ASC(Advantage+ セールスキャンペーン)とは?仕組みと設定方法を解説【2026年版】

ASC(Advantage+ セールスキャンペーン)とは?仕組みと設定方法を解説【2026年版】

ASC(Advantage+ セールスキャンペーン)とは?仕組みと設定方法を解説【2026年版】

ASC(エーエスシー)とは、Meta広告(Facebook・Instagram)でオーディエンス・予算配分・配置といった設定をAIが自動で最適化し、購入や問い合わせなどのコンバージョン獲得を目指すキャンペーンメニューの略称です。2022年に「Advantage+ ショッピングキャンペーン」として提供が始まりましたが、Meta公式は2025年2月に名称を「Advantage+ セールスキャンペーン」へ変更し、EC・小売に限らずリード獲得やアプリインストールにも対象を広げました。本記事では、現在の正式な名称と体系を一次情報にもとづいて整理したうえで、通常のキャンペーンとの違いや主要な設定、設定手順までを解説します。

「ASC」という略称は、名称変更後の現在ではそのままでは通じない場面があります。以下、改称の経緯を時系列で整理したうえで、通常キャンペーンとの違い、主要な設定、向いている事業者、設定手順、運用のポイントを順番に解説します。

ASCとは|現在の正式名称と、これまでの変更の経緯

ASCという略称は、Meta広告の運用者の間で使われてきた呼び方で、もともとは「Advantage+ Shopping Campaigns(Advantage+ ショッピングキャンペーン)」の頭文字に由来します。Metaの機械学習モデルを使い、広告主が個別に設定するターゲティング・予算配分・配置面を自動で最適化し、コンバージョン獲得を目指す自動化キャンペーンとして、2022年8月にEC・小売向けに提供が始まりました。Meta広告全体の仕組みはMeta広告の完全ガイドで解説しているとおり、キャンペーン・広告セット・広告という3階層構造の中に位置づけられます。

ただし「ASC=Advantage+ ショッピングキャンペーン」という理解は、2026年現在では正確ではなくなっています。Meta公式のビジネスニュースブログは2025年2月6日付で、「この製品からメリットを得られるすべての広告主をよりわかりやすく示すため、『Advantage+ ショッピングキャンペーン』の名称を『Advantage+ セールスキャンペーン』に変更します」と発表しました。現在の正式名称は「Advantage+ セールスキャンペーン(Advantage+ Sales Campaigns)」であり、対象もEC・小売だけでなくリード獲得やアプリインストールにも広がっています。

さらにMeta for Developers(開発者向け公式ドキュメント)によれば、2026年2月18日リリースのMarketing API v25.0以降、旧仕様(smart_promotion_type=AUTOMATED_SHOPPING_ADSを使う旧Advantage+ ショッピングキャンペーン、およびAdvantage+ アプリキャンペーン)は新規作成・複製・更新ができなくなりました。現在Ads Managerで新しくキャンペーンを作成する場合は「Advantage+ セールスキャンペーン」の仕様のみが使われ、移行が済んでいない既存の旧キャンペーンも今後のバージョンで一時停止されると案内されています。まだ旧仕様で配信中のアカウントは早めに移行状況を確認しておくとよいでしょう。

時期

できごと

2022年8月

「Advantage+ ショッピングキャンペーン」としてEC・小売向けに提供開始

2025年2月6日

Meta公式ブログが「Advantage+ セールスキャンペーン」への改称を発表。対象をリード獲得・アプリインストールにも拡大

2026年2月18日(API v25.0)

旧「Advantage+ ショッピングキャンペーン」「Advantage+ アプリキャンペーン」の新規作成・複製・更新が不可に

今後のバージョン

移行未了の旧キャンペーンが一時停止される予定(Meta for Developers案内)

Meta for Developersの説明では、Advantage+ セールスキャンペーンは「Advantage+ オーディエンス」「Advantage+ 予算」「Advantage+ 配置」という3つの自動化要素で構成されています。オーディエンスはターゲティングの拡張、予算はキャンペーン単位での予算配分の自動最適化、配置は配信面を絞り込まず利用可能な配置すべてに配信する仕組みです。あわせてSales(セールス)目的以外にも、App目的向けの「Advantage+ アプリキャンペーン」、Leads目的向けの「Advantage+ リードキャンペーン」という同系統の自動化キャンペーンが用意されており、目的ごとに対応する体系になっています。

