アドネットワークとは?仕組み・主要サービス一覧・選び方まで解説【2026年版】

アドネットワークとは?仕組み・主要サービス一覧・選び方まで解説【2026年版】

アドネットワークとは?仕組み・主要サービス一覧・選び方まで解説【2026年版】

アドネットワークとは、複数のウェブサイトやアプリなど媒体の広告枠を束ね、広告主が1つの窓口からまとめて広告を配信できるようにする仕組み、またはそれを提供する事業者を指します。広告主は個々の媒体と個別に交渉・入稿する手間なく、アドネットワークに広告を1回入稿するだけで、条件に合う複数の媒体へ同時に広告を届けられます。媒体側にとっても、自社で広告主を開拓しなくても、空いている広告枠をアドネットワークに提供するだけで収益化できる仕組みです。

本記事では、アドネットワークの仕組みから、混同されやすいDSP・SSP・アドエクスチェンジとの違い、2026年7月時点で提供が確認できた主要サービスの一覧、メリット・デメリット、目的別の選び方、効果測定のポイントまでを整理して解説します。

アドネットワークとは|広告主と媒体をつなぐ仲介の仕組み

アドネットワークが登場する以前、広告主がウェブサイトに広告を出すには、媒体ごとに広告枠の空き状況や価格を個別に確認し、掲載交渉をする必要がありました。中小規模の媒体まで手が回らず、広告主は大手媒体にしか出稿できない、媒体側は広告枠が埋まらず収益化できない、というミスマッチが起きやすい状態でした。

アドネットワークは、多数の媒体の広告枠を束ねて1つの在庫プールとして扱い、広告主の出稿条件(予算・ターゲティング・配信期間など)に合わせて配信先を自動的に選ぶことで、このミスマッチを解消する存在です。広告主は媒体を意識せずに「届けたい相手」を指定するだけでよく、媒体は自社で営業をしなくても広告枠を収益化できます。GDNやMeta Audience Networkのように、検索エンジンやSNSを運営する大手プラットフォームが自社サービス外の提携媒体まで広告を配信する仕組みも、広義のアドネットワークに含まれます。

アドネットワークの仕組み|広告主→アドネットワーク→複数媒体

アドネットワークを通じた広告配信は、大きく次の流れで進みます。

  • ①広告主が入稿する:広告主(または代理店)が、アドネットワークの管理画面から広告クリエイティブ・予算・ターゲティング条件・配信期間などを設定して入稿する

  • ②アドネットワークが配信先を選定する:入稿された広告の条件と、参加している各媒体の広告枠・ユーザー層を照らし合わせ、配信に適した広告枠を選ぶ。リアルタイムの入札(オークション)の仕組みを組み込んで配信先を決めるネットワークも多い

  • ③複数の媒体に一括で配信する:選ばれた広告枠に、広告主は個別の媒体と直接やり取りすることなく広告が表示される

  • ④成果に応じて費用が発生し、媒体に収益が還元される:広告主はクリックや表示回数などに応じた費用をアドネットワークに支払い、アドネットワークはそこから手数料を差し引いた分を、広告を掲載した媒体に収益として分配する

広告主から見ると「1つの管理画面で多数の媒体に配信できる」効率化の仕組みであり、媒体から見ると「自社で広告主を探さなくても広告枠を収益化できる」仕組みという、双方にメリットがある構造になっています。

DSP・SSP・アドエクスチェンジとの違い

アドネットワークとしばしば混同される言葉に、DSP・SSP・アドエクスチェンジがあります。いずれも広告主の広告を媒体に届ける広告プラットフォームという大枠の役割は共通していますが、誰のためのツールか、配信先をどう決めるかという点が異なります。

種類

主な利用者

役割

特徴

アドネットワーク

広告主

複数媒体の広告枠を束ねて広告主に提供する

配信先の選定はネットワーク側に任せる形が基本。媒体ごとの個別交渉が不要

DSP(デマンドサイドプラットフォーム)

広告主・広告代理店

複数のSSP・アドエクスチェンジ経由で、多数の媒体在庫にリアルタイムで自動入札する

ユーザー単位のターゲティングと入札を横断的に自動化できる、広告主側の「買い付け」ツール

SSP(サプライサイドプラットフォーム)

媒体(パブリッシャー)

