薬機法と広告表現|運用者が事前に整えておく確認の流れ

薬機法と広告表現|運用者が事前に整えておく確認の流れ

薬機法と広告表現|運用者が事前に整えておく確認の流れ

薬機法における広告規制は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の効能効果に関する表現を制限する法規制で、企業の広告担当者だけでなく、インフルエンサーやアフィリエイター、EC出品者も対象となる。違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられるため、適切な表現設計が必須だ。

薬機法における広告規制とは

薬機法第66条は「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能について、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告してはならない」と定めている。

この「何人も」という表現が重要で、メーカーや販売者だけでなく、ブロガー、インフルエンサー、アフィリエイター、個人のSNS投稿者も規制対象に含まれる。2020年以降、消費者庁はSNS投稿への監視を強化しており、実際に個人インフルエンサーへの指導事例も増加している。

規制対象となる4つの商品カテゴリー

  • 医薬品:処方薬・一般用医薬品(風邪薬、胃腸薬、湿布など)

  • 医薬部外品:薬用化粧品、薬用歯磨き、制汗剤、育毛剤など

  • 化粧品:スキンケア用品、メイクアップ用品、シャンプー、ボディソープなど

  • 医療機器:マッサージ器、家庭用治療器、コンタクトレンズなど

「広告」の定義と適用範囲

薬機法における「広告」の定義は以下の3要件を満たす表現とされる:

  1. 顧客の購入意欲を昂進させる意図がある

  2. 特定商品名が明らかになる

  3. 一般人が認識できる状態にある

つまり、商品名を出して推奨する投稿は、報酬の有無に関わらず「広告」と見なされる可能性が高い。

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デジタル広告全般の基礎知識と運用手法を解説。薬機法対応を含む審査通過のテクニックも紹介。

薬機法違反となる表現例と許可される表現の境界線

化粧品で「シミが消える」は薬機法違反だが、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」は医薬部外品なら適法表現となる。商品カテゴリーごとに表現可能な効能効果の範囲が明確に定められている。

商品カテゴリーごとの薬機法上の表現可否。化粧品は効能効果表現が最も制限され、医薬部外品は承認された範囲内で治療的表現が可能。健康食品は機能性表示食品制度を除き効能効果表現は原則禁止。

商品カテゴリーごとの薬機法上の表現可否。化粧品は効能効果表現が最も制限され、医薬部外品は承認された範囲内で治療的表現が可能。健康食品は機能性表示食品制度を除き効能効果表現は原則禁止。

化粧品の表現可能範囲

化粧品は56項目の効能効果表現のみが認められており、それ以外の効果をうたうことは薬機法違反となる。代表的な適法表現:

  • 「肌を整える」「肌にうるおいを与える」「肌をひきしめる」

  • 「皮膚をすこやかに保つ」「皮膚にうるおいを与える」

  • 「皮膚を保護する」「皮膚の水分、油分を補い保つ」

  • 「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」(日焼け止めの場合)

医薬部外品の承認表現

医薬部外品は厚生労働省の承認を受けた効能効果のみ表現可能。薬用化粧品の代表的な適法表現:

  • 「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」(美白有効成分配合品)

  • 「肌荒れを防ぐ」「荒れ性」「あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ」

  • 「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「毛髪・頭皮を清浄にする」(薬用シャンプー)

商品カテゴリー

適法表現例

違反表現例

行政処分リスク

化粧品

「肌にうるおいを与える」

「シワが消える」「毛穴が小さくなる」

措置命令・課徴金

医薬部外品

「メラニン生成を抑制」

「既存のシミが消える」

業務停止・課徴金

健康食品

「栄養補給に」「健康維持に」

「血圧を下げる」「免疫力向上」

措置命令・刑事告発

機能性表示食品

届出表示の範囲内

「病気が治る」「薬に近い効果」

措置命令・表示許可取消

SNS・ブログ投稿で注意すべき薬機法違反パターン

個人のSNS投稿でも、商品の推奨と効果効能の表現が組み合わさると薬機法違反となるリスクがある。特に美容系インフルエンサーの投稿で指摘されやすいのは、体験談に効果効能表現を混在させるパターンだ。

2024年7月、消費者庁はInstagram投稿に対する初の薬機法違反措置命令を出した。フォロワー数15万人の美容系インフルエンサーが「このサプリで肌荒れが治った」「シミが薄くなってきた」という表現で健康食品を紹介したケースだ。投稿時点では明確なPR表示はなかったが、後の調査で販売元から報酬を受け取っていたことが判明している。