通常の手動セールスキャンペーンとの違い

現在Ads Managerで新規にキャンペーンを作成する際は、目的として「セールス」を選んだあと、自動化された「Advantage+ セールスキャンペーン」と、広告主自身がターゲティング・配置・予算を個別に設定する「手動セールスキャンペーン」のどちらかを選びます。この「手動セールスキャンペーン」が、いわゆる従来型のコンバージョン獲得キャンペーンにあたります。両者の違いのうち、Meta公式ドキュメントで確認できる範囲は次のとおりです。

項目

Advantage+ セールスキャンペーン

手動セールスキャンペーン

ターゲティング

「Advantage+ オーディエンス」により対象を自動で拡張。オーディエンス候補の提案や除外オーディエンスの指定は可能

詳細ターゲティング(属性・興味関心・行動など)を広告主が個別に指定

配置

「Advantage+ 配置」により、配置の絞り込み・除外を行わず利用可能な配置すべてに自動配信

Facebook・Instagram・Audience Networkなど、配信する配置を広告主が選択・除外できる

予算配分

「Advantage+ 予算」によりキャンペーン単位で広告セット間の予算配分をAIが自動調整

広告セットごとに広告主が予算を個別設定(キャンペーン予算の最適化を併用することも可能)

広告セット構成

複数の広告セットを作成できる仕様(旧Advantage+ ショッピングキャンペーンは1キャンペーンにつき広告セット1つのみという制限があった)

広告セットの数・構成を広告主が自由に設計

いずれの形式でも、コンバージョンの計測にはMetaピクセルやコンバージョンAPIの設定が前提になります。計測の仕組みはMetaピクセルの解説記事で解説しています。

既存顧客への予算配分など、Advantage+ セールスキャンペーンの主要な設定

Advantage+ セールスキャンペーンには、新規顧客の獲得と既存顧客への再アプローチのバランスを取るための設定が用意されています。旧仕様のAdvantage+ ショッピングキャンペーンでは、Meta for Developersの公式ドキュメントに「existing_customer_budget_percentage」という項目が明記されており、既存顧客に使える予算の上限割合を0〜100%の範囲で指定できました。新規顧客の獲得を重視したい広告主は、この上限を低く設定することで配信の偏りをコントロールしていたことになります。

Advantage+ セールスキャンペーンへの刷新にともない、この設定方法は変わっています。Meta for Developersの公式ドキュメントでは、既存顧客向けの予算上限を扱う場合、単一の割合フィールドではなく「顧客ステータスごとに広告セットを分ける」方法が案内されています。具体的には、購入者リストなどのカスタムオーディエンスを除外オーディエンスとして新規獲得用の広告セットから除外したり、既存顧客向け・新規開拓向けで広告セットを分けたうえでAdvantage+ 予算に配分を任せたりする構成です。こうした対応は、複数の広告セットを扱えるようになったことで可能になっています。

あわせてAdvantage+ オーディエンスには、狙いたい層のヒントを与える「オーディエンス候補の提案」や、特定のオーディエンスを除外する「除外オーディエンス」の指定機能も用意されており、既存顧客への偏りを一定程度コントロールできます。ただし設定画面の表示や項目名は媒体側のアップデートで変わる可能性があるため、検討時は必ず最新の画面とMeta公式ヘルプセンターの説明をあわせて確認してください。

ASC(Advantage+ セールスキャンペーン)が向いている事業者・向かないケース

向いている事業者

Advantage+ セールスキャンペーンは、もともとEC・小売事業者向けに設計された経緯があり、Commerce Managerで商品カタログを整備し、EC事業者向けの広告運用のように個別のターゲティング設計よりAIの自動最適化にリソースを寄せたい事業者に向いています。2025年の改称以降はリード獲得やアプリインストールにも対象が広がっているため、Metaピクセルやコンバージョンデータの計測基盤が整っており、コンバージョンが継続的に発生している事業者であれば業種を問わず候補になります。

向かないケース・注意が必要なケース

一方で、配置面を業界の慣行や社内基準にあわせて個別に除外したい事業者には向きません。前述のとおり「Advantage+ 配置」は配置の絞り込みや除外を前提としない仕組みのため、特定の配置面を一律で外したいブランドセーフティ上の要件がある場合は、手動セールスキャンペーンでの配信を検討する必要があります。