自社の広告枠を複数のDSP・アドエクスチェンジに同時に提示し、収益を最大化する

媒体にとっての「DSPに相当する」在庫管理・収益最大化ツール

アドエクスチェンジ

DSPとSSPの双方

DSPとSSPを仲介し、広告枠を1インプレッション単位でオークション形式にリアルタイム売買する

証券取引所に近い役割を果たす「市場」。GoogleのAd Exchangeなどが代表例

整理すると、アドネットワークは広告主に対して媒体在庫を「まとめて提供する」販売の形に近く、DSP・SSP・アドエクスチェンジは、広告枠を1つずつオークションでリアルタイムに売買する、より粒度の細かい取引の仕組みです。もっとも、この境界はあいまいになっており、GDNやMeta Audience Networkのような大手アドネットワークも、内部的にはリアルタイム入札の仕組みを組み込んで配信先を決めています。

主要アドネットワーク一覧【2026年7月時点で提供確認済み】

アドネットワークは事業譲渡やサービス統合、終了が起こりやすい分野でもあります。以下は、2026年7月時点で各社の公式サイト・公式発表をもとに提供中であることを確認できたサービスです。出稿を検討する際は、本記事の情報だけで判断せず、必ず公式サイトで最新の提供状況・出稿条件を確認してください。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)

Google広告のディスプレイキャンペーンから出稿できるアドネットワークで、Google広告のヘルプページでは200万以上のウェブサイト・動画・アプリに広告を掲載できるとされています。YouTubeやGmailなどGoogleが自ら運営するサービスと、幅広い提携ウェブサイト・アプリの両方が配信面になります。すでにGoogle検索広告を運用している場合は、同じ管理画面・同じコンバージョン計測でそのまま追加できる点が使いやすさにつながります。配信面やバナーサイズ、設定手順の詳細はGDN(Googleディスプレイネットワーク)とはで解説しています。

LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(旧YDA)

LINEヤフー株式会社が提供するアドネットワークです。旧Yahoo!広告のディスプレイ広告と旧LINE広告は2026年4月にLINEヤフー広告として統合されており、統合後はLINEのトークリストやYahoo! JAPANのトップページ・ニュースなど、両サービスの主要な配信面をまたいで広告を掲載できます。国内ユーザーへのリーチや、Yahoo! JAPAN IDに基づく年齢・性別・興味関心データを使ったターゲティングに強みがあります。統合の経緯や検索広告を含めた全体像はLINEヤフー広告とは?(旧Yahoo!広告)、ディスプレイ広告(旧YDA)単体の仕様や出稿手順はYDAとはでそれぞれ解説しています。

Meta Audience Network

Meta社が提供する、Facebook・Instagramの外部にある提携アプリ・サイトへ広告を配信するアドネットワークです。Meta社の公式ページでは、アプリ開発者やパブリッシャー向けの収益化プラットフォームと位置づけられており、動画リワード広告・インタースティシャル広告・ネイティブ広告など複数のフォーマットに対応しています。Meta広告の広告アカウントからFacebook・Instagramと合わせて配信面に加えることができ、アプリ内在庫までリーチを広げたい場合の選択肢になります。Facebook・Instagramを含むMeta広告全体の配信面や費用についてはMeta広告とは?の記事で解説しています。Audience Network単体の仕組みはオーディエンスネットワークの解説記事でも取り上げています。

TikTok(Pangleを含む)

TikTok for Businessが提供するアドネットワークが「Pangle」です。公式サイトでは「TikTok for Businessの広告ネットワーク」と説明されており、TikTok本体の動画フィードとは別に、提携する多数のスマートフォンアプリへ広告を配信します。TikTok広告マネージャーからTikTok本体とPangleを併用でき、動画広告を中心にアプリのインストール促進や認知拡大に使われています。

Amazon Ads(Amazon DSP)

Amazonが提供するAmazon DSPは、Amazon.com・Prime Video・Twitch・Fire TVなどAmazonが運営するサービスに加え、Amazon Publisher Directや主要なアドエクスチェンジを通じて、Amazon以外の多数のサイト・アプリにも広告を配信できる仕組みです。購買データに基づくターゲティングが特徴で、ディスプレイ・オンライン動画・音声・ストリーミングTVなど複数のフォーマットに対応しています。Amazonでの出品の有無にかかわらず、ブランド広告主や広告代理店が利用できます。

Microsoft Audience Network

Microsoft Advertisingが提供するアドネットワークで、MSN・Outlook.com・Microsoft Edgeなど、Microsoftが運営するサービスと一部の提携媒体に広告を配信します。Microsoft広告の検索広告と同じ管理画面から配信先の1つとして追加でき、画像を中心としたディスプレイ形式と記事フィードになじむネイティブ形式の両方に対応しています。