よくある違反パターンと対処法

  • 体験談での効果効能表現:「足のむくみが即効で解消された」「疲労回復効果を実感」→「スッキリした気がする」「気分転換になった」に修正

  • 比較表現での効果訴求:「他社製品より優れた美白効果」→「使用感の比較」「価格の比較」に限定

  • 医学的根拠の不適切な引用:「臨床試験で効果実証済み」→「届出表示の範囲内」または「研究段階」と明示

  • 症状改善の暗示:「アトピーの方におすすめ」→「敏感肌の方に愛用されています」

安全な投稿のための3つの原則

  1. 効果効能に触れない:使用感、テクスチャー、香り、価格、購入場所に限定

  2. 「個人の感想」では免責されない:効果効能表現は「個人の感想です」と併記しても違反

  3. 商品名と効果を分離:商品紹介と効果的な使用方法を別の投稿にする

健康食品・サプリメントの広告表現における注意点

健康食品は原則として効能効果を表示できないが、機能性表示食品制度と特定保健用食品制度を活用することで、届出または許可された範囲内での機能性表示が可能となる。ただし、届出表示を逸脱した表現は薬機法違反となる。

株式会社ファンケルは2024年11月、機能性表示食品「内脂サポート」の広告で「体重を減らす」と表示していたが、実際の届出表示は「体重(BMI)を減らすのを助ける機能」だった。この「助ける」という限定表現の省略により、消費者庁から景品表示法違反の措置命令を受けた。機能性表示食品では、届出表示の一字一句を正確に表示することが求められる。

機能性表示食品の適切な表現設計

機能性表示食品では届出時の表現から一文字も変更できないため、事前の表現設計が重要:

  • 届出表示例:「本品にはGABAが含まれます。GABAは血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています」

  • 適法な広告表現:上記届出表示をそのまま使用

  • 違反表現:「血圧を正常化」「高血圧に効果」「血圧改善」

制度

審査機関

表現可能範囲

表示例

特定保健用食品(トクホ)

消費者庁(許可制)

許可表示のみ

「コレステロールの吸収を抑える」

機能性表示食品

消費者庁(届出制)

届出表示のみ

「疲労感を軽減する機能が報告されている」

栄養機能食品

基準適合(届出不要)

規格基準で定められた表現

「ビタミンCは皮膚の健康維持を助ける」

一般健康食品

なし

効能効果表現不可

「栄養補給に」「美容と健康に」

よくある薬機法違反を防ぐための実務チェックリスト

広告作成時に見落としがちな薬機法違反パターンを防ぐには、制作段階でのチェック体制が不可欠だ。特に治療効果の暗示、症状名の使用、科学的根拠の不適切な表現は無意識に含まれやすい。

薬機法違反を防ぐための4つのチェック項目。効能効果表現の適法性、症状名使用の有無、科学的根拠の適切性、他社比較表現の妥当性を制作段階で確認する。

薬機法違反を防ぐための4つのチェック項目。効能効果表現の適法性、症状名使用の有無、科学的根拠の適切性、他社比較表現の妥当性を制作段階で確認する。

制作段階のチェック項目

  • 効能効果表現:「治る」「改善」「解消」「効く」等の治療的表現の有無

  • 症状名の使用:「アトピー」「糖尿病」「高血圧」等の疾病名の使用

  • 身体への作用:「血行促進」「代謝向上」「デトックス」等の生理機能への言及

  • 部位・組織への言及:「肝臓に良い」「関節に効く」等の特定部位への効果

  • 科学的根拠の表現:「臨床試験済み」「医師推奨」等の権威付け表現

月額予算50万円未満のEC事業者が取るべき対策

予算が限られる中小EC事業者は、法務部門を設けることが難しく、薬機法対応をマーケティング担当者が兼務するケースが多い。この場合、以下の優先順位で対策を進めることが効率的だ:

  1. 商品カテゴリーの確認(第1優先):自社商品が医薬部外品か化粧品かを正確に把握

  2. 表現ガイドラインの整備(第2優先):使用可能表現・禁止表現の一覧を作成

  3. 外部チェックの導入(第3優先):薬機法専門の広告審査サービスの活用

月額予算100万円以上の事業者向け高度な対策

予算に余裕がある事業者は、より積極的な表現設計が可能だ:

  • 機能性表示食品への切り替え検討:既存商品を機能性表示食品として届出することで表現幅を拡大

  • 薬機法専門コンサルタントとの顧問契約:月額20万円〜30万円で継続的な表現チェック体制を構築

  • A/Bテストでの表現最適化:適法な範囲内で複数の表現パターンをテストし、CVR最適化を図る

よくある質問

美容アカウントで自分で購入した商品を紹介する場合、薬機法は関係ありませんか?

