AI Maxとは?できること・設定方法・従来機能との違いを解説【2026年版】
AI Maxとは?できること・設定方法・従来機能との違いを解説【2026年版】

AI Maxとは
AI Max(正式名称: 検索キャンペーン向け AI 最大化設定、英語表記: AI Max for Search campaigns)は、Google広告の検索キャンペーンに追加できるAI機能のセットです。Google広告ヘルプでは、検索語句のマッチング拡張、広告文(見出し・説明文)の自動生成、最終ページURLの拡張という3つの仕組みを組み合わせて、既存の検索キャンペーンのリーチと関連性を高める機能として説明されています。独立したキャンペーンタイプを作るのではなく、今運用している検索キャンペーンの設定画面からオン・オフを切り替える「追加機能」という位置づけである点が、まず押さえておきたいポイントです。
AI Maxは2025年5月に世界の広告主向けにベータ版としての展開が始まり、2025年9月までに全世界の広告主が利用できる状態になりました。Google広告のビジネス向け発表ページでは、2026年4月にベータ提供を終えて一般提供へ移行したと案内されています。2026年7月時点でGoogle広告ヘルプの説明ページにも「ベータ版」という表記はなく、通常の検索キャンペーン設定の一つとして案内されている状態です。
AI Maxでできること
Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」では、AI Maxの機能を大きく3つに整理して説明しています。
検索語句のマッチング拡張
登録しているキーワード、広告文、リンク先ページの内容をもとに、インテントマッチとキーワードレステクノロジーを組み合わせて配信対象の検索語句を広げる仕組みです。Google広告ヘルプは「現在のキーワード、クリエイティブ、URLから学習し、広告が表示される関連性の高い検索を最適化する」と説明しており、登録キーワードだけでは拾いきれなかった検索語句やコンバージョンを捉えることを狙いとしています。たとえば、指名系や主要な商品名のキーワードしか登録していないアカウントであっても、ランディングページやクリエイティブの内容から関連性が高いと判断された検索語句には、登録キーワードの枠を超えて配信が広がる可能性があります。広告グループ単位でこの機能を使う場合も、あらかじめキャンペーン単位で有効にしておく必要があります。
テキストのカスタマイズ(広告文の自動生成)
ドメイン、ランディングページ、既存の広告、広告グループ内のキーワードやアセットの内容をもとに、Google広告の生成AIが見出しと説明文を追加で作成する機能です。ユーザーが入力した検索語句との関連性が高くなるようカスタマイズされる点が特徴で、レスポンシブ検索広告(RSA)で登録した既存アセットを土台に、新たなバリエーションを補う形で動作します。
最終ページURLの拡張
検索語句や広告グループのテーマと関連性が高いURLに、遷移先を自動的に切り替える機能です。Google広告ヘルプでは「ウェブサイト上の関連性が最も高いURLにトラフィックを誘導する」と説明されています。特定のURLだけを対象にしたい場合は、URLの登録・除外設定で範囲を絞ることができます。
ブランド設定と各種コントロール機能
AI Maxには、広告を関連付けたいブランドを指定する「ブランドの登録」と、特定のブランドの隣に広告が表示されないようにする「ブランドの除外」が用意されています。Google広告の公式発表によると、2026年2月には、AIが生成する広告文で避けたい用語や表現を指定できる「テキストガイドライン」機能のベータ提供が、AI Max for SearchとP-MAXキャンペーンの全世界の広告主に拡大されました。2026年4月には、メッセージング・マッチング・オーディエンスに関する指示を自分の言葉で設定できる「AI Brief」と、必須の表示文言を広告文に必ず残す「テキスト免責事項」機能が発表されています。これらは英語圏から順次展開するとされており、日本語での提供時期は2026年7月時点で公式には明言されていません。ブランド設定やテキストガイドラインのように、生成される広告文やURL拡張の範囲を人間側で調整できるコントロール機能は、AI Maxの提供開始以降も継続的に追加されており、今後もアップデートが続く領域と考えられます。