UNICORN

UNICORN株式会社(アドウェイズの子会社)が提供する国内発の広告配信プラットフォームです。公式サイトでは「全自動マーケティングプラットフォーム」と位置づけられており、パブリッシャー向けの広告枠収益化機能に加え、パフォーマンス広告・エンゲージメント広告など広告主向けの配信メニューも備え、スマートフォンアプリ領域を中心に国内アプリ広告主の選択肢の1つとなっています。

i-mobile

東証に上場する株式会社アイモバイル(証券コード6535)が、インターネット広告事業の一環として提供するアドネットワークです。スマートフォン・PC向けに複数の広告フォーマットを扱う国内の老舗ネットワークの1つで、国内の中小規模の媒体まで幅広くカバーしている点が特徴です。具体的なフォーマットや出稿条件は公式サイトでの確認をおすすめします。

Zucks Ad Network

CARTA ZERO株式会社が運営する、スマートフォンに特化したクリック課金型のアドネットワークです。バナー・ネイティブ・動画に加え、独自のユーザー体験型フォーマットにも対応しており、アドネットワークとDSPを組み合わせて配信することで、多種多様なアプリ・メディアへの掲載を可能にしています。

このほかにも国内には複数のアドネットワークが存在しますが、事業統合やサービス終了が比較的多い領域でもあるため、本記事では2026年7月時点で公式サイト・公式発表による提供確認ができたサービスに絞って紹介しました。

アドネットワークのメリット・デメリット

複数媒体への配信を効率化できる一方で、アドネットワーク特有の注意点もあります。

  • 複数媒体への配信を一元化できる:媒体ごとに個別契約・入稿する手間がなく、1つの管理画面から多数の媒体に広告を届けられる

  • 潜在層にもリーチできる:検索広告と異なり、まだ商品・サービスを検索していないユーザーにも、閲覧履歴や興味・関心データをもとに広告を届けられる

  • 中小規模の媒体も収益化できる:媒体側は自社で広告主を開拓しなくても、余った広告枠をネットワークに提供するだけで収益を得られる

  • 幅広い予算帯から始めやすい:多くのアドネットワークはクリックや表示回数に応じた課金のため、少額から配信を始めやすい

  • 配信面をすべて把握しづらい:配信面がきわめて多く、自社の広告がどのサイト・アプリに表示されているかを1つずつ確認するのは手間がかかる

  • ブランドセーフティのリスクがある:意図しないコンテンツの隣に広告が表示される可能性があり、除外設定などの運用が必要になる

  • 成果が配信面ごとにばらつきやすい:業種やターゲットによって成果が出やすい媒体と出にくい媒体の差が大きく、除外・絞り込みの運用が欠かせない

  • 複数ネットワークを併用すると管理が煩雑になる:ネットワークごとに管理画面・レポート形式が異なり、横断で成果を比較する際の集計に手間がかかる

アドネットワークの選び方|目的別に考える

アドネットワークは種類が多く、どれか1つが常に正解ということはありません。まず自社の目的を明確にしたうえで、その目的に強みのあるネットワークから検討するのが実務的な進め方です。

認知拡大・幅広いリーチを狙う場合

GDNやLINEヤフー広告のディスプレイ広告、Microsoft Audience Networkのように、大手プラットフォームが運営する配信面の広いネットワークが候補になります。Googleでは、YouTube・Discover・Gmailなど複数の面を横断して配信するデマンドジェネレーション(Demand Gen)という形式も用意されており、ディスプレイ広告と合わせて選択肢に入れる価値があります。詳しくはデマンドジェネレーション(Demand Gen)とはの記事で解説しています。

アプリのインストール・グロースを狙う場合

Meta Audience NetworkやPangle、Zucks Ad Network、i-mobileのように、スマートフォンアプリへの配信を主戦場とするアドネットワークが向いています。動画リワード広告やインタースティシャル広告など、アプリ内の体験に組み込みやすいフォーマットが充実している点が特徴です。

EC・通販の売上獲得を狙う場合

Amazon Adsのように、購買データに基づくターゲティングができるアドネットワークは、すでに購買意欲の高いユーザーに近づきやすいという特性があります。自社ECサイトへの再訪問を促したい場合は、GDNなどが備えるリマーケティング機能もあわせて検討する価値があります。