報酬の有無に関わらず、特定商品名を挙げて効能効果を表現する投稿は薬機法の規制対象となる可能性があります。自腹購入でも「シミが薄くなった」「毛穴が小さくなった」等の表現は違反リスクがあるため、使用感や質感の表現に留めることをお勧めします。

ブログでの化粧品紹介記事で気をつけるべき表現はありますか?

化粧品の場合、56項目の効能効果表現以外は原則禁止されています。「肌にうるおいを与える」「皮膚を保護する」等の範囲内に留め、「美白効果」「シワ改善」「毛穴ケア」等の表現は避けてください。体験談でも効果効能に触れるとリスクがあります。

薬機法第66条の「何人も」という部分の意味を教えてください

「何人も」とは「誰でも」という意味で、メーカー・販売者だけでなく、アフィリエイター・インフルエンサー・個人ブロガー・SNS投稿者も含まれます。つまり商品に関わるすべての人が薬機法の規制対象となるということです。

自社商品がテレビで報道された場合も薬機法の規制対象になりますか?

報道内容自体は編集権が報道機関にあるため規制対象外ですが、その報道を自社の広告宣伝に転用する場合は薬機法の適用を受けます。報道内容をそのまま広告に使用することは避け、適法な表現に修正して使用する必要があります。

ラクマで犬用サプリを販売する場合の薬機法対応を教えてください

ペット用サプリメントも薬機法の対象となる場合があります。「免疫力向上」「関節痛改善」等の効果効能表現は避け、「健康維持に」「栄養補給として」等の表現に留めてください。また、動物用医薬品に該当する可能性もあるため、農林水産省の規制も併せて確認が必要です。

まとめ

薬機法における広告規制は、商品カテゴリーごとに表現可能な範囲が明確に定められており、違反すると重い行政処分や刑事罰の対象となる。重要なのは、自社商品の正確な分類と、それに応じた適法表現の習得だ。

特にEC事業者やデジタルマーケティング担当者は、SNS投稿やブログ記事でも規制対象となることを認識し、効能効果表現を避けた安全な訴求手法を身につける必要がある。予算規模に応じて外部チェック体制を整備し、継続的な法的リスク管理を行うことで、適法かつ効果的な広告運用が実現できる。

薬機法における広告規制は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の効能効果に関する表現を制限する法規制で、企業の広告担当者だけでなく、インフルエンサーやアフィリエイター、EC出品者も対象となる。違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられるため、適切な表現設計が必須だ。

薬機法における広告規制とは

薬機法第66条は「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能について、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告してはならない」と定めている。

この「何人も」という表現が重要で、メーカーや販売者だけでなく、ブロガー、インフルエンサー、アフィリエイター、個人のSNS投稿者も規制対象に含まれる。2020年以降、消費者庁はSNS投稿への監視を強化しており、実際に個人インフルエンサーへの指導事例も増加している。

規制対象となる4つの商品カテゴリー

  • 医薬品:処方薬・一般用医薬品(風邪薬、胃腸薬、湿布など)

  • 医薬部外品:薬用化粧品、薬用歯磨き、制汗剤、育毛剤など

  • 化粧品:スキンケア用品、メイクアップ用品、シャンプー、ボディソープなど

  • 医療機器:マッサージ器、家庭用治療器、コンタクトレンズなど

「広告」の定義と適用範囲

薬機法における「広告」の定義は以下の3要件を満たす表現とされる:

  1. 顧客の購入意欲を昂進させる意図がある

  2. 特定商品名が明らかになる

  3. 一般人が認識できる状態にある

つまり、商品名を出して推奨する投稿は、報酬の有無に関わらず「広告」と見なされる可能性が高い。

あわせて読みたい

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デジタル広告全般の基礎知識と運用手法を解説。薬機法対応を含む審査通過のテクニックも紹介。

薬機法違反となる表現例と許可される表現の境界線

化粧品で「シミが消える」は薬機法違反だが、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」は医薬部外品なら適法表現となる。商品カテゴリーごとに表現可能な効能効果の範囲が明確に定められている。

商品カテゴリーごとの薬機法上の表現可否。化粧品は効能効果表現が最も制限され、医薬部外品は承認された範囲内で治療的表現が可能。健康食品は機能性表示食品制度を除き効能効果表現は原則禁止。

商品カテゴリーごとの薬機法上の表現可否。化粧品は効能効果表現が最も制限され、医薬部外品は承認された範囲内で治療的表現が可能。健康食品は機能性表示食品制度を除き効能効果表現は原則禁止。