従来機能との関係(インテントマッチ・DSA・RSA・P-MAX)
AI Maxは独立したキャンペーンタイプではなく、既存の検索キャンペーンに追加する設定という位置づけです。そのため、Google広告の複数あるキャンペーンタイプの中でも、これまでの検索広告関連の機能とどこが重なり、どこが違うのかを整理しておくと理解しやすくなります。
機能 | 主な役割 | AI Maxとの関係 |
|---|---|---|
登録キーワードと検索意図が近い語句にも配信を広げるマッチタイプ | AI Maxの「検索語句のマッチング拡張」が活用する仕組みの一つ。キャンペーン単位でインテントマッチのみを使う設定は、2026年9月からAI最大化設定へ順次自動アップグレードされる予定 | |
DSA(動的検索広告) | サイトのコンテンツをもとに見出しとリンク先を自動生成する広告タイプ | 当初は2026年9月からの自動アップグレードが予定されていたが、広告主からのフィードバックを受けて2027年2月開始に延期 |
RSA(レスポンシブ検索広告) | 複数の見出し・説明文を登録し、AIが組み合わせを最適化する広告フォーマット | AI Maxの「テキストのカスタマイズ」は、登録済みのRSAアセットを前提に、追加の見出し・説明文を生成する形で機能する |
複数のチャネルへ横断配信するP-MAXとは異なり、AI Maxはあくまで検索キャンペーンの枠内でキーワード・広告文・遷移先を拡張する機能です。P-MAXが検索・ディスプレイ・YouTube・Gmailなどをまたいで配信面ごと自動化するのに対し、AI Maxは検索キャンペーンという枠組みとキーワードによる構造を維持したまま、その中身を拡張する位置づけになります。YouTubeやDiscover、Gmailなどで新規の需要層に画像・動画で訴求するデマンドジェネレーションとも仕組みが異なるため、両者を混同しないよう注意が必要です。
設定方法
Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定をセットアップする」では、次のような手順が案内されています。なお、実際の画面表示や項目名はGoogle広告の仕様変更により今後変わる可能性があります。
新規キャンペーンで有効にする
新しい検索キャンペーンを作成する際、キャンペーンタイプで検索を選ぶと表示される設定画面でAI最大化設定を有効に切り替え、使用する機能(テキストのカスタマイズ、最終ページURLの拡張など)を選択します。
既存キャンペーンで有効にする
既存の検索キャンペーンでは、キャンペーンメニューの設定から対象のキャンペーンを選び、セクションメニューのAI最大化設定からオンに切り替えます。ブランドの登録・除外やURLの除外設定も同じ画面から行います。
テスト機能で効果を検証する
Google広告ヘルプ「AI 最大化設定のテストについて」では、キャンペーンを複製せずに同一キャンペーン内でトラフィックを分割し、AI最大化設定を有効にした場合と無効にした場合を比較できる「テスト」機能が案内されています。短期間で結果を確認でき、テスト終了時に良好な結果であれば自動的に設定を適用することも選べるとされています。
DSA・自動作成アセット(ACA)・キャンペーン単位のインテントマッチ設定を使っているキャンペーンについては、Googleの方針として段階的にAI最大化設定へ統合される予定です。自動作成アセットは、検索キャンペーンに限らず幅広い広告タイプでアカウント単位で有効になっている、見出しや説明文を自動生成する仕組みで、AI Maxの「テキストのカスタマイズ」そのものとは別の機能です。それでもGoogle広告の公式発表では、自動作成アセットとキャンペーンレベルのインテントマッチ設定を使っているキャンペーンは2026年9月から、DSA本体は延期の末2027年2月から、それぞれAI最大化設定へ自動アップグレードが始まると案内されています。該当するキャンペーンを運用している場合は、この時期までに手動での移行や設定内容の確認を検討しておくと安心です。
導入判断の考え方
AI Maxは既存の検索キャンペーンの設定を拡張する機能であるため、向き・不向きを見極めてから導入を判断することが現実的です。
向いていると考えられるケースには、次のようなものがあります。