国内・中小規模から始めたい場合

UNICORNやi-mobile、Zucks Ad Networkといった国内系のアドネットワークは、国内媒体を中心に配信されるため、日本語コンテンツとの親和性が高い媒体に絞って出稿したい場合の選択肢になります。予算規模や審査条件は媒体によって異なるため、出稿前に各社の公式サイトで確認してください。

アドネットワークの効果測定のポイント

アドネットワークの効果測定で最初に押さえるべきは、表示回数やクリック数といった配信量の指標ではなく、広告費用に対してどれだけの成果(コンバージョンや売上)が得られたかという費用対効果の指標です。特にアドネットワークは配信面が広いため、全体の数字だけを見ていると、成果につながっていない配信面に予算が流れていることに気づきにくくなります。管理画面のレポートから配信先(プレースメント)ごとの成果を定期的に確認し、成果の薄い配信面を除外していく運用が欠かせません。

また、複数のアドネットワークを併用すると、管理画面やレポートの形式がネットワークごとに異なるため、横断での比較・集計に手間がかかりやすくなります。広告運用AIエージェントのCascadeも、こうした複数の広告媒体にまたがるデータの一元管理やレポート作成の自動化に対応しており、管理が分散しがちな場面での選択肢の1つになります。指標の見方や計測の仕組みそのものについては、広告効果測定とはの記事で詳しく解説しています。

アドネットワークに関するよくある質問

Q1. アドネットワークとアフィリエイト広告はどう違いますか?

アドネットワークは、表示回数やクリック数に応じて広告主が費用を支払う「配信」の仕組みです。一方、アフィリエイト広告は、商品購入や資料請求など成果が発生した場合にのみ報酬を支払う「成果報酬」の仕組みで、媒体(アフィリエイター)が自らの意思で商品を紹介する点も異なります。

Q2. アドネットワークの掲載審査にはどのくらい時間がかかりますか?

審査にかかる時間はネットワークや広告内容によって異なり、本記事で共通の目安は示せません。出稿を急ぐ場合は、事前に公式サイトで審査基準・所要期間を確認しておくことをおすすめします。

Q3. アドネットワークの出稿には最低金額がありますか?

最低出稿金額の有無や金額はネットワークによって異なります。本記事で扱った各サービスについても、金額は変更される可能性があるため、出稿を検討する際は必ず各公式サイトで最新の条件を確認してください。

Q4. 複数のアドネットワークを併用したほうがよいですか?

配信面の重複が少ないネットワークを組み合わせれば、リーチを広げやすくなります。一方で、ネットワークが増えるほど管理画面の確認やレポートの集計に手間がかかるため、まずは目的に合った1〜2つのネットワークから始め、運用体制に応じて広げていく進め方が現実的です。

Q5. GDNとMeta Audience Networkはどちらを選ぶべきですか?

すでにGoogle検索広告を運用している場合はGDNを、Meta広告(Facebook・Instagram)を運用している場合はMeta Audience Networkを、それぞれ同じ管理画面・同じコンバージョン計測の延長として追加しやすいという実務上のメリットがあります。ターゲットとするユーザー層や商材によって相性は異なるため、既存の運用媒体との親和性を軸に判断するとよいでしょう。

Q6. アドネットワークとリターゲティング広告は同じものですか?

異なります。リターゲティング(リマーケティング)広告は、自社サイトを訪れたユーザーに再度広告を届ける「配信対象の絞り込み方」を指す言葉です。アドネットワークは、その広告をどの媒体に届けるかという「配信網」を指す言葉なので、両者は対象になる階層が異なります。実務では、GDNなどのアドネットワークが提供するターゲティング手法の1つとして、リターゲティングを使うという関係になります。

まとめ|まず目的を決め、公式サイトで最新情報を確認する

  • アドネットワークとは、複数媒体の広告枠を束ね、広告主が一括で配信できるようにする仕組み・事業者のこと

  • DSP・SSP・アドエクスチェンジは、広告枠を1つずつリアルタイムのオークションで売買する、より粒度の細かい取引の仕組み

  • 主要なアドネットワークにはGDN・LINEヤフー広告・Meta Audience Network・Pangle(TikTok)・Amazon Ads・Microsoft Audience Networkのほか、UNICORN・i-mobile・Zucks Ad Networkなど国内系のサービスがある