また、Metaの配信システムは広告セットごとに一定量の最適化イベント(コンバージョンなど)が蓄積されることで配信が安定するとされ、Meta公式ヘルプセンターの学習フェーズの説明では目安として1週間あたり約50件の最適化イベントが挙げられています。この目安を大きく下回るアカウントでは自動最適化が十分に機能するまで時間がかかる可能性があり、購入ではなくカート追加や会員登録など一段階手前のイベントを最適化対象にする選択肢もあわせて検討されます。計測基盤がまだ整っていない事業者は、まずその整備が優先です。

設定手順の概観

作成手順はAds Managerのアップデートで細部が変わることがありますが、大まかな流れは次のとおりです。

1. キャンペーンの目的を選択する

Ads Managerで新規キャンペーンを作成し、目的として「セールス」を選択します。ここで自動化された「Advantage+ セールスキャンペーン」か、個別設定の「手動セールスキャンペーン」かを選ぶ画面が表示されます。

2. 計測・カタログ・オーディエンスを設定する

計測方法として、Metaピクセルやコンバージョンデータの送信経路(コンバージョンAPI)を接続します。ECの商品を扱う場合はCommerce Managerで作成した商品カタログと商品セットもあわせて接続します。Advantage+ オーディエンスは基本的に自動でターゲティングを拡張しますが、狙いたい層のヒントとなる候補指定や、既存顧客リストを対象から外す除外オーディエンスの指定を任意で行えます。

3. クリエイティブを入稿する

画像・動画・テキストなど複数のクリエイティブ素材を入稿します。カタログを使う場合は、商品情報を自動的に反映する設定と、素材を個別にアップロードする設定を選べます。

4. 予算を設定して配信を開始する

キャンペーン単位の予算を設定して配信を開始します。配信開始後はAds Manager上のレポートで新規・既存顧客などセグメント別の内訳を確認しながら、必要に応じて除外オーディエンスの設定を調整します。

運用のポイント

Advantage+ セールスキャンペーンの運用では、いくつか意識しておきたい点があります。ひとつは前述の学習フェーズの考え方です。Meta公式ヘルプセンターでは、広告セットに大きな変更(予算の大幅な変更やターゲティングの変更など)を加えると学習フェーズがリセットされる場合があると説明されています。配信が安定した広告セットに頻繁に大きな変更を加えると、そのたびに最適化がやり直しになる可能性があるため注意が必要です。

もうひとつは、入稿するクリエイティブの数と質です。Advantage+ セールスキャンペーンはクリエイティブの組み合わせや表示パターンをAIが自動でテストする仕組みを持っているため、訴求軸の異なる複数のクリエイティブを用意しておくと選択肢を持ちやすくなります。あわせて除外オーディエンスの精度を保つため、購入者リストなどのカスタムオーディエンスを最新の状態に保っておくことも重要です。なお、Advantage+ による自動化は設定を効率化するものであり、導入自体が成果を保証するものではなく、効果は商材・データ量・クリエイティブの質によって異なります。

Meta広告の運用では、こうしたAdvantage+ 側の自動化に加えて、Google広告など他媒体もあわせた予算配分やクリエイティブの管理に工数がかかりがちです。広告運用AIエージェントのCascadeは、複数媒体のデータを横断して確認し、予算配分の調整案を提示する機能を備えており、他媒体とあわせて運用状況を把握したい場合の選択肢の一つになります。社内で運用リソースを確保しづらい場合は、Meta広告の運用代行に関する記事で整理している外部体制の活用も選択肢です。

よくある質問

ASCとAdvantage+ セールスキャンペーンは同じものですか?

はい、同じ系統のキャンペーンです。ASCはもともと「Advantage+ ショッピングキャンペーン」の略称でしたが、Meta公式が2025年2月にこの名称を「Advantage+ セールスキャンペーン」に変更しました。「ASC」という呼び方自体は運用者の間で引き続き使われますが、Ads Manager上の正式名称は「Advantage+ セールスキャンペーン」です。

今からAdvantage+ ショッピングキャンペーンを新規に作成できますか?

