挙げられています。
公式ドキュメント「Google Ads Import」によると、インポートは認証情報(インポート認証情報ID)を取得し、対象アカウント・キャンペーンとオプションを選んでスケジュールを設定する流れで進みます(Microsoft Advertising公式ドキュメント「Google Ads Import」)。公式ブログでは「Quick Import」「Smart Import」「Advanced Import」という3種類の方法が用意されていることも紹介されています(Microsoft Advertising公式ブログ「Unlocking the Power of Google Import Tools」)。新規アカウント開設時にも同様の選択肢があります。Google広告の仕組み自体はGoogle広告とはの解説記事で解説しています。
キャンペーンタイプと課金の概観
公式ドキュメントの「CampaignType」定義では、キャンペーンタイプとしてSearch、Shopping、Audience、PerformanceMax、App、Hotel(宿泊施設向け)が挙げられています。かつて独立タイプだった「Dynamic Search Ads」は、現在は検索キャンペーン内の「SearchDynamic」広告グループとして作成する仕様に変わっています(Microsoft Advertising公式ドキュメント「CampaignType Value Set」)。
キャンペーンタイプ | 概要 |
|---|---|
検索(Search) | キーワードにもとづき検索結果に表示するテキスト広告 |
ショッピング(Shopping) | Merchant Centerの商品フィードで商品を表示 |
オーディエンス(Audience) | MSN・Outlook・Edge等にディスプレイ・ネイティブ・動画で配信 |
Performance Max | 検索・ディスプレイ・オーディエンス・ショッピング等を1キャンペーンでAIが最適化 |
アプリ(App) | アプリのインストール促進が目的 |
宿泊施設(Hotel) | 宿泊施設向けの料金広告 |
Performance Maxは公式サイトで「AI-powered campaign type」と説明される、複数配信面をAIが最適化する仕組みです(Microsoft Advertising公式サイト「Performance Max」)。課金面では、公式サインアップページに「No minimum fee」「Only pay for clicks」「Budget by the day」とあり、最低利用額なし・クリック課金が基本・日単位予算が可能です(Microsoft Advertising公式サインアップページ)。CPM・CPA課金も選べ、入札上限や予算ペーシングと組み合わせられます(Microsoft Advertising公式サイト「Advertising Cost Control」)。クリック単価の仕組みはCPCとはの解説記事で解説しています。
Microsoft広告の始め方
公式ヘルプ「Create a Microsoft Advertising account and campaign」によると、アカウント開設はおおむね次の流れで進みます(Microsoft Advertising公式ヘルプ「Create a Microsoft Advertising account and campaign」)。
サインインする:既存・新規のMicrosoftアカウントのほか、Google・Facebookアカウントにも対応。
ビジネス情報を入力する:サイトURL、事業所在国、広告言語、法人名、連絡先など。
開始方法を選ぶ:新規開始か、Google広告・Meta広告からのインポートかを選択。
広告内容を確認する:サイトURLから自動生成された広告文・画像を確認・編集。
配信対象・予算・入札戦略を設定する:配信地域、1日の予算、入札戦略を設定。
請求情報を入力し送信する:法人名・住所・通貨・支払い方法を入力し送信。
送信後は広告文・キーワード・アセットが審査(エディトリアルレビュー)にかけられ、公式ヘルプによると多くの審査は48時間以内に完了します(Microsoft Advertising公式ヘルプ「The editorial review」)。通過後に配信可能になります。なおコンバージョン計測(UET: Universal Event Tracking)を設定していないと、選んだ入札戦略にかかわらずクリック数最大化の配信に自動的に切り替わるため、本格運用前の設定が推奨されています。
Microsoft広告を始める前の注意点
アカウントごとに通貨が固定される:複数通貨で支払う場合は、通貨ごとに別アカウントを作成する必要があるとされています。
LinkedInの企業リストは手動追加のみ:外部ファイルや他媒体からのインポートには対応していないとされています。
コンバージョン計測が入札戦略の前提になる:未設定だと自動入札がクリック数最大化の挙動に切り替わります。
インポートは全設定を引き継ぐとは限らない:公式ドキュメントでも、インポート後にキャンペーン内容を確認し、不足設定を補うことが推奨されています。
Microsoft広告を含む複数の広告媒体を並行運用すると、媒体ごとに管理画面や指標が異なり、レポートを揃えて比較する工数がかかりやすくなります。入れるべき指標や自動化の考え方は広告レポートの作り方の解説記事にまとめています。広告運用AIエージェントのCascadeのように複数媒体のデータを横断管理しレポートを自動化するツールを組み合わせれば、運用負荷を軽減できる場合があります(対応媒体・機能は変更され得るため公式サイトでご確認ください)。運用体制がない場合は、リスティング広告の代理店・運用代行の選び方を参考に代理店への依頼を検討するのも一つの方法です。
よくある質問
Q1. Microsoft広告とBing Adsは同じサービスですか?