  • 選び方は「認知拡大」「アプリグロース」「EC・通販」「国内・中小規模」など、自社の目的を起点に考える

  • アドネットワークは事業統合・サービス終了が起こりやすい分野でもあるため、出稿前には必ず公式サイトで最新の提供状況を確認する

複数のアドネットワークを比較検討する際は、まず自社が「誰に」「何を目的に」広告を届けたいのかを言語化することが出発点になります。

アドネットワークとは、複数のウェブサイトやアプリなど媒体の広告枠を束ね、広告主が1つの窓口からまとめて広告を配信できるようにする仕組み、またはそれを提供する事業者を指します。広告主は個々の媒体と個別に交渉・入稿する手間なく、アドネットワークに広告を1回入稿するだけで、条件に合う複数の媒体へ同時に広告を届けられます。媒体側にとっても、自社で広告主を開拓しなくても、空いている広告枠をアドネットワークに提供するだけで収益化できる仕組みです。

本記事では、アドネットワークの仕組みから、混同されやすいDSP・SSP・アドエクスチェンジとの違い、2026年7月時点で提供が確認できた主要サービスの一覧、メリット・デメリット、目的別の選び方、効果測定のポイントまでを整理して解説します。

アドネットワークとは|広告主と媒体をつなぐ仲介の仕組み

アドネットワークが登場する以前、広告主がウェブサイトに広告を出すには、媒体ごとに広告枠の空き状況や価格を個別に確認し、掲載交渉をする必要がありました。中小規模の媒体まで手が回らず、広告主は大手媒体にしか出稿できない、媒体側は広告枠が埋まらず収益化できない、というミスマッチが起きやすい状態でした。

アドネットワークは、多数の媒体の広告枠を束ねて1つの在庫プールとして扱い、広告主の出稿条件(予算・ターゲティング・配信期間など)に合わせて配信先を自動的に選ぶことで、このミスマッチを解消する存在です。広告主は媒体を意識せずに「届けたい相手」を指定するだけでよく、媒体は自社で営業をしなくても広告枠を収益化できます。GDNやMeta Audience Networkのように、検索エンジンやSNSを運営する大手プラットフォームが自社サービス外の提携媒体まで広告を配信する仕組みも、広義のアドネットワークに含まれます。

アドネットワークの仕組み|広告主→アドネットワーク→複数媒体

アドネットワークを通じた広告配信は、大きく次の流れで進みます。

  • ①広告主が入稿する:広告主(または代理店)が、アドネットワークの管理画面から広告クリエイティブ・予算・ターゲティング条件・配信期間などを設定して入稿する

  • ②アドネットワークが配信先を選定する:入稿された広告の条件と、参加している各媒体の広告枠・ユーザー層を照らし合わせ、配信に適した広告枠を選ぶ。リアルタイムの入札(オークション)の仕組みを組み込んで配信先を決めるネットワークも多い

  • ③複数の媒体に一括で配信する:選ばれた広告枠に、広告主は個別の媒体と直接やり取りすることなく広告が表示される

  • ④成果に応じて費用が発生し、媒体に収益が還元される:広告主はクリックや表示回数などに応じた費用をアドネットワークに支払い、アドネットワークはそこから手数料を差し引いた分を、広告を掲載した媒体に収益として分配する

広告主から見ると「1つの管理画面で多数の媒体に配信できる」効率化の仕組みであり、媒体から見ると「自社で広告主を探さなくても広告枠を収益化できる」仕組みという、双方にメリットがある構造になっています。

DSP・SSP・アドエクスチェンジとの違い

アドネットワークとしばしば混同される言葉に、DSP・SSP・アドエクスチェンジがあります。いずれも広告主の広告を媒体に届ける広告プラットフォームという大枠の役割は共通していますが、誰のためのツールか、配信先をどう決めるかという点が異なります。

種類

主な利用者

役割

特徴

アドネットワーク

広告主

複数媒体の広告枠を束ねて広告主に提供する

配信先の選定はネットワーク側に任せる形が基本。媒体ごとの個別交渉が不要

DSP(デマンドサイドプラットフォーム)

広告主・広告代理店

複数のSSP・アドエクスチェンジ経由で、多数の媒体在庫にリアルタイムで自動入札する

ユーザー単位のターゲティングと入札を横断的に自動化できる、広告主側の「買い付け」ツール

SSP(サプライサイドプラットフォーム)

媒体(パブリッシャー)