登録キーワードだけでは拾いきれていない検索語句が一定量あると見込まれ、機会損失を減らしたい
ランディングページの情報が整理されており、RSAのアセットも複数パターン登録済みで、AIが参照できる材料が十分にある
DSAや自動作成アセット、キャンペーンレベルのインテントマッチ設定をすでに使っており、いずれ移行が必要になることが分かっている
コンバージョン計測が安定しており、テスト機能を使って有効化前後の成果を比較できる体制がある
一方で、次のような場合は慎重な検討が必要です。
規制業種などで広告文・遷移先に厳密な表示義務があり、生成される広告文やURLを細部までコントロールしたい
ブランド名や表記について、特定の見え方を厳格に管理する必要があり、生成結果のばらつきを許容しにくい
コンバージョン計測やアトリビューションの土台が整っておらず、そもそも効果検証が難しい
サイト全体のランディングページの情報が薄く、AIが参照できる材料が乏しい
いずれの場合も、Google広告ヘルプが案内する「テスト」機能を使って自社のアカウントで小さく検証してから本格導入を判断する進め方が現実的です。導入によって必ず成果が改善するとは限らないため、自社のデータで確認する姿勢が欠かせません。
効果測定の注意点
Google広告ヘルプは、検索キャンペーンでAI最大化設定を有効にした広告主について「現在と同程度のアクション単価・広告費用対効果で、コンバージョン数・コンバージョン値が通常平均14%上昇している」という実績を示しています(出典: Google内部データ、2025年、非小売の広告主向け)。ただしこれはGoogleが公表する平均値であり、業種やアカウントの状態によって結果は変動します。自社アカウントでの効果を確認せずに、この数値をそのまま見込むことは避けるべきです。
効果を測定する際は、テキストのカスタマイズや検索語句のマッチング拡張によって、登録キーワード単位のレポートだけでは実際に配信された検索語句が見えにくくなる点にも注意が必要です。Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定のレポートについて」によると、検索語句レポートではマッチタイプが「AI最大化設定」と表示された検索語句ごとに、実際に使われた広告見出しとランディングページの組み合わせを確認できます。キーワードレポートの集計行には「AI最大化設定の拡張一致」「AI最大化設定のランディングページの一致」という行が追加され、アセットレポートの「拡張された最終ページURL のアセット」タブでは、提供者が「Google AI」と表示される生成アセットを個別に確認できます(アセットの削除はGoogle広告の画面上では一括操作に対応しておらず、Google広告エディタやGoogle Ads APIの利用が案内されています)。ランディングページレポートでも、最終ページURLの拡張によって選ばれたURLかどうかが表示されます。同ヘルプでは、これらのレポートに十分なデータが蓄積されるまで少なくとも2週間程度は様子を見る必要があるとも案内されています。
レポートを確認する運用としては、検索語句レポートや自動生成された広告文の一覧を定期的にチェックし、ブランドガイドラインに沿わない表現や、意図しないURLへの遷移が発生していないかを見ていく体制が求められます。特に有効化した直後は、生成されるアセットや遷移先URLの傾向が安定するまで、通常よりも頻度を上げて確認しておくと安心です。
よくある質問
AI Maxは無料で使えますか。追加費用はかかりますか。
AI Maxは既存の検索キャンペーンに追加する設定であり、機能を有効にすること自体に別料金は発生しません。課金は従来どおり、検索キャンペーンのクリック課金やコンバージョン単価などの入札方式にもとづきます。生成された広告文やインテントマッチによる配信拡大によってクリック数やコンバージョン数が変化すれば、その分の広告費は当然変動するため、有効化後は費用の推移も合わせて確認しておくとよいでしょう。
今使っているキーワードやインテントマッチ(部分一致)設定はどうなりますか。
登録済みのキーワードは、AI Maxの検索語句のマッチング拡張が学習する情報の一つとして引き続き使われます。ただし、キャンペーン単位でインテントマッチのみを使う設定をしている場合、そのキャンペーンは2026年9月からAI最大化設定へ自動的にアップグレードされる予定であるとGoogle広告ヘルプで案内されています。