いいえ、作成できません。Meta for Developersの公式ドキュメントによれば、2026年2月18日リリースのMarketing API v25.0以降、旧仕様の新規作成・複製・更新はできなくなっています。現在Ads Managerで新規にキャンペーンを作成する場合は、後継にあたる「Advantage+ セールスキャンペーン」が使われます。

コンバージョン数が少ない場合でもAdvantage+ セールスキャンペーンは使えますか?

コンバージョン数の明確な最低ラインが公式に定められているわけではありません。ただしMeta公式ヘルプセンターの学習フェーズの説明では、広告セットの配信が安定する目安として1週間あたり約50件の最適化イベントが挙げられています。この目安を大きく下回る場合は、最適化対象をカート追加や会員登録など一段階手前のイベントに設定する工夫もあわせて検討するとよいでしょう。

配置(Facebook・Instagram・Audience Networkなど)を個別に選ぶことはできますか?

「Advantage+ 配置」は配置の絞り込みや除外を行わず、利用可能な配置すべてに自動配信する仕組みです。特定の配置を個別に選択・除外したい場合は、Advantage+ を使わない「手動セールスキャンペーン」を選ぶ必要があります。

Meta広告の運用を効率化するツールはありますか?

広告運用AIエージェントのCascadeは、Meta広告を含む複数媒体のデータを横断して確認し、予算配分の調整案を提示する機能を備えています。Advantage+による自動化と組み合わせて、媒体をまたいだ運用状況の把握に活用できる選択肢の一つです。

まとめ

ASCは、もともと「Advantage+ ショッピングキャンペーン」の略称でしたが、Meta公式は2025年2月にこの名称を「Advantage+ セールスキャンペーン」に変更し、2026年2月のMarketing API v25.0以降は旧仕様での新規作成もできなくなっています。現在Ads Managerで利用できるのは、ターゲティング・予算配分・配置をAIが自動化する「Advantage+ セールスキャンペーン」と、広告主が個別に設定する「手動セールスキャンペーン」の2つの選択肢です。既存顧客への予算配分も、旧仕様の単一の割合指定から広告セットを分けて対応する方式に変わりました。導入を検討する際は、現在の名称・仕様を前提にしたうえで、自社の商材やデータ量に合っているかを、Meta公式ヘルプセンターや開発者ドキュメントの最新情報とあわせて確認することをおすすめします。

ASC(エーエスシー)とは、Meta広告(Facebook・Instagram)でオーディエンス・予算配分・配置といった設定をAIが自動で最適化し、購入や問い合わせなどのコンバージョン獲得を目指すキャンペーンメニューの略称です。2022年に「Advantage+ ショッピングキャンペーン」として提供が始まりましたが、Meta公式は2025年2月に名称を「Advantage+ セールスキャンペーン」へ変更し、EC・小売に限らずリード獲得やアプリインストールにも対象を広げました。本記事では、現在の正式な名称と体系を一次情報にもとづいて整理したうえで、通常のキャンペーンとの違いや主要な設定、設定手順までを解説します。

「ASC」という略称は、名称変更後の現在ではそのままでは通じない場面があります。以下、改称の経緯を時系列で整理したうえで、通常キャンペーンとの違い、主要な設定、向いている事業者、設定手順、運用のポイントを順番に解説します。

ASCとは|現在の正式名称と、これまでの変更の経緯

ASCという略称は、Meta広告の運用者の間で使われてきた呼び方で、もともとは「Advantage+ Shopping Campaigns(Advantage+ ショッピングキャンペーン)」の頭文字に由来します。Metaの機械学習モデルを使い、広告主が個別に設定するターゲティング・予算配分・配置面を自動で最適化し、コンバージョン獲得を目指す自動化キャンペーンとして、2022年8月にEC・小売向けに提供が始まりました。Meta広告全体の仕組みはMeta広告の完全ガイドで解説しているとおり、キャンペーン・広告セット・広告という3階層構造の中に位置づけられます。

ただし「ASC=Advantage+ ショッピングキャンペーン」という理解は、2026年現在では正確ではなくなっています。Meta公式のビジネスニュースブログは2025年2月6日付で、「この製品からメリットを得られるすべての広告主をよりわかりやすく示すため、『Advantage+ ショッピングキャンペーン』の名称を『Advantage+ セールスキャンペーン』に変更します」と発表しました。現在の正式名称は「Advantage+ セールスキャンペーン(Advantage+ Sales Campaigns)」であり、対象もEC・小売だけでなくリード獲得やアプリインストールにも広がっています。