自社の広告枠を複数のDSP・アドエクスチェンジに同時に提示し、収益を最大化する

媒体にとっての「DSPに相当する」在庫管理・収益最大化ツール

アドエクスチェンジ

DSPとSSPの双方

DSPとSSPを仲介し、広告枠を1インプレッション単位でオークション形式にリアルタイム売買する

証券取引所に近い役割を果たす「市場」。GoogleのAd Exchangeなどが代表例

整理すると、アドネットワークは広告主に対して媒体在庫を「まとめて提供する」販売の形に近く、DSP・SSP・アドエクスチェンジは、広告枠を1つずつオークションでリアルタイムに売買する、より粒度の細かい取引の仕組みです。もっとも、この境界はあいまいになっており、GDNやMeta Audience Networkのような大手アドネットワークも、内部的にはリアルタイム入札の仕組みを組み込んで配信先を決めています。

主要アドネットワーク一覧【2026年7月時点で提供確認済み】

アドネットワークは事業譲渡やサービス統合、終了が起こりやすい分野でもあります。以下は、2026年7月時点で各社の公式サイト・公式発表をもとに提供中であることを確認できたサービスです。出稿を検討する際は、本記事の情報だけで判断せず、必ず公式サイトで最新の提供状況・出稿条件を確認してください。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)

Google広告のディスプレイキャンペーンから出稿できるアドネットワークで、Google広告のヘルプページでは200万以上のウェブサイト・動画・アプリに広告を掲載できるとされています。YouTubeやGmailなどGoogleが自ら運営するサービスと、幅広い提携ウェブサイト・アプリの両方が配信面になります。すでにGoogle検索広告を運用している場合は、同じ管理画面・同じコンバージョン計測でそのまま追加できる点が使いやすさにつながります。配信面やバナーサイズ、設定手順の詳細はGDN(Googleディスプレイネットワーク)とはで解説しています。

LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(旧YDA)

LINEヤフー株式会社が提供するアドネットワークです。旧Yahoo!広告のディスプレイ広告と旧LINE広告は2026年4月にLINEヤフー広告として統合されており、統合後はLINEのトークリストやYahoo! JAPANのトップページ・ニュースなど、両サービスの主要な配信面をまたいで広告を掲載できます。国内ユーザーへのリーチや、Yahoo! JAPAN IDに基づく年齢・性別・興味関心データを使ったターゲティングに強みがあります。統合の経緯や検索広告を含めた全体像はLINEヤフー広告とは?(旧Yahoo!広告)、ディスプレイ広告(旧YDA)単体の仕様や出稿手順はYDAとはでそれぞれ解説しています。

Meta Audience Network

Meta社が提供する、Facebook・Instagramの外部にある提携アプリ・サイトへ広告を配信するアドネットワークです。Meta社の公式ページでは、アプリ開発者やパブリッシャー向けの収益化プラットフォームと位置づけられており、動画リワード広告・インタースティシャル広告・ネイティブ広告など複数のフォーマットに対応しています。Meta広告の広告アカウントからFacebook・Instagramと合わせて配信面に加えることができ、アプリ内在庫までリーチを広げたい場合の選択肢になります。Facebook・Instagramを含むMeta広告全体の配信面や費用についてはMeta広告とは?の記事で解説しています。Audience Network単体の仕組みはオーディエンスネットワークの解説記事でも取り上げています。

TikTok(Pangleを含む)

TikTok for Businessが提供するアドネットワークが「Pangle」です。公式サイトでは「TikTok for Businessの広告ネットワーク」と説明されており、TikTok本体の動画フィードとは別に、提携する多数のスマートフォンアプリへ広告を配信します。TikTok広告マネージャーからTikTok本体とPangleを併用でき、動画広告を中心にアプリのインストール促進や認知拡大に使われています。

Amazon Ads(Amazon DSP)

Amazonが提供するAmazon DSPは、Amazon.com・Prime Video・Twitch・Fire TVなどAmazonが運営するサービスに加え、Amazon Publisher Directや主要なアドエクスチェンジを通じて、Amazon以外の多数のサイト・アプリにも広告を配信できる仕組みです。購買データに基づくターゲティングが特徴で、ディスプレイ・オンライン動画・音声・ストリーミングTVなど複数のフォーマットに対応しています。Amazonでの出品の有無にかかわらず、ブランド広告主や広告代理店が利用できます。

Microsoft Audience Network

Microsoft Advertisingが提供するアドネットワークで、MSN・Outlook.com・Microsoft Edgeなど、Microsoftが運営するサービスと一部の提携媒体に広告を配信します。Microsoft広告の検索広告と同じ管理画面から配信先の1つとして追加でき、画像を中心としたディスプレイ形式と記事フィードになじむネイティブ形式の両方に対応しています。