DSA(動的検索広告)を使っています。いつまでに対応すればいいですか。
Google広告の公式発表によると、DSAを含むキャンペーンの自動アップグレードは当初2026年9月に予定されていましたが、広告主からのフィードバックを受けて2027年2月開始に延期されました。自動作成アセットとキャンペーンレベルのインテントマッチ設定については、予定どおり2026年9月から自動アップグレードが始まるとされています。該当するキャンペーンを運用している場合は、この時期までに移行方針を検討しておくことをおすすめします。
導入すれば必ず成果が上がりますか。
Googleが公表している平均値は多数のアカウントを集計した実績であり、個別のアカウントでの成果を保証するものではありません。業種、既存のキーワードの網羅度、ランディングページの状態によって結果は異なりますし、生成される広告文や拡張される検索語句の質はアカウントごとに差が出得ます。効果を過大に見込んで一律に導入するのではなく、テスト機能などを使って自社アカウントで実際の数値を確認したうえで、本格導入するかどうかを判断することが妥当です。
複数のキャンペーンでAI Maxを運用する場合、何に気をつければよいですか。
キャンペーンごとにテキストのカスタマイズや検索語句のマッチング拡張の挙動が異なることがあるため、生成された広告文や実際に配信された検索語句をキャンペーン横断で定期的に確認する体制が必要です。確認作業や設定変更の手間が負担になる場合は、Cascadeのように複数媒体の広告運用を一元管理・自動最適化するツールを併用する選択肢もあります。
本記事は2026年7月時点でGoogle広告ヘルプおよびGoogle公式発表ページで確認できた情報にもとづいて作成しています。AI Maxはベータ提供を終えたあとも機能追加とアップデートが続いている新機能であり、名称・仕様・提供範囲・自動アップグレードの時期は今後変更される可能性があります。実際に導入や移行を検討する際は、本記事の内容だけで判断せず、最新のGoogle広告ヘルプの記載やアカウント内の案内もあわせてご確認ください。
AI Maxとは
AI Max(正式名称: 検索キャンペーン向け AI 最大化設定、英語表記: AI Max for Search campaigns)は、Google広告の検索キャンペーンに追加できるAI機能のセットです。Google広告ヘルプでは、検索語句のマッチング拡張、広告文(見出し・説明文)の自動生成、最終ページURLの拡張という3つの仕組みを組み合わせて、既存の検索キャンペーンのリーチと関連性を高める機能として説明されています。独立したキャンペーンタイプを作るのではなく、今運用している検索キャンペーンの設定画面からオン・オフを切り替える「追加機能」という位置づけである点が、まず押さえておきたいポイントです。
AI Maxは2025年5月に世界の広告主向けにベータ版としての展開が始まり、2025年9月までに全世界の広告主が利用できる状態になりました。Google広告のビジネス向け発表ページでは、2026年4月にベータ提供を終えて一般提供へ移行したと案内されています。2026年7月時点でGoogle広告ヘルプの説明ページにも「ベータ版」という表記はなく、通常の検索キャンペーン設定の一つとして案内されている状態です。
AI Maxでできること
Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」では、AI Maxの機能を大きく3つに整理して説明しています。
検索語句のマッチング拡張
登録しているキーワード、広告文、リンク先ページの内容をもとに、インテントマッチとキーワードレステクノロジーを組み合わせて配信対象の検索語句を広げる仕組みです。Google広告ヘルプは「現在のキーワード、クリエイティブ、URLから学習し、広告が表示される関連性の高い検索を最適化する」と説明しており、登録キーワードだけでは拾いきれなかった検索語句やコンバージョンを捉えることを狙いとしています。たとえば、指名系や主要な商品名のキーワードしか登録していないアカウントであっても、ランディングページやクリエイティブの内容から関連性が高いと判断された検索語句には、登録キーワードの枠を超えて配信が広がる可能性があります。広告グループ単位でこの機能を使う場合も、あらかじめキャンペーン単位で有効にしておく必要があります。