さらにMeta for Developers(開発者向け公式ドキュメント)によれば、2026年2月18日リリースのMarketing API v25.0以降、旧仕様(smart_promotion_type=AUTOMATED_SHOPPING_ADSを使う旧Advantage+ ショッピングキャンペーン、およびAdvantage+ アプリキャンペーン)は新規作成・複製・更新ができなくなりました。現在Ads Managerで新しくキャンペーンを作成する場合は「Advantage+ セールスキャンペーン」の仕様のみが使われ、移行が済んでいない既存の旧キャンペーンも今後のバージョンで一時停止されると案内されています。まだ旧仕様で配信中のアカウントは早めに移行状況を確認しておくとよいでしょう。

時期

できごと

2022年8月

「Advantage+ ショッピングキャンペーン」としてEC・小売向けに提供開始

2025年2月6日

Meta公式ブログが「Advantage+ セールスキャンペーン」への改称を発表。対象をリード獲得・アプリインストールにも拡大

2026年2月18日(API v25.0)

旧「Advantage+ ショッピングキャンペーン」「Advantage+ アプリキャンペーン」の新規作成・複製・更新が不可に

今後のバージョン

移行未了の旧キャンペーンが一時停止される予定(Meta for Developers案内)

Meta for Developersの説明では、Advantage+ セールスキャンペーンは「Advantage+ オーディエンス」「Advantage+ 予算」「Advantage+ 配置」という3つの自動化要素で構成されています。オーディエンスはターゲティングの拡張、予算はキャンペーン単位での予算配分の自動最適化、配置は配信面を絞り込まず利用可能な配置すべてに配信する仕組みです。あわせてSales(セールス)目的以外にも、App目的向けの「Advantage+ アプリキャンペーン」、Leads目的向けの「Advantage+ リードキャンペーン」という同系統の自動化キャンペーンが用意されており、目的ごとに対応する体系になっています。

通常の手動セールスキャンペーンとの違い

現在Ads Managerで新規にキャンペーンを作成する際は、目的として「セールス」を選んだあと、自動化された「Advantage+ セールスキャンペーン」と、広告主自身がターゲティング・配置・予算を個別に設定する「手動セールスキャンペーン」のどちらかを選びます。この「手動セールスキャンペーン」が、いわゆる従来型のコンバージョン獲得キャンペーンにあたります。両者の違いのうち、Meta公式ドキュメントで確認できる範囲は次のとおりです。

項目

Advantage+ セールスキャンペーン

手動セールスキャンペーン

ターゲティング

「Advantage+ オーディエンス」により対象を自動で拡張。オーディエンス候補の提案や除外オーディエンスの指定は可能

詳細ターゲティング(属性・興味関心・行動など)を広告主が個別に指定

配置

「Advantage+ 配置」により、配置の絞り込み・除外を行わず利用可能な配置すべてに自動配信

Facebook・Instagram・Audience Networkなど、配信する配置を広告主が選択・除外できる

予算配分

「Advantage+ 予算」によりキャンペーン単位で広告セット間の予算配分をAIが自動調整

広告セットごとに広告主が予算を個別設定(キャンペーン予算の最適化を併用することも可能)

広告セット構成

複数の広告セットを作成できる仕様(旧Advantage+ ショッピングキャンペーンは1キャンペーンにつき広告セット1つのみという制限があった)

広告セットの数・構成を広告主が自由に設計

いずれの形式でも、コンバージョンの計測にはMetaピクセルやコンバージョンAPIの設定が前提になります。計測の仕組みはMetaピクセルの解説記事で解説しています。

既存顧客への予算配分など、Advantage+ セールスキャンペーンの主要な設定

Advantage+ セールスキャンペーンには、新規顧客の獲得と既存顧客への再アプローチのバランスを取るための設定が用意されています。旧仕様のAdvantage+ ショッピングキャンペーンでは、Meta for Developersの公式ドキュメントに「existing_customer_budget_percentage」という項目が明記されており、既存顧客に使える予算の上限割合を0〜100%の範囲で指定できました。新規顧客の獲得を重視したい広告主は、この上限を低く設定することで配信の偏りをコントロールしていたことになります。