UNICORN

UNICORN株式会社(アドウェイズの子会社)が提供する国内発の広告配信プラットフォームです。公式サイトでは「全自動マーケティングプラットフォーム」と位置づけられており、パブリッシャー向けの広告枠収益化機能に加え、パフォーマンス広告・エンゲージメント広告など広告主向けの配信メニューも備え、スマートフォンアプリ領域を中心に国内アプリ広告主の選択肢の1つとなっています。

i-mobile

東証に上場する株式会社アイモバイル(証券コード6535)が、インターネット広告事業の一環として提供するアドネットワークです。スマートフォン・PC向けに複数の広告フォーマットを扱う国内の老舗ネットワークの1つで、国内の中小規模の媒体まで幅広くカバーしている点が特徴です。具体的なフォーマットや出稿条件は公式サイトでの確認をおすすめします。

Zucks Ad Network

CARTA ZERO株式会社が運営する、スマートフォンに特化したクリック課金型のアドネットワークです。バナー・ネイティブ・動画に加え、独自のユーザー体験型フォーマットにも対応しており、アドネットワークとDSPを組み合わせて配信することで、多種多様なアプリ・メディアへの掲載を可能にしています。

このほかにも国内には複数のアドネットワークが存在しますが、事業統合やサービス終了が比較的多い領域でもあるため、本記事では2026年7月時点で公式サイト・公式発表による提供確認ができたサービスに絞って紹介しました。

アドネットワークのメリット・デメリット

複数媒体への配信を効率化できる一方で、アドネットワーク特有の注意点もあります。

  • 複数媒体への配信を一元化できる:媒体ごとに個別契約・入稿する手間がなく、1つの管理画面から多数の媒体に広告を届けられる

  • 潜在層にもリーチできる:検索広告と異なり、まだ商品・サービスを検索していないユーザーにも、閲覧履歴や興味・関心データをもとに広告を届けられる

  • 中小規模の媒体も収益化できる:媒体側は自社で広告主を開拓しなくても、余った広告枠をネットワークに提供するだけで収益を得られる

  • 幅広い予算帯から始めやすい:多くのアドネットワークはクリックや表示回数に応じた課金のため、少額から配信を始めやすい

  • 配信面をすべて把握しづらい:配信面がきわめて多く、自社の広告がどのサイト・アプリに表示されているかを1つずつ確認するのは手間がかかる

  • ブランドセーフティのリスクがある:意図しないコンテンツの隣に広告が表示される可能性があり、除外設定などの運用が必要になる

  • 成果が配信面ごとにばらつきやすい:業種やターゲットによって成果が出やすい媒体と出にくい媒体の差が大きく、除外・絞り込みの運用が欠かせない

  • 複数ネットワークを併用すると管理が煩雑になる:ネットワークごとに管理画面・レポート形式が異なり、横断で成果を比較する際の集計に手間がかかる

アドネットワークの選び方|目的別に考える

アドネットワークは種類が多く、どれか1つが常に正解ということはありません。まず自社の目的を明確にしたうえで、その目的に強みのあるネットワークから検討するのが実務的な進め方です。

認知拡大・幅広いリーチを狙う場合

GDNやLINEヤフー広告のディスプレイ広告、Microsoft Audience Networkのように、大手プラットフォームが運営する配信面の広いネットワークが候補になります。Googleでは、YouTube・Discover・Gmailなど複数の面を横断して配信するデマンドジェネレーション(Demand Gen)という形式も用意されており、ディスプレイ広告と合わせて選択肢に入れる価値があります。詳しくはデマンドジェネレーション(Demand Gen)とはの記事で解説しています。

アプリのインストール・グロースを狙う場合

Meta Audience NetworkやPangle、Zucks Ad Network、i-mobileのように、スマートフォンアプリへの配信を主戦場とするアドネットワークが向いています。動画リワード広告やインタースティシャル広告など、アプリ内の体験に組み込みやすいフォーマットが充実している点が特徴です。

EC・通販の売上獲得を狙う場合

Amazon Adsのように、購買データに基づくターゲティングができるアドネットワークは、すでに購買意欲の高いユーザーに近づきやすいという特性があります。自社ECサイトへの再訪問を促したい場合は、GDNなどが備えるリマーケティング機能もあわせて検討する価値があります。

国内・中小規模から始めたい場合

UNICORNやi-mobile、Zucks Ad Networkといった国内系のアドネットワークは、国内媒体を中心に配信されるため、日本語コンテンツとの親和性が高い媒体に絞って出稿したい場合の選択肢になります。予算規模や審査条件は媒体によって異なるため、出稿前に各社の公式サイトで確認してください。