テキストのカスタマイズ(広告文の自動生成)
ドメイン、ランディングページ、既存の広告、広告グループ内のキーワードやアセットの内容をもとに、Google広告の生成AIが見出しと説明文を追加で作成する機能です。ユーザーが入力した検索語句との関連性が高くなるようカスタマイズされる点が特徴で、レスポンシブ検索広告(RSA)で登録した既存アセットを土台に、新たなバリエーションを補う形で動作します。
最終ページURLの拡張
検索語句や広告グループのテーマと関連性が高いURLに、遷移先を自動的に切り替える機能です。Google広告ヘルプでは「ウェブサイト上の関連性が最も高いURLにトラフィックを誘導する」と説明されています。特定のURLだけを対象にしたい場合は、URLの登録・除外設定で範囲を絞ることができます。
ブランド設定と各種コントロール機能
AI Maxには、広告を関連付けたいブランドを指定する「ブランドの登録」と、特定のブランドの隣に広告が表示されないようにする「ブランドの除外」が用意されています。Google広告の公式発表によると、2026年2月には、AIが生成する広告文で避けたい用語や表現を指定できる「テキストガイドライン」機能のベータ提供が、AI Max for SearchとP-MAXキャンペーンの全世界の広告主に拡大されました。2026年4月には、メッセージング・マッチング・オーディエンスに関する指示を自分の言葉で設定できる「AI Brief」と、必須の表示文言を広告文に必ず残す「テキスト免責事項」機能が発表されています。これらは英語圏から順次展開するとされており、日本語での提供時期は2026年7月時点で公式には明言されていません。ブランド設定やテキストガイドラインのように、生成される広告文やURL拡張の範囲を人間側で調整できるコントロール機能は、AI Maxの提供開始以降も継続的に追加されており、今後もアップデートが続く領域と考えられます。
従来機能との関係(インテントマッチ・DSA・RSA・P-MAX)
AI Maxは独立したキャンペーンタイプではなく、既存の検索キャンペーンに追加する設定という位置づけです。そのため、Google広告の複数あるキャンペーンタイプの中でも、これまでの検索広告関連の機能とどこが重なり、どこが違うのかを整理しておくと理解しやすくなります。
機能 | 主な役割 | AI Maxとの関係 |
|---|---|---|
登録キーワードと検索意図が近い語句にも配信を広げるマッチタイプ | AI Maxの「検索語句のマッチング拡張」が活用する仕組みの一つ。キャンペーン単位でインテントマッチのみを使う設定は、2026年9月からAI最大化設定へ順次自動アップグレードされる予定 | |
DSA(動的検索広告) | サイトのコンテンツをもとに見出しとリンク先を自動生成する広告タイプ | 当初は2026年9月からの自動アップグレードが予定されていたが、広告主からのフィードバックを受けて2027年2月開始に延期 |
RSA(レスポンシブ検索広告) | 複数の見出し・説明文を登録し、AIが組み合わせを最適化する広告フォーマット | AI Maxの「テキストのカスタマイズ」は、登録済みのRSAアセットを前提に、追加の見出し・説明文を生成する形で機能する |
複数のチャネルへ横断配信するP-MAXとは異なり、AI Maxはあくまで検索キャンペーンの枠内でキーワード・広告文・遷移先を拡張する機能です。P-MAXが検索・ディスプレイ・YouTube・Gmailなどをまたいで配信面ごと自動化するのに対し、AI Maxは検索キャンペーンという枠組みとキーワードによる構造を維持したまま、その中身を拡張する位置づけになります。YouTubeやDiscover、Gmailなどで新規の需要層に画像・動画で訴求するデマンドジェネレーションとも仕組みが異なるため、両者を混同しないよう注意が必要です。
設定方法
Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定をセットアップする」では、次のような手順が案内されています。なお、実際の画面表示や項目名はGoogle広告の仕様変更により今後変わる可能性があります。