化粧品の表現可能範囲

化粧品は56項目の効能効果表現のみが認められており、それ以外の効果をうたうことは薬機法違反となる。代表的な適法表現:

  • 「肌を整える」「肌にうるおいを与える」「肌をひきしめる」

  • 「皮膚をすこやかに保つ」「皮膚にうるおいを与える」

  • 「皮膚を保護する」「皮膚の水分、油分を補い保つ」

  • 「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」(日焼け止めの場合)

医薬部外品の承認表現

医薬部外品は厚生労働省の承認を受けた効能効果のみ表現可能。薬用化粧品の代表的な適法表現:

  • 「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」(美白有効成分配合品)

  • 「肌荒れを防ぐ」「荒れ性」「あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ」

  • 「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「毛髪・頭皮を清浄にする」(薬用シャンプー)

商品カテゴリー

適法表現例

違反表現例

行政処分リスク

化粧品

「肌にうるおいを与える」

「シワが消える」「毛穴が小さくなる」

措置命令・課徴金

医薬部外品

「メラニン生成を抑制」

「既存のシミが消える」

業務停止・課徴金

健康食品

「栄養補給に」「健康維持に」

「血圧を下げる」「免疫力向上」

措置命令・刑事告発

機能性表示食品

届出表示の範囲内

「病気が治る」「薬に近い効果」

措置命令・表示許可取消

SNS・ブログ投稿で注意すべき薬機法違反パターン

個人のSNS投稿でも、商品の推奨と効果効能の表現が組み合わさると薬機法違反となるリスクがある。特に美容系インフルエンサーの投稿で指摘されやすいのは、体験談に効果効能表現を混在させるパターンだ。

2024年7月、消費者庁はInstagram投稿に対する初の薬機法違反措置命令を出した。フォロワー数15万人の美容系インフルエンサーが「このサプリで肌荒れが治った」「シミが薄くなってきた」という表現で健康食品を紹介したケースだ。投稿時点では明確なPR表示はなかったが、後の調査で販売元から報酬を受け取っていたことが判明している。

よくある違反パターンと対処法

  • 体験談での効果効能表現:「足のむくみが即効で解消された」「疲労回復効果を実感」→「スッキリした気がする」「気分転換になった」に修正

  • 比較表現での効果訴求:「他社製品より優れた美白効果」→「使用感の比較」「価格の比較」に限定

  • 医学的根拠の不適切な引用:「臨床試験で効果実証済み」→「届出表示の範囲内」または「研究段階」と明示

  • 症状改善の暗示:「アトピーの方におすすめ」→「敏感肌の方に愛用されています」

安全な投稿のための3つの原則

  1. 効果効能に触れない:使用感、テクスチャー、香り、価格、購入場所に限定

  2. 「個人の感想」では免責されない:効果効能表現は「個人の感想です」と併記しても違反

  3. 商品名と効果を分離:商品紹介と効果的な使用方法を別の投稿にする

健康食品・サプリメントの広告表現における注意点

健康食品は原則として効能効果を表示できないが、機能性表示食品制度と特定保健用食品制度を活用することで、届出または許可された範囲内での機能性表示が可能となる。ただし、届出表示を逸脱した表現は薬機法違反となる。

株式会社ファンケルは2024年11月、機能性表示食品「内脂サポート」の広告で「体重を減らす」と表示していたが、実際の届出表示は「体重(BMI)を減らすのを助ける機能」だった。この「助ける」という限定表現の省略により、消費者庁から景品表示法違反の措置命令を受けた。機能性表示食品では、届出表示の一字一句を正確に表示することが求められる。

機能性表示食品の適切な表現設計

機能性表示食品では届出時の表現から一文字も変更できないため、事前の表現設計が重要:

  • 届出表示例:「本品にはGABAが含まれます。GABAは血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています」

  • 適法な広告表現:上記届出表示をそのまま使用

  • 違反表現:「血圧を正常化」「高血圧に効果」「血圧改善」

制度

審査機関

表現可能範囲

表示例

特定保健用食品(トクホ)

消費者庁(許可制)

許可表示のみ

「コレステロールの吸収を抑える」

機能性表示食品

消費者庁(届出制)

届出表示のみ

「疲労感を軽減する機能が報告されている」

栄養機能食品

基準適合(届出不要)