Advantage+ セールスキャンペーンへの刷新にともない、この設定方法は変わっています。Meta for Developersの公式ドキュメントでは、既存顧客向けの予算上限を扱う場合、単一の割合フィールドではなく「顧客ステータスごとに広告セットを分ける」方法が案内されています。具体的には、購入者リストなどのカスタムオーディエンスを除外オーディエンスとして新規獲得用の広告セットから除外したり、既存顧客向け・新規開拓向けで広告セットを分けたうえでAdvantage+ 予算に配分を任せたりする構成です。こうした対応は、複数の広告セットを扱えるようになったことで可能になっています。

あわせてAdvantage+ オーディエンスには、狙いたい層のヒントを与える「オーディエンス候補の提案」や、特定のオーディエンスを除外する「除外オーディエンス」の指定機能も用意されており、既存顧客への偏りを一定程度コントロールできます。ただし設定画面の表示や項目名は媒体側のアップデートで変わる可能性があるため、検討時は必ず最新の画面とMeta公式ヘルプセンターの説明をあわせて確認してください。

ASC(Advantage+ セールスキャンペーン)が向いている事業者・向かないケース

向いている事業者

Advantage+ セールスキャンペーンは、もともとEC・小売事業者向けに設計された経緯があり、Commerce Managerで商品カタログを整備し、EC事業者向けの広告運用のように個別のターゲティング設計よりAIの自動最適化にリソースを寄せたい事業者に向いています。2025年の改称以降はリード獲得やアプリインストールにも対象が広がっているため、Metaピクセルやコンバージョンデータの計測基盤が整っており、コンバージョンが継続的に発生している事業者であれば業種を問わず候補になります。

向かないケース・注意が必要なケース

一方で、配置面を業界の慣行や社内基準にあわせて個別に除外したい事業者には向きません。前述のとおり「Advantage+ 配置」は配置の絞り込みや除外を前提としない仕組みのため、特定の配置面を一律で外したいブランドセーフティ上の要件がある場合は、手動セールスキャンペーンでの配信を検討する必要があります。

また、Metaの配信システムは広告セットごとに一定量の最適化イベント(コンバージョンなど)が蓄積されることで配信が安定するとされ、Meta公式ヘルプセンターの学習フェーズの説明では目安として1週間あたり約50件の最適化イベントが挙げられています。この目安を大きく下回るアカウントでは自動最適化が十分に機能するまで時間がかかる可能性があり、購入ではなくカート追加や会員登録など一段階手前のイベントを最適化対象にする選択肢もあわせて検討されます。計測基盤がまだ整っていない事業者は、まずその整備が優先です。

設定手順の概観

作成手順はAds Managerのアップデートで細部が変わることがありますが、大まかな流れは次のとおりです。

1. キャンペーンの目的を選択する

Ads Managerで新規キャンペーンを作成し、目的として「セールス」を選択します。ここで自動化された「Advantage+ セールスキャンペーン」か、個別設定の「手動セールスキャンペーン」かを選ぶ画面が表示されます。

2. 計測・カタログ・オーディエンスを設定する

計測方法として、Metaピクセルやコンバージョンデータの送信経路(コンバージョンAPI)を接続します。ECの商品を扱う場合はCommerce Managerで作成した商品カタログと商品セットもあわせて接続します。Advantage+ オーディエンスは基本的に自動でターゲティングを拡張しますが、狙いたい層のヒントとなる候補指定や、既存顧客リストを対象から外す除外オーディエンスの指定を任意で行えます。

3. クリエイティブを入稿する

画像・動画・テキストなど複数のクリエイティブ素材を入稿します。カタログを使う場合は、商品情報を自動的に反映する設定と、素材を個別にアップロードする設定を選べます。

4. 予算を設定して配信を開始する

キャンペーン単位の予算を設定して配信を開始します。配信開始後はAds Manager上のレポートで新規・既存顧客などセグメント別の内訳を確認しながら、必要に応じて除外オーディエンスの設定を調整します。