新規キャンペーンで有効にする
新しい検索キャンペーンを作成する際、キャンペーンタイプで検索を選ぶと表示される設定画面でAI最大化設定を有効に切り替え、使用する機能(テキストのカスタマイズ、最終ページURLの拡張など)を選択します。
既存キャンペーンで有効にする
既存の検索キャンペーンでは、キャンペーンメニューの設定から対象のキャンペーンを選び、セクションメニューのAI最大化設定からオンに切り替えます。ブランドの登録・除外やURLの除外設定も同じ画面から行います。
テスト機能で効果を検証する
Google広告ヘルプ「AI 最大化設定のテストについて」では、キャンペーンを複製せずに同一キャンペーン内でトラフィックを分割し、AI最大化設定を有効にした場合と無効にした場合を比較できる「テスト」機能が案内されています。短期間で結果を確認でき、テスト終了時に良好な結果であれば自動的に設定を適用することも選べるとされています。
DSA・自動作成アセット(ACA)・キャンペーン単位のインテントマッチ設定を使っているキャンペーンについては、Googleの方針として段階的にAI最大化設定へ統合される予定です。自動作成アセットは、検索キャンペーンに限らず幅広い広告タイプでアカウント単位で有効になっている、見出しや説明文を自動生成する仕組みで、AI Maxの「テキストのカスタマイズ」そのものとは別の機能です。それでもGoogle広告の公式発表では、自動作成アセットとキャンペーンレベルのインテントマッチ設定を使っているキャンペーンは2026年9月から、DSA本体は延期の末2027年2月から、それぞれAI最大化設定へ自動アップグレードが始まると案内されています。該当するキャンペーンを運用している場合は、この時期までに手動での移行や設定内容の確認を検討しておくと安心です。
導入判断の考え方
AI Maxは既存の検索キャンペーンの設定を拡張する機能であるため、向き・不向きを見極めてから導入を判断することが現実的です。
向いていると考えられるケースには、次のようなものがあります。
登録キーワードだけでは拾いきれていない検索語句が一定量あると見込まれ、機会損失を減らしたい
ランディングページの情報が整理されており、RSAのアセットも複数パターン登録済みで、AIが参照できる材料が十分にある
DSAや自動作成アセット、キャンペーンレベルのインテントマッチ設定をすでに使っており、いずれ移行が必要になることが分かっている
コンバージョン計測が安定しており、テスト機能を使って有効化前後の成果を比較できる体制がある
一方で、次のような場合は慎重な検討が必要です。
規制業種などで広告文・遷移先に厳密な表示義務があり、生成される広告文やURLを細部までコントロールしたい
ブランド名や表記について、特定の見え方を厳格に管理する必要があり、生成結果のばらつきを許容しにくい
コンバージョン計測やアトリビューションの土台が整っておらず、そもそも効果検証が難しい
サイト全体のランディングページの情報が薄く、AIが参照できる材料が乏しい
いずれの場合も、Google広告ヘルプが案内する「テスト」機能を使って自社のアカウントで小さく検証してから本格導入を判断する進め方が現実的です。導入によって必ず成果が改善するとは限らないため、自社のデータで確認する姿勢が欠かせません。
効果測定の注意点
Google広告ヘルプは、検索キャンペーンでAI最大化設定を有効にした広告主について「現在と同程度のアクション単価・広告費用対効果で、コンバージョン数・コンバージョン値が通常平均14%上昇している」という実績を示しています(出典: Google内部データ、2025年、非小売の広告主向け)。ただしこれはGoogleが公表する平均値であり、業種やアカウントの状態によって結果は変動します。自社アカウントでの効果を確認せずに、この数値をそのまま見込むことは避けるべきです。