規格基準で定められた表現

「ビタミンCは皮膚の健康維持を助ける」

一般健康食品

なし

効能効果表現不可

「栄養補給に」「美容と健康に」

よくある薬機法違反を防ぐための実務チェックリスト

広告作成時に見落としがちな薬機法違反パターンを防ぐには、制作段階でのチェック体制が不可欠だ。特に治療効果の暗示、症状名の使用、科学的根拠の不適切な表現は無意識に含まれやすい。

薬機法違反を防ぐための4つのチェック項目。効能効果表現の適法性、症状名使用の有無、科学的根拠の適切性、他社比較表現の妥当性を制作段階で確認する。

薬機法違反を防ぐための4つのチェック項目。効能効果表現の適法性、症状名使用の有無、科学的根拠の適切性、他社比較表現の妥当性を制作段階で確認する。

制作段階のチェック項目

  • 効能効果表現:「治る」「改善」「解消」「効く」等の治療的表現の有無

  • 症状名の使用:「アトピー」「糖尿病」「高血圧」等の疾病名の使用

  • 身体への作用:「血行促進」「代謝向上」「デトックス」等の生理機能への言及

  • 部位・組織への言及:「肝臓に良い」「関節に効く」等の特定部位への効果

  • 科学的根拠の表現:「臨床試験済み」「医師推奨」等の権威付け表現

月額予算50万円未満のEC事業者が取るべき対策

予算が限られる中小EC事業者は、法務部門を設けることが難しく、薬機法対応をマーケティング担当者が兼務するケースが多い。この場合、以下の優先順位で対策を進めることが効率的だ:

  1. 商品カテゴリーの確認(第1優先):自社商品が医薬部外品か化粧品かを正確に把握

  2. 表現ガイドラインの整備(第2優先):使用可能表現・禁止表現の一覧を作成

  3. 外部チェックの導入(第3優先):薬機法専門の広告審査サービスの活用

月額予算100万円以上の事業者向け高度な対策

予算に余裕がある事業者は、より積極的な表現設計が可能だ:

  • 機能性表示食品への切り替え検討:既存商品を機能性表示食品として届出することで表現幅を拡大

  • 薬機法専門コンサルタントとの顧問契約:月額20万円〜30万円で継続的な表現チェック体制を構築

  • A/Bテストでの表現最適化:適法な範囲内で複数の表現パターンをテストし、CVR最適化を図る

よくある質問

美容アカウントで自分で購入した商品を紹介する場合、薬機法は関係ありませんか?

報酬の有無に関わらず、特定商品名を挙げて効能効果を表現する投稿は薬機法の規制対象となる可能性があります。自腹購入でも「シミが薄くなった」「毛穴が小さくなった」等の表現は違反リスクがあるため、使用感や質感の表現に留めることをお勧めします。

ブログでの化粧品紹介記事で気をつけるべき表現はありますか?

化粧品の場合、56項目の効能効果表現以外は原則禁止されています。「肌にうるおいを与える」「皮膚を保護する」等の範囲内に留め、「美白効果」「シワ改善」「毛穴ケア」等の表現は避けてください。体験談でも効果効能に触れるとリスクがあります。

薬機法第66条の「何人も」という部分の意味を教えてください

「何人も」とは「誰でも」という意味で、メーカー・販売者だけでなく、アフィリエイター・インフルエンサー・個人ブロガー・SNS投稿者も含まれます。つまり商品に関わるすべての人が薬機法の規制対象となるということです。

自社商品がテレビで報道された場合も薬機法の規制対象になりますか?

報道内容自体は編集権が報道機関にあるため規制対象外ですが、その報道を自社の広告宣伝に転用する場合は薬機法の適用を受けます。報道内容をそのまま広告に使用することは避け、適法な表現に修正して使用する必要があります。

ラクマで犬用サプリを販売する場合の薬機法対応を教えてください

ペット用サプリメントも薬機法の対象となる場合があります。「免疫力向上」「関節痛改善」等の効果効能表現は避け、「健康維持に」「栄養補給として」等の表現に留めてください。また、動物用医薬品に該当する可能性もあるため、農林水産省の規制も併せて確認が必要です。

まとめ

薬機法における広告規制は、商品カテゴリーごとに表現可能な範囲が明確に定められており、違反すると重い行政処分や刑事罰の対象となる。重要なのは、自社商品の正確な分類と、それに応じた適法表現の習得だ。

特にEC事業者やデジタルマーケティング担当者は、SNS投稿やブログ記事でも規制対象となることを認識し、効能効果表現を避けた安全な訴求手法を身につける必要がある。予算規模に応じて外部チェック体制を整備し、継続的な法的リスク管理を行うことで、適法かつ効果的な広告運用が実現できる。

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