はい、同じサービスです。かつて「Bing Ads」という名称だったサービスが名称変更を経て、現在の「Microsoft広告(Microsoft Advertising)」になっています。
Q2. Microsoft広告は日本で使えますか?
使えます。Microsoft社の日本語ニュースリリースによると、2022年5月31日に日本国内のすべての広告代理店・ブランドが検索広告・ネイティブ広告を利用できるようになったと発表されています(Microsoft News Center Japan)。
Q3. Microsoft広告とGoogle広告は何が違いますか?
配信面が異なり、Microsoft広告はBing・Yahoo等の検索エンジンとMSN・Edge・Outlookなどのオーディエンス広告面が中心です。LinkedInのプロフィール情報(会社・業種・職種)でのターゲティングができる点も大きな違いで、公式ヘルプでも「LinkedIn以外で唯一の機能」と説明されています。
Q4. Google広告のキャンペーンをそのままMicrosoft広告に移行できますか?
「そのまま」ではありませんが、インポート機能で多くの設定を引き継いだ状態で始められます。ただし全設定が引き継がれるとは限らないため、インポート後は配信内容の確認が必要です。
Q5. Microsoft広告はいくらから始められますか?
公式サインアップページによると、最低利用額はなく、クリック課金が基本で予算は日単位で設定できます。無理のない予算からテスト配信を始め、様子を見ながら調整するのが現実的です。
Q6. Microsoft広告を含む複数媒体の運用を効率化する方法はありますか?
広告運用AIエージェントのCascadeのように、複数媒体のデータを横断管理しレポート作成や予算配分を支援するツールを使う方法があります。対応媒体や機能はサービスごとに異なるため、事前にご確認ください。
まとめ
Microsoft広告は、Bing検索やMSN・Edge・Outlook等に広告を出稿できるプラットフォームで、日本では2022年5月31日から全代理店・ブランドが利用可能に
配信面は「検索広告」(Bing・Yahoo・DuckDuckGo等)と「オーディエンス広告」(MSN・Edge・Outlook等)に大別され、動画・CTV配信にも対応
LinkedInのプロフィール情報(会社・業種・職種)でのターゲティングは他媒体にない独自機能(絞り込みでなく入札調整として働く点に注意)
Google広告のキャンペーンはインポート機能で取り込めるが、全設定が引き継がれるとは限らないため確認が必要
課金はクリック課金が基本で最低利用額はなく、日単位の予算設定や入札上限で費用をコントロールできる
Microsoft広告は、Google広告と共通するオークション型の仕組みを持ちながら、LinkedInのプロフィールデータを使ったターゲティングやMicrosoft製品群と連携した配信面など、独自の特徴を備えたプラットフォームです。すでにGoogle広告を運用している場合は、インポート機能を使って少ない工数で配信面を広げられるかを検討してみてください。