運用のポイント

Advantage+ セールスキャンペーンの運用では、いくつか意識しておきたい点があります。ひとつは前述の学習フェーズの考え方です。Meta公式ヘルプセンターでは、広告セットに大きな変更(予算の大幅な変更やターゲティングの変更など)を加えると学習フェーズがリセットされる場合があると説明されています。配信が安定した広告セットに頻繁に大きな変更を加えると、そのたびに最適化がやり直しになる可能性があるため注意が必要です。

もうひとつは、入稿するクリエイティブの数と質です。Advantage+ セールスキャンペーンはクリエイティブの組み合わせや表示パターンをAIが自動でテストする仕組みを持っているため、訴求軸の異なる複数のクリエイティブを用意しておくと選択肢を持ちやすくなります。あわせて除外オーディエンスの精度を保つため、購入者リストなどのカスタムオーディエンスを最新の状態に保っておくことも重要です。なお、Advantage+ による自動化は設定を効率化するものであり、導入自体が成果を保証するものではなく、効果は商材・データ量・クリエイティブの質によって異なります。

Meta広告の運用では、こうしたAdvantage+ 側の自動化に加えて、Google広告など他媒体もあわせた予算配分やクリエイティブの管理に工数がかかりがちです。広告運用AIエージェントのCascadeは、複数媒体のデータを横断して確認し、予算配分の調整案を提示する機能を備えており、他媒体とあわせて運用状況を把握したい場合の選択肢の一つになります。社内で運用リソースを確保しづらい場合は、Meta広告の運用代行に関する記事で整理している外部体制の活用も選択肢です。

よくある質問

ASCとAdvantage+ セールスキャンペーンは同じものですか?

はい、同じ系統のキャンペーンです。ASCはもともと「Advantage+ ショッピングキャンペーン」の略称でしたが、Meta公式が2025年2月にこの名称を「Advantage+ セールスキャンペーン」に変更しました。「ASC」という呼び方自体は運用者の間で引き続き使われますが、Ads Manager上の正式名称は「Advantage+ セールスキャンペーン」です。

今からAdvantage+ ショッピングキャンペーンを新規に作成できますか?

いいえ、作成できません。Meta for Developersの公式ドキュメントによれば、2026年2月18日リリースのMarketing API v25.0以降、旧仕様の新規作成・複製・更新はできなくなっています。現在Ads Managerで新規にキャンペーンを作成する場合は、後継にあたる「Advantage+ セールスキャンペーン」が使われます。

コンバージョン数が少ない場合でもAdvantage+ セールスキャンペーンは使えますか?

コンバージョン数の明確な最低ラインが公式に定められているわけではありません。ただしMeta公式ヘルプセンターの学習フェーズの説明では、広告セットの配信が安定する目安として1週間あたり約50件の最適化イベントが挙げられています。この目安を大きく下回る場合は、最適化対象をカート追加や会員登録など一段階手前のイベントに設定する工夫もあわせて検討するとよいでしょう。

配置(Facebook・Instagram・Audience Networkなど)を個別に選ぶことはできますか?

「Advantage+ 配置」は配置の絞り込みや除外を行わず、利用可能な配置すべてに自動配信する仕組みです。特定の配置を個別に選択・除外したい場合は、Advantage+ を使わない「手動セールスキャンペーン」を選ぶ必要があります。

Meta広告の運用を効率化するツールはありますか?

広告運用AIエージェントのCascadeは、Meta広告を含む複数媒体のデータを横断して確認し、予算配分の調整案を提示する機能を備えています。Advantage+による自動化と組み合わせて、媒体をまたいだ運用状況の把握に活用できる選択肢の一つです。

まとめ

ASCは、もともと「Advantage+ ショッピングキャンペーン」の略称でしたが、Meta公式は2025年2月にこの名称を「Advantage+ セールスキャンペーン」に変更し、2026年2月のMarketing API v25.0以降は旧仕様での新規作成もできなくなっています。現在Ads Managerで利用できるのは、ターゲティング・予算配分・配置をAIが自動化する「Advantage+ セールスキャンペーン」と、広告主が個別に設定する「手動セールスキャンペーン」の2つの選択肢です。既存顧客への予算配分も、旧仕様の単一の割合指定から広告セットを分けて対応する方式に変わりました。導入を検討する際は、現在の名称・仕様を前提にしたうえで、自社の商材やデータ量に合っているかを、Meta公式ヘルプセンターや開発者ドキュメントの最新情報とあわせて確認することをおすすめします。

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