アドネットワークの効果測定のポイント

アドネットワークの効果測定で最初に押さえるべきは、表示回数やクリック数といった配信量の指標ではなく、広告費用に対してどれだけの成果(コンバージョンや売上)が得られたかという費用対効果の指標です。特にアドネットワークは配信面が広いため、全体の数字だけを見ていると、成果につながっていない配信面に予算が流れていることに気づきにくくなります。管理画面のレポートから配信先(プレースメント)ごとの成果を定期的に確認し、成果の薄い配信面を除外していく運用が欠かせません。

また、複数のアドネットワークを併用すると、管理画面やレポートの形式がネットワークごとに異なるため、横断での比較・集計に手間がかかりやすくなります。広告運用AIエージェントのCascadeも、こうした複数の広告媒体にまたがるデータの一元管理やレポート作成の自動化に対応しており、管理が分散しがちな場面での選択肢の1つになります。指標の見方や計測の仕組みそのものについては、広告効果測定とはの記事で詳しく解説しています。

アドネットワークに関するよくある質問

Q1. アドネットワークとアフィリエイト広告はどう違いますか?

アドネットワークは、表示回数やクリック数に応じて広告主が費用を支払う「配信」の仕組みです。一方、アフィリエイト広告は、商品購入や資料請求など成果が発生した場合にのみ報酬を支払う「成果報酬」の仕組みで、媒体(アフィリエイター)が自らの意思で商品を紹介する点も異なります。

Q2. アドネットワークの掲載審査にはどのくらい時間がかかりますか?

審査にかかる時間はネットワークや広告内容によって異なり、本記事で共通の目安は示せません。出稿を急ぐ場合は、事前に公式サイトで審査基準・所要期間を確認しておくことをおすすめします。

Q3. アドネットワークの出稿には最低金額がありますか?

最低出稿金額の有無や金額はネットワークによって異なります。本記事で扱った各サービスについても、金額は変更される可能性があるため、出稿を検討する際は必ず各公式サイトで最新の条件を確認してください。

Q4. 複数のアドネットワークを併用したほうがよいですか?

配信面の重複が少ないネットワークを組み合わせれば、リーチを広げやすくなります。一方で、ネットワークが増えるほど管理画面の確認やレポートの集計に手間がかかるため、まずは目的に合った1〜2つのネットワークから始め、運用体制に応じて広げていく進め方が現実的です。

Q5. GDNとMeta Audience Networkはどちらを選ぶべきですか?

すでにGoogle検索広告を運用している場合はGDNを、Meta広告(Facebook・Instagram)を運用している場合はMeta Audience Networkを、それぞれ同じ管理画面・同じコンバージョン計測の延長として追加しやすいという実務上のメリットがあります。ターゲットとするユーザー層や商材によって相性は異なるため、既存の運用媒体との親和性を軸に判断するとよいでしょう。

Q6. アドネットワークとリターゲティング広告は同じものですか?

異なります。リターゲティング(リマーケティング)広告は、自社サイトを訪れたユーザーに再度広告を届ける「配信対象の絞り込み方」を指す言葉です。アドネットワークは、その広告をどの媒体に届けるかという「配信網」を指す言葉なので、両者は対象になる階層が異なります。実務では、GDNなどのアドネットワークが提供するターゲティング手法の1つとして、リターゲティングを使うという関係になります。

まとめ|まず目的を決め、公式サイトで最新情報を確認する

  • アドネットワークとは、複数媒体の広告枠を束ね、広告主が一括で配信できるようにする仕組み・事業者のこと

  • DSP・SSP・アドエクスチェンジは、広告枠を1つずつリアルタイムのオークションで売買する、より粒度の細かい取引の仕組み

  • 主要なアドネットワークにはGDN・LINEヤフー広告・Meta Audience Network・Pangle(TikTok)・Amazon Ads・Microsoft Audience Networkのほか、UNICORN・i-mobile・Zucks Ad Networkなど国内系のサービスがある

  • 選び方は「認知拡大」「アプリグロース」「EC・通販」「国内・中小規模」など、自社の目的を起点に考える

  • アドネットワークは事業統合・サービス終了が起こりやすい分野でもあるため、出稿前には必ず公式サイトで最新の提供状況を確認する

複数のアドネットワークを比較検討する際は、まず自社が「誰に」「何を目的に」広告を届けたいのかを言語化することが出発点になります。

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