効果を測定する際は、テキストのカスタマイズや検索語句のマッチング拡張によって、登録キーワード単位のレポートだけでは実際に配信された検索語句が見えにくくなる点にも注意が必要です。Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定のレポートについて」によると、検索語句レポートではマッチタイプが「AI最大化設定」と表示された検索語句ごとに、実際に使われた広告見出しとランディングページの組み合わせを確認できます。キーワードレポートの集計行には「AI最大化設定の拡張一致」「AI最大化設定のランディングページの一致」という行が追加され、アセットレポートの「拡張された最終ページURL のアセット」タブでは、提供者が「Google AI」と表示される生成アセットを個別に確認できます(アセットの削除はGoogle広告の画面上では一括操作に対応しておらず、Google広告エディタやGoogle Ads APIの利用が案内されています)。ランディングページレポートでも、最終ページURLの拡張によって選ばれたURLかどうかが表示されます。同ヘルプでは、これらのレポートに十分なデータが蓄積されるまで少なくとも2週間程度は様子を見る必要があるとも案内されています。
レポートを確認する運用としては、検索語句レポートや自動生成された広告文の一覧を定期的にチェックし、ブランドガイドラインに沿わない表現や、意図しないURLへの遷移が発生していないかを見ていく体制が求められます。特に有効化した直後は、生成されるアセットや遷移先URLの傾向が安定するまで、通常よりも頻度を上げて確認しておくと安心です。
よくある質問
AI Maxは無料で使えますか。追加費用はかかりますか。
AI Maxは既存の検索キャンペーンに追加する設定であり、機能を有効にすること自体に別料金は発生しません。課金は従来どおり、検索キャンペーンのクリック課金やコンバージョン単価などの入札方式にもとづきます。生成された広告文やインテントマッチによる配信拡大によってクリック数やコンバージョン数が変化すれば、その分の広告費は当然変動するため、有効化後は費用の推移も合わせて確認しておくとよいでしょう。
今使っているキーワードやインテントマッチ(部分一致)設定はどうなりますか。
登録済みのキーワードは、AI Maxの検索語句のマッチング拡張が学習する情報の一つとして引き続き使われます。ただし、キャンペーン単位でインテントマッチのみを使う設定をしている場合、そのキャンペーンは2026年9月からAI最大化設定へ自動的にアップグレードされる予定であるとGoogle広告ヘルプで案内されています。
DSA(動的検索広告)を使っています。いつまでに対応すればいいですか。
Google広告の公式発表によると、DSAを含むキャンペーンの自動アップグレードは当初2026年9月に予定されていましたが、広告主からのフィードバックを受けて2027年2月開始に延期されました。自動作成アセットとキャンペーンレベルのインテントマッチ設定については、予定どおり2026年9月から自動アップグレードが始まるとされています。該当するキャンペーンを運用している場合は、この時期までに移行方針を検討しておくことをおすすめします。
導入すれば必ず成果が上がりますか。
Googleが公表している平均値は多数のアカウントを集計した実績であり、個別のアカウントでの成果を保証するものではありません。業種、既存のキーワードの網羅度、ランディングページの状態によって結果は異なりますし、生成される広告文や拡張される検索語句の質はアカウントごとに差が出得ます。効果を過大に見込んで一律に導入するのではなく、テスト機能などを使って自社アカウントで実際の数値を確認したうえで、本格導入するかどうかを判断することが妥当です。
複数のキャンペーンでAI Maxを運用する場合、何に気をつければよいですか。
キャンペーンごとにテキストのカスタマイズや検索語句のマッチング拡張の挙動が異なることがあるため、生成された広告文や実際に配信された検索語句をキャンペーン横断で定期的に確認する体制が必要です。確認作業や設定変更の手間が負担になる場合は、Cascadeのように複数媒体の広告運用を一元管理・自動最適化するツールを併用する選択肢もあります。
本記事は2026年7月時点でGoogle広告ヘルプおよびGoogle公式発表ページで確認できた情報にもとづいて作成しています。AI Maxはベータ提供を終えたあとも機能追加とアップデートが続いている新機能であり、名称・仕様・提供範囲・自動アップグレードの時期は今後変更される可能性があります。実際に導入や移行を検討する際は、本記事の内容だけで判断せず、最新のGoogle広告ヘルプの記載やアカウント内の案内もあわせてご確認ください。


